■ 「修行の道場 (高知県)」 ■

修行(しゅぎょう)= 実践の場となる「修行の道場 (高知県)」と云われる。
弘法大師が「空海」となった修行の場(土佐)である。 阿波の第23番薬王寺から第39番札所延光寺まで、長い長い海岸線の道が続き、荒波が打ち寄せる沿岸は難所と云われる。
四国の南部一帯に位置する高知県は県内に十六寺が点在し、しかも札所間が長い道程である。


■5月16日(水)天候 快晴■   自転車 Odo 598.9-714.0km (走行キロ115.1km)

5時30分起床して、荷物を整理していたら、6時からのお朝時の時間に遅れ、あとから参加。 6時半に終了して、荷物の整理を再開。 お朝時は、読経後、僧侶から普段聞くことのできないお話を聞けて宿坊の最大のメリットと思う。 これぞ遍路という大事な話を聞けて、遍路旅の最大の収穫でした。

さぁスタート!6時50分に出発しました。標高280mの片坂峠が最初の難関! 1kmも走らないうちに、自転車押し歩き状態になり片坂峠まで約6kmを歩く。 汗がボタボタ、拭っても限が無く、「ひーひー、ハーハー!」背中に激痛が走る。 やっと片坂峠に到着。自転車を寄せて、自身は大の字で、休憩で〜す。 早朝の地面はヒンヤリとして気持ちい〜い!

 7時13分 金上野付近 片坂峠付近…広い歩道に大の字になった

今日は土佐黒潮町、四万十市、さらに走り続けて足摺岬まで約90km先の38番金剛福寺まで走ります。 今日もお尻が痛くなりそう。朝から痛みが残り、左背も鈍痛が残っている。 大きな姿勢変化をすると背中に激痛が走る。身体中が走る前から警告している。 快晴で白ズボンを膝まで捲り、目立つ赤色バンドを巻きます。パンツを3枚履いてお尻対策をしたつもり。

峠を越えて緩やかに56号線は下ってゆく。 土佐くろしお鉄道と並行して走ることが多くなり、伊与喜付近で土佐くろしお鉄道と立体交差する。 橋梁上で地図の確認と小休憩する。 再スタートしてすぐ佐賀土佐町の中心部に入り、鹿島が浦の海岸線が見えてきます。 依然として、朝から向かい風でスピードは上がらない。

伊与喜を過ぎて土佐くろしお鉄道と交差… 佐賀地区 横浜トンネル

今日は日に焼けるぞぅ〜! 土佐佐賀町の鹿島が浦の佐賀公園を過ぎると、土佐白浜の海岸線が見えてくる。 この付近は海岸の岩礁地帯の模様が美しいので停止しては撮影する。 岩礁地帯が伊の岬に続き、やがて井の岬トンネルを抜けると、田園風景を見ることになり、伊田の集落に入った。

 8時27分 土佐西南大規模公園 佐賀地区

土佐白浜の海岸線

灘地区




井の岬トンネル

伊田の集落を過ぎると再び海岸線を走り、道の駅ビオスおおがたで休憩。あれっ?どこかで見たような景観! 「あっ!」…愛媛の宇和島城から四万十川巡りの旅をした時、休憩した道の駅だと、暫く経ってから気が付いた。 トイレや水分補給、喫煙や飲料水の買い増しをして再出発する。この辺は道路の記憶が残っていたが、敢て遍路道を優先して走る。 国道56号線の下田の口で左折して田野浦に向かう。 途中で道を間違えて農家の人に聞くと、通り過ぎたと言われ、土橋谷経由で中沢橋を通って道の駅ビオスおおがたまで到着した。

 9時7分 伊田地区の田園風景

竹島地区の田園風景
道の駅ビオスおおがた

四万十大橋が見えてきた

懐かしい四万十大橋はゆっくり走り、渡河して土手沿いを気持ちの良いサイクリングになる。 これから先は未知の道路で間違えないよう走りたい。 321号線は四万十大岩地区から新伊豆田トンネル(1620m:広い歩道あり)までは長い登り坂が続きます。 自転車押し歩きでトンネルに入り、市野瀬に出た処で休憩しました。 再び、下ノ加江川に沿って走り、下ノ加江を通って以布利を目指す。

 11時 四万十川上流方向

四万十川下流方向

渡河し土手沿いを気持ちの良いサイクリング
四万十大橋

これから向かう間崎方向

足も日焼けしてヒリヒリする。 腕は初日からだから、もう真っ黒に表焼けしている。 顔は日に焼けたねと云われるが、鏡を見てないからわからない。髭も自宅を出てからそのまま…。 途中、池の谷付近から見る岸壁の太平洋は素晴らしい眺めだった。

市野瀬付近
  11時48分
この先足摺岬へは直進

下ノ加江川の景観(下流方向)

池の谷付近から見る太平洋  12時36分


下ノ加江川を渡河(上流方向)

■ 寄り道写真館… ★彡 土佐路 潮岬へ

何をどう間違えたか?以布利トンネルを通り大きな町に出た?! ルートは以布利の窪津から東海岸を通る予定だった。 以布利で道を間違えて、土佐清水市まで来てしまった。

東海岸方面から金剛福寺に向かいたいので、最寄りのホームセンターの店員に聞くと、一度戻る右折点を教えてくれた。 また、西海岸から向かうと何ヵ所か道路工事で片側通行で、交通量が多いので、 東海岸から西海岸へ周遊するルートが自転車には楽と教えてくれた。(感謝!)

