■ 「修行の道場 (高知県)」 ■

修行(しゅぎょう)= 実践の場となる「修行の道場 (高知県)」と云われる。
弘法大師が「空海」となった修行の場(土佐)である。 阿波の第23番薬王寺から第39番札所延光寺まで、長い長い海岸線の道が続き、荒波が打ち寄せる沿岸は難所と云われる。
四国の南部一帯に位置する高知県は県内に十六寺が点在し、しかも札所間が長い道程である。


■5月12日(土)天候 快晴■     自転車 Odo 303.1-401.8km (走行キロ98.7km)

道の駅ひさわをいつもより早い時間の6時に出発。 阿波の23番薬王寺から土佐の24番最御崎へ向けて走る。 心は発心から修行に変化します。 気持ちを切り替え、甘えは許せないと自分に言い聞かせる。 今日は24番最御崎寺まで約80kmあり、一日中、国道55号線と遍路道を走ることになる。 幸いにして今日の天気は快晴で、スタートはゆっくりしたペースで走り、筋肉をほぐしながら慣らしてゆくのが長距離を走るコツと覚えた。

まだ朝日が低い!
 6時2分


町をでていきなり日和佐トンネルになり、全長690mで歩道エリアが幅の狭い恐ろしいトンネルだった。 用意したマスクをリュックから出すのに一苦労。 トンネル壁を触ったら手が排ガスの粉塵で真っ黒になった。 歩道が狭いから走りながら後ろを振り返ると真直ぐに進めない為、耳をすまします。 後方から来る車の走る音がトンネル内に反響して次第に大きくなる。

…(ドォー、来る!ゴォー、来る!)… きっと大型のトラックが 来るんだろうと、慄いていたら、軽自動車がスィ〜と追い抜いて行った…。(これって心の鍛錬の修行かな?)

日和佐トンネル 通過したトラックの風圧でピンボケ! 山河内駅付近

 6時48分

お遍路さんに思いやり運転を…牟岐警察署

それでも国道55号線のトンネル以外は、「お遍路さんに思いやり運転を」の看板や長閑な山村の風景を見ながらの遍路は阿波から土佐の霊場に入り、 時として優しく、また時として厳しい霊場を修行させてくれるのではないか。

長閑な山村の景観(私の好きな映像)

牟岐橋を通過…
JR牟岐線の辺川駅を通過…

JR牟岐線の牟岐駅入口

JR牟岐線は海陽町駅が終着駅になり、それ以遠は甲浦駅まで阿佐海岸阿佐東線の第三セクターの鉄道になる。 牟岐町までは内陸を走り、海陽町(旧海南町)に入ると海岸線を走るようになる。 山間を縫うように走っていた時は景観が思わしくなかったが、やはり燦々と輝く海原を見ながらの走行は気分的にもよく、 距離感も判り景観も楽しめます。

 7時24分 内妻大橋を通過…

海岸に降りる脇道で縁石が曲がっているところで、海岸の景観に見とれていたら、縁石にぶつかり自転車ごとひっくり返った。 幸いスピードは出ていなかったので擦り傷ですんだが見知らぬ道路を走行してるから油断大敵だ〜!

休憩してたら歩き遍路の人が来て一緒に休憩!お互い自分の力で遍路できる幸せを話す。 歩き遍路の人は海岸線の砂浜の処も歩くという。 アスファルト、山道、砂浜など気分転換も長い道中の醍醐味と教えてもらった。 別れた後、国道をスタートするが国道から見る砂浜には点々と足跡が残っていた。 別れた歩き遍路の人もこの足跡を辿るに違いない。

室戸阿南国定公園を走行 7時26分

室戸阿南国定公園の案内板
左は歩き遍路道 (日影で休憩)

歩き遍路は砂浜を歩けるが自転車には無理!
砂浜には点々と続く足跡が残っていた。ここで休憩!

海陽町の中心部を通過して海部大橋を渡ると那佐湾の内側を55号線は走るようになり対岸の景色も加わり景観が変化してきた。 この付近は室戸阿南国定公園だから海岸線の起伏に富んだ景観が綺麗だ。 室戸市までこの景観が続き、快晴だからさらに映える。 やがて遠くからでもよく判る道の駅穴喰温泉が見えてきた。 旧穴喰町は合併して海陽町となり実質的に徳島県と高知県の県境にある。

海部大橋を渡ると那佐湾になり景観が変化!

