■ 「菩提の道場 (愛媛県)」 ■

菩提(ぼだい)= 煩悩を断ち悟りを得る、迷いから目覚める「菩提の道場 (愛媛県)」と云われる伊予路に入りました。
発心の道場、修業の道場を経て、ようやくたどり着く菩提の道場は、豊後水道と穏やかな海の瀬戸内に囲まれ、多くの城下町、由緒ある古い町並みに温泉町がある。 その伊予路には、西日本最高の霊峰石鎚山をはじめとして、多くの山岳霊場もあり、その数は26札所あります。


■5月23日(水)天候 曇り時々晴れ■ 自転車 Odo 1124.1-1181.3km (走行キロ57.2km) 

6時半にホテルを出発して、約50km先の65番三角寺に向かう。 65番三角寺を打つと菩提の道場を終了して、涅槃の道場入りとなる。 国道11号線を約3km走り、西条市から新居浜市に変わってJR予讃線の中萩駅付近から歩き遍路道に入り、旧街道を走ります。 道は狭く歩道も無く、おまけに小中学生の通学時間帯なので、子供達と一緒。 途中、路地でお婆ちゃんが私を拝んでいるのを見て停車する。私も拝み返した。

 新居浜市
  7時26分
新居浜市に入る 集団登校

走る髭ぼうぼうのオジサンを、まるで悪魔を見るような子供がいたり、 登校集団がリーダーの掛け声で一斉に「おはようございます」の気持ち良い挨拶を貰う。 車両も徐行して通行していたが、時々寝坊したのか、間道を抜けるのか、忙しい車を時折見る。 日本全国、どこでも同じ様な危険が子供達にある!
歩き遍路道は旧道だから時折、古い家屋が並び、一昔の景観を見せてくれる。 日本っていいなぁ!

新居浜市から四国中央市に入る。 小学生と父兄が一緒に通学路を歩いている。 豊岡小学校まで来た時、河川を歩いている子供達を見た。 天気が良い日は河川敷が通学路に変身している。 学校前でお巡りさんが交差点で交通整理して賑やかです。 客谷大橋北交差点から11号線のコンビニに寄り休憩と水分補給。 今日の一服は美味かったが、目の前を大型トラックが立て続けに通過したのでタバコの火を消した。

 四国中央市 天気が良いと河川敷きが通学路 11号線のコンビニで休憩

コンビニを出発して11号線に沿って走る。 関ノ原では長い登り坂が続く。 車では緩やかにみえるが実際に自転車で走るとペダルが極端に重くなる。 途中から自転車を降りて歩いてしまった。 四国中央市の中心部入口で11号線はバイパスに分岐する。 四国中央市中心部入口の中ノ庄町交差点で市街地に入ったら、現在地が判らなくなり、バイパスで向かえばよかったと後悔した。 ガソリンスタンドで三角寺への登り口を教えて貰う。(感謝!)

関ノ原まで登りが
  8時44分
関ノ原付近 四国中央市中ノ庄町交差点

伊予三島の市街地を抜けて松山自動車道をくぐると道路は急登になった。 海岸に近い市内から三角寺は標高480mにあり、長距離走った後の約6qの急登は厳しかった。

今日は体調が不調か?自問自答しても答えは出ない!
ギヤをローに入れ、それでも駄目なら自転車を押し歩く。
走行eメーターが10mごとに1カウント加算され、数値が増えてゆく、6kmは気の長い仕事だ。
休んでいる間は、時間は過ぎるがメーターは上がらない。
やるしかないだろうと自分に言い聞かせる。
歯を食いしばっての登りが続く。

三角寺に向かう途中で撮影した四国中央市

残り2kmの標識を見て、2kmなら2000mと考え、100m、200mと刻んで減算してゆく。
気合を入れていくぞぉ〜!

三角寺に到着して、眼下に見る景観を見て達成感を味わう。 菩提の道場の最後の札所は、三角寺山(標高500m)の直下480mにある。駐車場に自転車を置き、納経バックを準備する。 一服して息を整えた。 73段の石段を登ると鐘楼門がある。 この鐘楼門で鐘を突き、煩悩を落とすのが作法。

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■第65番札所 由霊山 慈尊院 三角寺■
     宗 派: 高野山真言宗
     本 尊: 十一面観世音菩薩(伝弘法大師作)
     開 基: 行基菩薩
     創 建: 天平年間(729年〜749年)
     真 言: おん まか きゃろにきゃ そわか
     御詠歌: おそろしや三つの角にもいるならば
          心をまろく慈悲を念ぜよ
★彡 第65番札所 三角寺の拡大映像

第65番札所 由霊山
 慈尊院 三角寺
  12時38分

73段の石段は数える余裕があった

鐘楼門の奥に寺坊
鐘楼門

寺坊の左に境内が広がる

自然に恵まれた広大な境内は、閑静で新緑に囲まれ花壇もあり、苦労して登ったから、本堂、大師堂だけでなく、境内をゆっくり見学した。 三角の池では池の中に三角形の島があり、弁財天が祀られた小さな堂が建立されている。

