■ 妻籠宿の歴史散歩(黄コース) ■

街道沿いに妻籠宿は約1kmにわたり、歴史散歩はその内の950m程の距離です。 本陣や脇本陣が建ち並ぶ町並みから庶民の木賃宿のある町並みに変化した。 この付近は中山道を旅する人々の木賃宿が多く並び、上嵯峨屋と云われる建物も続いていた。 その景観が緑の山々の中にあり、日本の原風景を体感できる。


8時を過ぎて人通りは少ない。四差路の角に延命地蔵がある。 光徳寺の住職が蘭川で地蔵尊像の浮かび上がっている岩を運び、安置したと伝わる。 景観が待望の木賃宿の景観になった。道幅も少し狭くなった感じで、宿の2階部分から旅人が窓を開け、 「今日の天気はどうかなぁ?」と声が聞こえそうな雰囲気。

延命地蔵



厩の入口
情緒溢れる木賃宿の景観



厩の中

江戸時代のままの厩が保存されていた。ただ折角の重要文化財の前にある花壇は厩とはマッチしない。 この一帯は寺下地区と呼ばれ、案内板には妻籠宿の集落保存に着手した経緯が記されている。 長野県の明治100年祭で、昭和43年から26戸の解体復元工事を実施し、江戸時代の面影をそのまま残す事が出来た。












上から下まですべて木で造られた雨樋


上嵯峨屋と云われる建物は江戸中期の建築で、当時の木賃宿の形式が保存されていた。 昭和の時代に解体復元する時に、なるべく元の木材を使って再現。平屋建ての建物で奥行きのある建物です。 土間が中央を貫いて両側にそれぞれ部屋がある。

上嵯峨屋の表

建物の中央に土間が通る
上嵯峨屋の内部

軒を並べている建物と山野の風景

軒が並んだ建物がそれぞれ異なり、山野の風景と合って、どことなく田舎の風景を感じる。 女将さんが開店の準備で家の前に水を撒き、外に出てきた時に私達と鉢合わせした。 「記念写真を撮ってやろうか、何処からきたの?」、「これから通りが賑やかになり忙しくなる」、 「帰りに寄って!」と矢継ぎ早に声をかけてきた。 この地の元気な人々を感じる勢いで私達も吃驚した。



街道から河川に出ると…


…河川に小さなダム

建物は生活の工夫がしてある。素朴で繊細な昔の建物、梁や窓格子の建物が軒を連ねている。 妻籠宿の歴史散歩を終了。山々と河川の中程に細長く街道が通り、妻籠宿が静かに江戸時代の面影を残していた。 次回は賑やかな妻籠宿を見たい。

現在8時半過ぎで予定のコースが終了。妻籠宿の町外れから河川に出た。 ここから河川に沿って駐車場に戻るが、小道を歩きながら早朝散歩の気分。 朝の早い時期に木曾路の歴史を少しだけ学んだ。

古い橋が架かり車両専用 長閑な田舎の風景

駐車場に戻ると高齢の元気なおじさん、おばさんが管理室でお喋りしていた。 500円を支払い、次の予定の寝覚めの床、奈良井宿の様子を教えて貰う。 奈良井宿はNHKドラマのロケ地だから駐車場は無料。木曽路はもっともっと楽しめるよと気さくに教えてくれた。 妻籠にまた来たくなった。

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