那佐湾
海部大橋の山側にJR牟岐線の橋梁

小那佐

道の駅穴喰温泉で大休憩。 自販機へ直行してスポーツドリンクと水を各1本を自転車後部に括り付け、自分にも補給! 自転車の水筒にはスポーツドリンクだけでは濃すぎるため水と半分ずつ入れる。 丁度9時頃で、道の駅は忙しそうで海産物や農産物の産直のコーナーには軽トラックが次々と横付けしていた。 産直のコーナーから流れるメロディーに気持ちが癒された。

道の駅穴喰温泉
 8時45分
リビエラししくい温泉ホテル 道の駅宍喰温泉の美しいトイレ

コンクリートに腰かけて青空に広がる太平洋を見る。 自分が霊山寺から走ってきたんだと実感が湧きます。 今頃、妻や子供達は仕事中かな?孫は勉強してるかな?会社の仲間はどうしてるかな? 様々な様子が目に浮かんでくる。 遍路できる喜びを実感する。

この後、ひたすら室戸岬に向けてペダルをこぎます。頑張るぞぅ! サドル上のお尻、特に尾てい骨の痛みが最高潮! これも修行?(…自転車専用のパンツを用意しなかった。)

道の駅情報館、産直売店、レストラン 道の駅宍喰温泉前の55号線

道の駅穴喰温泉を出発して水床トンネルを抜けると高知県に入る。 東洋町を通過して伏越ノ鼻峠を越えると、向かい風が急に強くなりました。 ペダルに力をかけなければ、前に進むのがスローダウンしてしまう。 長距離を走るのにどうしても前傾姿勢になって前方100m位先を見つめて走ります。 また視点は前輪の直前にも気を配ります。

水床トンネル(手ブレ) 伏越ノ鼻峠

歩道は所々に凸凹があり絶え間なく注意が必要です。 無用のパンクだけは避けたい! 下り坂区間で車両が少なければ車道を走行する。 これを繰り返しながら太平洋の風をまともに受け、海岸線を走ります。 遠方に伸びる海岸線に室戸岬の先端が霞んで見えるようになり、新たに気力を奮い立たせる。

伏越ノ鼻付近で前後の景観を撮影
  9時48分
後方の映像 前方の映像

淀ヶ磯橋付近で前後の景観を撮影

後方の映像

前方の映像

水尻を過ぎると室戸市に入ります。 太平洋に突き出た室戸岬に近くなると向かい風はさらに強くなり、平坦な道でも力を出し続けなければ止まりそう。 長距離を走ってきて、同じ姿勢だから肩が張ってきた。 そこで姿勢を立て肩の力を抜くと、もろに向かい風を受ける。この葛藤の繰り返しが続きます。

不思議に休憩という文字は浮かんでこなかった。 太平洋岸はどんな天候でも風は強いと思っていたし、天候が雨でなくて幸いした。 逆に恵まれた遍路日と思う事にする。 これ以降、夜寝る前に肩や臀部にも消炎薬のお世話になった。

10時9分
室戸市に入った
室戸ジオパークの案内板

奇怪な岩が見える…


夫婦岩付近の駐車スペース
■ 寄り道写真館…  ★彡 土佐路 室戸の拡大映像

…室戸ユネスコ世界ジオパークとは   --------------------------------------------------------------------
この室戸地域で大地が盛り上がり続ける地域で、人々がどのように暮らしてきたかをテーマにしている。 2011年9月に美しい自然とそれを守りながら活かす活動が評価され、世界ジオパークへ加盟が認定された。
奇怪な岩が見えてきたが、これは太古の時代に隆起した大地が波の浸食を受けて削られてできた岩礁だ。 (大学時代、地球物理学で学んだ。)
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荒神橋付近で夫婦岩の看板が目についた。 「へぇ〜!こんな所にも夫婦岩があるんだ!」と思い、夫婦岩付近の駐車スペースに止めて休憩と撮影。 確かにふたつの岩に注連縄がかかっていた。 岩のそばまで道が続いていたが誰も居なかった。 日和佐を出発する時、半袖のままで出発したので、腕の陽の当たる所だけ真っ赤に日焼けしてきた。 顔や首筋も大分日焼けしてる。 タオルを使って頭に巻いて、風が強いから菅笠は自転車の後部に車からよく見えるように括り付けてある。 水分補給して再スタート!