 13時6分 以布利トンネル 土佐清水市

347号線経由で東海岸に向かう緩やかな登り道は、道を間違えたショックから疲労感が増した。 窪津分岐と以布利分岐を勘違いした様だ! 情けない気持ちが尾を引くと疲労感がでるので、これも修行と考える。

以布利分岐にでて海岸線を見たら、気持ちがリセットできた。 ここから暫く走ると道路は高所を走るようになり、道幅が広くなったり、擦れ違いできないような細い道にもなる。 東海岸沿いの高所を上り下りしながら進むが海岸の眺めは良くない。 出会うは地元の軽自動車が多い。 足摺岬に近くなると、見晴しが良くなり走りやすくなった。

 13時55分 以布利分岐点

以布利海岸線


足摺岬最南端で中浜万次郎像の公園では遍路姿の人や観光客が付近を散歩していた。 足摺岬に向かいたい誘惑に勝ち、中浜万次郎像を撮影して金剛福寺を探す。 撮影しながらもう少し進むと大きな駐車場があり、この一帯から先がお土産店や宿が連なっていた。 室戸岬に比べて車両の通りも多く、お土産店も賑やかです。 自転車を引っ張っているうちに金剛福寺の案内板を見つけ、やっと来たぞぉう!と心の中で叫んだ!

 15時3分 足摺岬観光案内所(四国最南端)

中浜万次郎像


四国の最南端、足摺岬にあり、霊場の札所間では、37番岩本寺から80km以上あり、最も長い距離です。 歩いたら3泊4日はかかり、一日中歩いても次の霊場に到着しない、遍路の旅もまた壮絶を極める、まさに土佐の修行の道場です。 私は自転車を選択して一日で到着し恵まれていると思った。

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■第38番札所 蹉だ山 補陀洛院 金剛福寺■
     宗 派: 真言宗豊山派
     本 尊: 三面千手観世音菩薩
     開 基: 弘法大師
     創 建: 弘仁13年(822年)
     真 言: おん ばざらたらま きりく
     御詠歌: ふだらくやここは岬の船のさを
          とるもすつるも法の蹉た山
★彡 第38番札所 金剛福寺の拡大映像

第38番札所 蹉だ山
補陀洛院 金剛福寺
  15時10分
金剛福寺入口

弁財天と不増不減の手水鉢(手前)

大師堂
仁王門

本堂

池の向こうに本堂

境内は、ここが岬の先端とは感じないほど、手入れの行き届いたお寺です。 大きな池を中心に本堂、大師堂、寺坊と多くの堂宇があり素晴らしい景観に見惚れてしまった。 私のお気に入りのお寺になりました。 勿体ないから、ゆっくり境内を散歩しながら身体の痛みを和らげて、気持ちが落ち着いた頃に納経をはじめた。 四国最南端のお寺をじっくり堪能しました。(感謝!)

鐘楼堂

弁財天

行者堂

本堂

弁財天
権現堂

権現堂

愛染堂の脇にある蓮の池

愛染堂

不動堂

補陀落信仰は…
   ・和歌山の熊野那智
   ・高知の室戸岬
   ・足摺岬(金剛福寺)
…が聖地と云われています。


多宝塔

金剛福寺で時間をかけ、のんびり堪能し、これから足摺岬を周遊するルートで土佐清水市に戻る。 西海岸のルートは途中までは快適に下りたが、途中から道路工事が連続してあり、片側通行で信号待ちする時があった。 これが下り坂だから車と一緒に行けるが、登りだったら大変です。 金剛福寺に向かう道を間違えた時に、東海岸から行くように、ホームセンターの店員に云われたことを思い出した。(感謝!)

 15時58分

西日が強くなった


この後修理した。 16時16分


土佐清水市内中心部に戻って道を教えて貰ったホームセンターで…その店員から自転車のスタンドを買ったら、取り付け不可! やむなく返品し、店員から市内の自転車店を教えて貰う。 道と自転車の両方でお世話になった若い店員は笑顔で送ってくれた。(感謝!)
自転車店で、私の自転車を見るなり、重心が高いから、新しい部品を付けても注意しなさいとアドバイスしてくれた。
純正の部品を付けてホッとした瞬間です。 また、縁石にスタンドを使わず立掛ける方法も教えてくれた。(感謝!)

 自転車スタンド修理代は2500円でした。
( 森自転車店…土佐清水市寿町2-1 0880-82-0068 )

午後4時半を過ぎて321号線にある道の駅めじかの里土佐清水に到着。 今日は金剛福寺を打てたが歩き遍路の人は一日中歩いても打てない日が続く。 感謝しなけばならないと思う。

しかし、太ももはパンパンの状態です。 ハンドルを握ったままで肩までパンパン! 首筋から両肩にかけて疲労感が残り、左背の痛みと股関節全体に痛みがあります。

走った距離は115kmで今までで最長でした。 今夜は道の駅めじかの里土佐清水で野宿になります。 コンビニで食料を買い入れ道の駅めじかの里土佐清水に向かう。

道の駅めじかの里土佐清水

道の駅の風が当たらない所のベンチに自転車を寄せ、 夕食をしていると、車から同年代の男性が降りてきて話しかけてきました。 大宮に住んでいると話すから板橋ですと話したら、二人の間は、一気に距離が縮まり、夜半まで長い談笑になりました。 荒川のサイクリングコースを新しい自転車を購入後、練習のつもりで長距離ロードをしたことなどは、お互い共通点があり身近な話になりました。

 17時33分 道の駅めじかの里土佐清水の軒下に… この後、車中泊のお世話になる

大宮の人は車に自転車を積み、適当な場所を拠点に自転車遍路と車遍路をしているそうです。
寝る時間になり、一人だから自転車を降ろせば、二人で寝られると、車中泊のお世話になる。蚊に刺されなくてよかった。
今日は、一日中向かい風の走行で、全身、筋肉痛だ!それでも充実した達成感があった。

     …四国自転車遍路 TOPへ…

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