■ 倉敷アイビースクエア ■

明治以降の倉敷を支えた倉敷紡績が本社としてスタートしたのが、この地です。 地元の企業家がこの地の大地主、大原家の援助を受け操業を開始し現在に至り、今でも登記上の本社となっている。 赤煉瓦の工場跡地は近代化産業遺産として国の文化遺産として登録されている。 今年最初に訪問した富岡製糸所につぐ歴史散策になる。


本町にある倉敷アイビースクエアの入口には3つの看板がある。 倉敷紡績(株)、倉紡記念館、(株)倉敷アイビースクエアと3つあり、広い敷地にお洒落な感じの門構えです。 門前にある外灯も大正時代の雰囲気のあるもので情緒がいっぱいある。










広い敷地内の歴史を見学するために、端からもれなく歩いてみたい。 その中でお気に入りを見つけ、見学もしたいし思い出を作りたい。 最初の訪問先は入ってすぐ左手にある児島虎次郎記念館です。 ここもまだオープン前でしたが係員の人から話を伺った。 児島虎次郎記念館はこの地の大原コレクションの収集に貢献した児島虎次郎の作品や古代エジプトの彫刻や陶器、 そしてイランの土器などが展示されている。



オリエント室

児島室




西洋絵画室

分野別に3つのブロックがあり、それぞれ収集したコレクションなどが展示されている。 煉瓦造りの建物は所々綺麗に修復してあり美観が引き立つ。 オープン前で係員が忙しそうに動き、あまり足止めをしても迷惑なので次に向かう。



代官所の跡地の碑


代官所の濠遺構
右手にキャンドルワールドがあり、その奥に江戸時代の代官所の跡地の碑がある。 さらに代官所の濠遺構が続きます。 当時の代官所跡地は現在の倉敷アイビースクエアとほぼ同じ敷地にある。


代官所井戸跡

オルゴールミュゼ

濠遺構を渡るとすぐ右手に代官所井戸跡と古い灯籠が庭に囲まれて保存されている。 ここにはオルゴールミュゼと呼ばれるオルゴール館があり、演奏は10時以降、1時間ごとに演奏を聴く事ができた。 入場料は500円で帰りの時間帯に合えば入館しようと思ったが、1時間に1回ではタイミングが合わなかった。



倉紡記念館


オルゴール館の向かい側に倉紡記念館がある。 ここは日本の紡績産業の移り変わりを背景に倉敷紡績が歩んできた軌跡が時代の流れを通して見学できる。 倉紡だけでなく日本の繊維産業の歴史を見る事ができる。 ここもオープン前で、入口は閉まっていたが出口が見えたので、ここから一枚撮影させて貰った。

倉紡記念館入口

倉紡記念館出口


登録有形文化財は国の重要文化財の一つ下のクラスで、現在の保存状況が続けば昇格する可能性が高いと云う事です。 西の日光、耕三寺も登録有形文化財です。 壁面が煉瓦と石材の組み合わせの中で黒の板塀もある。 黒の板塀は町中の一部でも使われ、木材を焼いて空気に触れる面を炭化させて耐用年数を高める。 初めはタイルのように見えたが、手で触ってみると指先が黒くなった。

黒の板塀

アイビースクエア


倉紡記念館から奥へ進むと右手に大きな工場の様な建物が見える。 この工場跡全体がホテル、レストラン、アイビー学館、ブライダルサロン、ショップとして旧倉敷紡績の工場を再生し、 倉敷の古い町並みの名所の一つとして地域活性化の役割をしている。 宣伝の様な説明になってしまったが、出会う人々との会話を通して肌で感じた実感です。



お洒落な円形窓
アイビー学館

建物の一番近い入口がアイビー学館で、中に入ると工場の裏側を見学できる。 当時の煉瓦積の壁面は表側は蔓が張り付き、裏側はその実態を見る事ができた。 窓の部分は工場というより、当時の斬新なデザインが使われ、必ずしも機能一点張りでなく美しい。 壁面には結構隙間があり密閉された工場でない事、出入口の扉部分も当時のままで、明治時期の工場の様子が窺い知れる。





アイビースクエアホテル庭への入口


アイビー学館は展示室やギャラリーを利用して、いろんな展示会やイベントを開催している。 陶芸展、藍染めや草木染め展、和紙展、七宝焼展、木工展、ガラス展などワークショップや展示品の即売をしてる。
貸しギャラリーでは一般の方の個展、グループ展も開催され、アルバイトの学生が道具の運び込みや仕切り板など忙しそうに働いていた。

アイビー学館をでて、アイビースクエアホテル中庭へ向かう



アイビー学館を出て、丁度右側に同じ建物が続き、その一角にアイビースクエアのホテルがある。 この入口はホテルの中庭への入口になりる。 妻はもうすでに中に入り、私も遅れて行った。 入口を入ると一見旧工場の建物に囲まれた煉瓦敷きの中庭で、明るく開放的な空間です。 周囲を煉瓦造りの建物で囲まれていて中央にはお洒落なテントが張ってある。 ただ中庭では何かイベントがあるらしく係員が打ち合わせをしているが、周囲には、いいカメラを持った人達がウロウロしていた。