 11時4分 夫婦岩

向かい風を受けながら進む! 距離は確実に縮まっている信念でペダルに力を加えます。 視線は前方を見つめ、山登りの時とは全然違う! …遠方に室戸岬の突端がよく見えるようになり、案内板にあと6kmの表示を見たら俄然、力が湧いてきた。 海岸沿いに町並みが見えてきて遠方に白い像が見えてきた。 確か最御崎寺は標高165mにあるはず…。

 11時27分

道路に沿って民家が多くなる
案内板に室戸岬6km、高知89q

室戸青年大師像

暫く進むと明星来影寺の室戸青年大師像だった。 近くに御厨人窟、神明窟があり、約1200年前若き日の空海(弘法大師)が悟りを開いた場所で、御厨人窟は修行時の住まいとして使われ、 その横に神明窟があり、ここは修行の場所だった。 空海と云われる由縁は、ここから見える空と海に由来すると云われる。 ここには弘法大師の歴史がいっぱいあった。

 11時53分 御厨人窟、神明窟まで1分の案内

明星来影寺の室戸青年大師像
室戸青年大師像入口

御厨人窟、神明窟入口

中岡慎太郎像の所に室戸岬駐車場があり岬の最先端だ! 四輪車両は少ないがバイクが多いのに驚いた。 駐車場の端に寄せて20台以上ある。 バイクツーリングが多いが、この中にはバイク遍路の人もいると思った。 海側にはお土産店が数件並び、その路地を海に向かうと室戸岬の先端にでる。

 12時3分 討幕の立役者の一人、中岡慎太郎像


5月の連休も過ぎて閑散としていた
室戸岬口

室戸阿南海岸国定公園と最御崎寺入口の案内

景観を楽しむ余裕はなく何枚か撮影して岬を周回すると最御崎寺への入口があり、道路標示には1.2kmの急勾配のヘアピンカーブの道が待ち受けていた。 それでも1200mと考えれば自転車のeメーターの数値変化を見ながら頑張れます。 「急勾配を押し歩き自転車をしてやる!」と気合が入った。 延々約80km走ってきた身体は疲労していたが気持ちが充実している。 標高165mまで何回も休みながら自転車を押し上げた。 休憩時に太平洋を眼下に見て、打ち戻りの楽しみが増えた。

最御崎寺まで1.2kmの急勾配 ヘアピンカーブが続く

へピンカーブを登りきった所に駐車場があり、自転車の置き場は大木を利用して立掛けた。 納経の準備をしていたら、小型バスから降りてきたお婆ちゃんから、「この坂を登ってきたの?」、「そうです!」、「ひぇー!」 私にとってはチョコチョコ休みながら自転車押しで来て、これも修行と考えていたから自然に思えた。 一緒に参詣道を歩いてゆき、「何処からきたの?」「東京!お婆ちゃんは?」、 「農協の積み立てで団体の遍路よ!」、「楽しそうだね!」、「観光しながら先祖の供養ができるから…」。 仁王門でお婆ちゃん達は室戸灯台に向かっていった。

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■第24番札所 室戸山 明星院 最御崎寺■
     宗 派: 真言宗豊山派
     本 尊: 虚空蔵菩薩
     開 基: 弘法大師
     創 建: 大同2年(807年)
     真 言: のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
          おん ありきや まりぼり そわか
     御詠歌: 明星の出でぬる方の東寺 くらき迷いはなどかあらまし
★彡 第24番札所 最御崎寺の拡大映像

第24番札所 室戸山
 明星院 最御崎寺
  12時57分
左端のお迎え大師像と納経所入口 その右手から仁王門に向かう。

身体の丈夫の人には中々理解できないと思うが、老いた人達がバスツアーで遍路する姿はいいことだと思う。 参拝して境内でのんびりしてる笑顔は素晴らしい! 仁王門、本堂は海に向かって建立されている。よく考えたら昔から室戸岬の海側から登る遍路道が、お寺にとっては正面と理解した。 長い距離を歩いて最後の登り坂は必死の修行のひとつではないか。 そして達成感もある。

仁王門

仁王門をくぐると正面に本堂

鐘楼堂
正面から仁王門を撮影

鐘楼

多宝塔

鐘石は不思議な音がした。説明板に書いてあるように、小石で窪みを叩くと鋭い澄んだ音が長く反響した。 弘法大師は室戸岬での修行を終えたときから空海と名乗るようになったと云うが、 快晴の室戸岬の目の前に、どこまでも広がる空と海を見ると弘法大師の器の大きさにピッタリと思う。