三角の池に弁財天が…

本堂

永い間、寺運は隆盛を極めたが、長宗我部軍の天正の兵火で本尊を除いてすべてが焼失した。 嘉永2年(1849年)に本堂が再建され、昭和46年に修復されています。

大師堂



延命地蔵菩薩立像(銅製7m)
こっちからも大師堂

三角寺から66番雲辺寺まで30km弱、ルート確認を駐車場前のお店で聞いたら、 三角寺から先、遍路道は道路工事で通行止めの為、来た道を、少し戻って右に入る道を教えて貰った。 しかし受け答えの違いで、192号線まで降りてしまった。 あまりにも細い道だったので見逃したようです。(反省!)
そこで雲辺寺ロープウェイの看板を発見する。 表に回るとガソリンスタンドで、店員に改めて看板の説明を細かく聞いた。 192号線から国道11号線を通り、8号線で回り込む道を丁寧に教えて貰った。(感謝!)

 13時36分 ガソリンスタンドにある看板 道の駅豊浜

休憩所で海を見つめて時を過ごす…15時4分


…と云う訳で、192号線から国道11号線を走って道の駅豊浜で休憩、15時を回っていた為、今日はここまでとする。 道の駅情報センターで雲辺寺ロープウェイまでの道程を再確認すると、8号線を通らない最短距離を教えて貰った。(感謝!)

プリントされた案内図によると、海沿いに国道11号線を走り、JR予讃線の箕浦駅を過ぎたら、県道241号線に入って、 県道8号線と交差する辺りから66番雲辺寺の案内が多くなると聞いた。
無理すれば17時までに行けるかもしれないが、遍路も後半に入り無事故で行きたい! 今夜は道の駅で野宿する。


駐輪して道の駅を散歩してると孔雀のペアが飼われている。しきりに「カァー、カァー」と鳴いている。 初めて孔雀の鳴き声を聞いた。 暗くなるまで、自転車の点検や注油して異常がないか確認した。 荷物もテーブルに全部出して、整理整頓したら気分もスッキリした。

自販機の補給に来た若者から讃岐うどんの名店を聞いたり、整備したバイクのテスト走行で来たバイク店の人と地元の話を聞いたりして時間を過ごす。 讃岐うどんもお店によってだいぶ差があると聞く。 讃岐うどんについては今まで食するチャンスはあったが、香川県に入ってからと決めていた。 明日以降が楽しみになった。

地元の人達が潮干狩り


あくせくぜず、余裕の時を過ごすのも必要だなと感じた。 夕方、隣のコンビニで食料の買い出しをして、道の駅のテーブルで食事する。 遍路して初めてのカレー味のカップヌードルも食べたが、カレーうどんも食べたくなった。 食事しながら海岸を見ると、引き潮の時間帯に地元の人達が潮干狩りしていた。 潮干狩りと云えば砂地で採るものと思っていたが、地元のバイク店の人が、「このような場所でも結構大きい貝が採れるんだょ!」と教えてくれる。

初めはIXYで撮影していたが…
  18時41分

IXY


IXY

IXY


EOS

瀬戸内海にもうすぐ夕日が沈む。 雲量が多いので期待してなかったが、陽が沈むにしたがって太陽の輪郭が鮮明になり、これなら絶景が撮れるかも、 カメラを取り換えEOSで撮影した。 菩提の瀬戸内海、燧灘の夕陽は最高! 中国地方の山々に、太陽の輪郭が綺麗に沈んでいくところまで撮影。

 ★彡 菩提の瀬戸内海、燧灘の夕陽の拡大映像…

 18時57分
EOS


EOS

EOS


EOS

 19時31分----------------------------------------

食事を終了して、道の駅の物産館の終了を待って、人が少なくなってから建物際に移動して寝床を決める。
ベンチを利用して寝床を作り、保温銀マットを敷いて寝袋を用意する。 自転車から荷物を降ろし、自転車とベンチをケーブルでつなぎ、自転車はダブルチェーンでロックする。

これで自転車が動けば私の背中の下の紐が動くから目が覚めるはず! 用心に越したことはない!


IXY…太陽が沈んで三日月が

手回しの充電携帯ラジオで明日の天気を聞くと悪くはなさそう。 のどごしを飲みながらスルメを咥える。 伊予路を終了して明日から涅槃の道場、香川県に入ります。 ここまで我慢していた、うどん県の讃岐うどんを食するのが楽しみです。 天ぷらは何にしようかと考えながら…(ぐぅ〜ぅ!)

久しぶりの野宿が本来の遍路の初心を思い出させてくれた。 道の駅で飼われているペアの孔雀が真夜中に「カァー」。 何度も目が覚めた!21時から朝4時まで熟睡した。

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