西欧風の煉瓦造りの建物は画一的な建築でなく、そして異国風のイメージより明治、大正ロマンが漂う雰囲気です。 どこかに日本的な要素が組まれているから、そう感じ取れるのではないかと思います。








建物の壁面にツタが張り付いているが、このツタは平安時代からある日本古来のツタで、この幹から液を絞り煮詰めて甘味料を作った。 ただし葉は食用にはできず落葉性のツタだという。 創業時に植樹したわけでなく、昭和の初期に工場の室温の上昇を防ぐために植樹されたという。 いずれにしても煉瓦色と壁面のツタが緑色に絡まると景観が飛躍的にアップすると思う。



…Nikonの撮影会事務局
レフ板の練習中

最初はこの人達をあまり気に留めず、建物の建築美に堪能しながら撮影を重ねていきます。 途中でテントが無い方が良い構図があったので、テントに寄っていくと、そこにはNikonの表示で溢れていた。 何故?と思って暫く様子を見ていると、どうやら今日は撮影会があるようです。 あまり邪魔しないように撮影を手早く済ませ、建物の鑑賞に妻と見回りました。 レフ板をいろいろ操作の練習をしているから、これからモデルがきて倉敷の古い町並みで撮影会があるんじゃないかと思った。



オルゴールショップ
愛美工房売店

愛美工房

中庭をウロウロしても擦れ違う人達のカメラはすべてNikonのマークがあり、さすがにかっこ悪くなって移動。 ホテルの出入口を出た処に、普通の屋根瓦、平屋の建物ですが愛美工房の建物があり、すでにオープンしていた。 やっと観光の街に来たという雰囲気になり工房内に入りました。 入口には焼き物がデザインされ綺麗に飾ってあり雰囲気の良いお店の感じです。










中に入るとさすが工芸の町の実感がする。 色とりどりの工芸品が並んで展示販売していた。 初めは個々の作品を撮影していたが、撮影が一段落して妻を見るとお気に入りが見つかったようだ。 暫くして、その商品を手に取って一発お買い上げ! 妻はキョトンとした顔から喜びの笑顔に変わり、どの色にしようか吟味し直してお買い物を完了!






妻の首には先ほど買い求めたアクセサリーが輝いている。 いままで着けていたものはお店の人が別の箱に入れてくれた。 この頃から観光客が多くなった感じ、人の擦れ違いが多くなった。 さらにスクエアの奥の方へ向かって歩き、途中、樹木の根元に愛美地蔵があった。 子供の成長を願うお地蔵様です。 植樹された樹木の中に桜が開花したての花弁がこの時期引き立ち、撮影を楽しみながらどんどん奥の方へ…







陸橋から見たアイビースクエア


樹木の苔からさらに新しい芽が…



アイビースクエアのフローラルコート

建物の終わりの所が、旧代官所跡地の境界です。 アイビースクエアはここで終わり、1本はさんだ道路にアイビースクエアの別の建物がある。 側道を行くか、陸橋を行くか迷ったが、妻がサッサと陸橋を渡って行ったので後からついて行った。 陸橋を渡るとアイビースクエアの正面玄関前に出た。 ここで初めてアイビースクエアがホテルも営業してることを知った。 と云う事は先ほどまで見てきた外観の建物はホテルの4号棟だったと気が付いた。

ホテル正面の門

門からホテル正面を撮影

…2、3号棟
ホテル正面の車寄せも広く正門はバスも通過できそう。 ホテルは左側から1、2、3、4号棟とあり、大型ホテルです。 外観からこの建物の中がホテルの居室には全然思いつかなかった。
…2、3号棟の間に何かが…

教会
案内図によると大浴場の施設?

ホテルからオルゴールミュゼに戻ってきました。 タイミングが悪く演奏は聞けそうにない。 やむなくオルゴール館の奥へ入るとホテルの結婚式場のチャペルがある。 カップルの記念撮影ができそう! 噴水も綺麗! 生憎、三脚を持って来なかったため単純な映像です。 芝生に植樹してある大きな大木に気がつき説明板を見た。 メタセイコア(あけぼぼすぎ)と呼ばれ日本では化石しか発見されなかったが、原産地の中国からアメリカ経由で入ってきたという。 (経由の仕方が珍しい!)

メタセイコア(あけぼぼすぎ)

旧工場の鉄鈴(てつれい)

オルゴールミュゼ

旧紡績工場の壁面一角に鉄鈴(てつれい)を発見! こういうのを見つけるとほんとに嬉しい。 創業当時から始業、終業などの合図に使われ、蒸気で鉄鈴が鳴る作動装置もそのまま残っている。
倉敷アイビースクエアの散策を終えて出入口に戻ると小路が賑やかです。 スクエア内にいる間に倉敷の町並みの様子がすっかり変わった。 観光地に来た雰囲気になり気分も撮影から観光客になる。

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