本堂

大師堂

鐘石

最御崎寺の納経が終り自転車まで戻ったが、もう一度仁王門の先に灯台があるので見に行ったら小さな灯台だった。 恋人の聖地の看板があったが雰囲気的には何もない! 灯台のそばに広がる太平洋は快晴で海原が丸く見えて地球が丸いことが判る。

灯台には入れない

駐車場に戻り第25番津照寺に向かいます。
ヘアピンカーブの下り坂はスキージャンプの気分で直滑降! 太平洋を眼下に海岸線が続き、遠方の室津港と町並みが見えます。
人間が大自然の中でちっさく見えた。


室戸岬灯台
灯台先端の室戸岬 室戸市が遠望できる

津照寺は室戸市中心部にあり、そこまで約6kmです。 55号線を外れて旧道と思われる平坦な道を走るが、岬を回っても向かい風が続きます。 ここからは室戸阿南海岸国定公園になります。 津照寺手前のコンビニでお握り2個食べて、CCレモンで水分補給して休みなく走行。 点在する住宅や商店の通りをのんびりと走ると遍路旅している実感が…、地元の人に挨拶すると、頑張れ!とか笑顔など、心地よい返事が返ってくる。

 13時55分 直滑降気分 室津港

津照寺は室津港を見下ろす小高い丘の上で、駐車場は室津港前にあり少し離れていた。 自転車を引きながら参道を向かうと「遍路の道」のお店があった。 その先、小ぶりな山門をくぐると、右手に大師堂、納経所があり、左側の壁に自転車を寄せた。

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■第25番札所 宝珠山 真言院 津照寺■
   宗 派: 真言宗豊山派
   本 尊: 地蔵菩薩(楫取地蔵)
   開 基: 弘法大師
   創 建: 大同2年(807年)
   真 言: おん かかかび さんまえい そわか
   御詠歌: 法の舟 入るか出づるかこの津寺 迷ふ我身をのせてたまへや
★彡 第25番札所 津照寺の拡大映像

第25番札所 宝珠山
 真言院 津照寺
  14時30分
山門

自転車は左塀のポール際に…
 (黄色い楕円の枠内)

ここから一直線に続く石段を登って行く。 石段の途中にある竜宮城の様な朱塗りの鐘楼門をくぐり、さらに石段を上った処に本堂がありました。 本堂は石段が急で、全景が撮影できなかった。 賑やかな団体と重なって納経に時間がかかったが自分なりの読経が出来るようになった。

朱塗りの鐘楼門

本堂
鐘楼門の先、石段の先に本堂

大師堂、納経所

今日は道の駅ひさわを出発して自転車の走行時間が長くお尻の痛み、特に尾てい骨の痛みがひどくなった。 海岸線を走ることが多かったので気を紛らわしてきたが、時刻は15時に近くなった。
納経所を出て境内にベンチがあり大休憩をした。 目の前にお地蔵さんが並び、お顔の表情をじっと見つめお遍路してきた自分が変化しているか自問した。

15分ほど休憩して出発する。 津照寺から金剛頂寺まで約4kmの道のりです。 町を外れて国道を走っていると海辺の潮溜まりで子供達が魚採りや貝拾いをしているのが見えた。 都会の子供達が体験できないような日常の姿です。

大師堂の左横に三体のお地蔵さん
町外れで子供達が、潮溜まりで魚採りや貝拾い

15時 5分…
この先金剛頂寺は行当岬の標高165mにあり、55号線で元川を渡ると内陸に入り、お寺への道のりはうねうねと曲がった急登の道路になった。

お寺の入口に駐車場があり、ここに自転車を置いた。
広い駐車場は無人で数台の車があるだけで、ここに自転車を置いて盗難されたらどうしよう?と考えてしまった。
結局、納経バックとカメラバック、貴重品を担いでいく。 ここから長い急な石段が続きます。
(長い石段はお寺の象徴のように思った。)

金剛頂寺は、最御崎寺、津照寺と合わせて「室戸三山」と云われています。 石段を上る途中、仁王門の手前でバス遍路で来た人が石段に蹲ってお経を読経していた。 急登の石段の為、途中で身体が不自由で登るのを断念したようです。 立ち止まり黙礼して通り過ぎたが、この巡礼者の気持ちが判るような気持ちがした。
健康で体力があるから自転車遍路できる。…高齢になると難しくなる現実! 遍路手段が限られてくるから、今の自分を感謝する心が大切と思った。いずれ我が身…。

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■第26番札所 龍頭山 光明院 金剛頂寺■
     宗 派: 真言宗豊山派
     本 尊: 薬師如来
     開 基: 弘法大師
     創 建: 大同2年(807年)
     真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
     御詠歌: 往生に望みをかくる極楽は 月のかたむく西寺の空
★彡 第26番札所 金剛頂寺の拡大映像

第26番札所 龍頭山
 光明院 金剛頂寺
  15時47分
仁王門近くの石段で巡礼者が蹲っている

さらに上って境内に…
仁王門

鐘楼

金剛頂寺は明治時代に被災した為、現在の堂宇はそれ以降に再建されたものが多い。 しかし収蔵する木造阿弥陀如来坐像、板彫真言八祖像、銅造観音菩薩立像、金剛頂経など多くの国重要文化財が被災を免れている。

本堂 大師堂

金剛頂寺で納経が終わり今日はここで終了。 駐車場に向かう時、遍路の団体と擦れ違った。 「お疲れ様です!」の挨拶で足早に自転車の所に向かう。

駐車場で喫煙しながら休憩を兼ねて遍路地図を確認、次の27番神峯寺までは約30kmあり、現在16時を過ぎているから野宿できそうな候補先を探す。

この先、道の駅が2ヵ所あり、少しでも先に走って神峯寺までの距離を縮めておきたい! それで道の駅キラメッセ室戸を通過し、次の田野町の道の駅まで進むことにした。
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団体と擦れ違い

先程、登ってきた道路を滑空とは云えないが55号線に戻った。 下りの道路から回り込む道路を見て、この坂道を自転車を引いて歩いて来たんだと自分の意思が少しは強くなったと思った。 行当岬を回り込むように55号線を走るが陽も落ちて風を受けるから肌寒くなってきた。

16時25分 金剛頂寺を下る

日も落ちてきた
ヘアピンカーブをゆっくりと走行を楽しむ

この先、行当岬を回り込んで走る (55号線)

今日一日半袖、裾を捲って走ってきたので、腕は黒くなり、脛は真っ赤に日焼けしてきた。 薄手のジャンパーで服装を整えて走り、道の駅キラメッセ室戸を確認して通り過ぎ、奈半利町へ、田野町の道の駅へひたすら自転車のペダルを踏みます。

 16時35分 室戸岬の海岸線 道の駅キラメッセ室戸を通過…

奈半利町と田野町は奈半利川を挟んで接してるので、ひとつの町のように感じた。 18時過ぎ、奈半利町のJAスーパーで買い物して奈半利川橋を渡り、田野町道の駅に到着。 早速、寝床場所を探したが、道の駅は土佐くろしお鉄道ごめんなはり線の高架駅舎が真後ろにあり、 物産館は小規模、今日は風が強くて寝場所が見当たらない! 吹き晒しの野宿は厳しく、「拙い!」と思いながら奈半利町、田野町をウロウロすることになった。
暗くなり、やむなく通りかかったタクシー会社が目についたので、「予定がくるって宿を探しています」と、問いかけた。 二人の運転手が夕食中で、女主人が手際よく電話してくれて、この先、神峯寺の近くの宿を紹介してくれました。

民宿浜吉屋  (翌日出発時に撮影)

手書きのメモを手渡され、助かった〜!(感謝!)
真っ暗な55号線を約3km、走りに走って神峯寺登り口にある民宿浜吉屋に到着。 宿の主人が到着があまりにも早いので吃驚。私が歩き遍路と思っていたようです。(お宿にも感謝!)

民宿浜吉屋は素泊りで宿泊。 先に宿泊料金4000円を支払うと、「お風呂の準備ができているからどうぞ」と声を掛けてくれた。
日焼けした肌が湯温がそれほど熱くないのにひりひりする。 鏡を見ると真っ白な毛糸の目出し帽から目、鼻、耳、口の処だけ見える感じで、まるで白い妖怪爺さんのようだ!

鍋岩のすだち館以来のお風呂で汗と垢を流した。
久しぶりのお風呂は身体の芯まで温まり、疲労回復には最高! 買い出した食料を食したが、のどごしは栓を開けたら泡が噴き出てきた。(アチャ―!)
急にお願いしたのに宿のお婆ちゃんは「ご苦労様です」と声をかけてくれ、温かみのある人柄でした。 そして明日、神峯寺に向かうのに荷物を預かって貰うことになった。(感謝!)

疲れているが実話のWEBを作りたいから、遍路日記だけは毎日少しずつ記録します。
   …22時を過ぎて、おやすみなさい。

     …四国自転車遍路 TOPへ…
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