■ 「涅槃の道場 (香川県)」 ■
涅槃(ねはん)=一切の煩悩から解脱した境地「涅槃の道場(香川県)」に入ります。
空海の生誕地、善通寺に入り、そして長い自転車遍路旅も結願へ間近になりました。 作法も判らず東京をスタートし、発心の道場に入門し、多くの人に指導されながら修行、菩提と巡り、涅槃の道場に入りました。 四国霊場という曼荼羅の旅の結願も間近です。 ここまで足を進めてこれたのは多くの人々から支援や励ましの心を戴いたから…、さまざまな想いが駆けめぐります。


■5月26日(土)天候 朝曇りのち晴れ時々曇り■  自転車 Odo 1285.9-1338.2km (走行キロ52.3km)

朝、民宿でモーニングコーヒーをお接待してもらった。(感謝!) コーヒー豆の匂いが部屋に残った感じ。 前日、雨の中80番国分寺で終了し、今日は81番白峯寺、82番根香寺へ向かう。

民宿を6時半に出発、白峯寺まで14kmは、まず国道11号線の歩道や車道を走る。 坂出署前の交差点で左折すると、県道16号線は真直ぐな一本道で、車の通行がほとんど無く、車道をひた走った。 昨日の雨は止んだが、湿度が高いので靄がかかっている。 田園地帯に点在する住宅を通るが、商店は一店もない。

 6時53分 坂出署交差点から県道16号線は真直ぐな道

白峯寺まであと6km
…白峯寺まであと8km

登り坂の途中で撮影

180号線を左折して、高屋地区からくねくね折れ曲がる登り道になり、ここからは約7kmの歩き自転車遍路になった。 押して、押して、押しまくるゾォ〜! 自転車から降りて歩きだしたら、昨日飲んだビールがどんどん出てくる感じ! 天候は晴れると聞いたが、登り坂途中で撮影した映像も曇りがちで朝靄がかかっている。

途中、自衛隊の車両が何台も登ってゆく。 この先に演習場があるのかトラックの後部には若い隊員が大勢乗っている。 手を振ってくれたから私も振り返した。 40番札所の観自在寺の通夜堂で同宿した元自衛隊員の若者は今頃どこを歩いているだろう。 休憩のつもりで竹炭の窯工房を覗いたが誰も居なかった。 自転車をガードレールに寄せて喫煙休憩する。

 7時47分 朝靄で眼下が霞んでいる

竹炭の窯工房を覗いたが誰も居なかった
この辺は押して歩いています

白峯寺入口

8時31分到着
白峯寺の入口の看板を見た時はホッとした。 白峯寺は道路から急な下り坂になって袋小路にある。
自転車に乗って一気に下りてゆく。 束の間、身体に心地よい風が当たる。 蒸し暑く、びしょ濡れの様になって白峯寺前に到着すると、娘さんが寄ってきて「自転車遍路ですか」と聞いてきた。 こちらはひーひー、ハーハー! 「ちょっと待って!」と手で合図して、少し落ち着いてきて会話を始めた。
その娘さんは何回かに分けて、野宿しながら自転車遍路旅をしているそうです。

落ちぶれた爺さん

自転車は高松市のレンタルで1日100円と聞いた。観光用に貸し出している自転車が100円ならば結構安い値段だ! 娘さんは白峯寺を打ち終わったので、ここから根香寺に向かうか思案している。
「まだ時間はたっぷりあり、標高280mまで登った事で、この先標高360mの根香寺の間に標高440mの峠があるが、 このまま下に降りたら、汗かいて稼いだ高度が勿体ない」と話したら根香寺に向かうと言う。 別れて私は白峯寺に向かう。
自転車を七棟門近くの樹に寄せる。 駐車場は広く大型バスも転回できる広さがある。 タクシーが4台ほど駐車してるからお客はお寺の中だろう。

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■第81番札所 綾松山 洞林院 白峯寺■
     宗 派: 真言宗御室派
     本 尊: 千手観世音菩薩
     開 基: 弘法大師 智証大師
     創 建: 弘仁6年(815年)
     真 言: おん ばざら たらま きりく
     御詠歌: 霜寒く露白妙の寺のうち 御名を称ふる法の声々
★彡 第81番札所 白峯寺の拡大映像

第81番札所 綾松山
 洞林院 白峯寺
  8時37分
七棟門(高麗門形式の七つの棟をもつ塀重門)

…右手に御成門
七棟門をくぐると…

…そして正面に護摩堂がある

七棟門と呼ばれる高麗門形式の七つの棟をもつ塀重門は初めてで珍しい門です。 境内に入ると緑多い造園で整えられ、靄に包まれた白峯寺は、雰囲気がお気に入りのお寺になった。 山中に、緑に包まれた静かな境内は清掃も手入れも行き届いていた。

境内は護摩堂の左手に…

頓証寺殿(崇徳上皇の廟所)

鐘楼
頓証寺殿の入口、勅使門

勅使門前、右側の石段を上る

薬師堂
昨日でなく今朝来て、よい映像も撮れて良かった。 保元の乱で破れ、讃岐へ流された崇徳上皇の霊を慰めるために建立された頓証寺殿や陵墓など多くの旧跡がある。
役行者堂

本堂

大師堂
さらに石段が続く…

苔の生えた五重石塔にはコインが…

阿弥陀堂

納経印を戴く時、印を貰ってすぐ出発する人が多い中で、 縁起について聞くと、その謂れと経緯を教えてくれる。 たとえ団体の納経の作業の時でも、終わればお寺の説明をしてくれた。 堂宇の名前などはしっかり聞いてメモを挟んでおけば、WEB編集の時に助かる。

本堂 大師堂

9時過ぎに納経を済ませて、8km先の82番根香寺に向かう。 初めから押し歩き自転車遍路になる。 少しずつ前へ、前へ、下を向いて押していると、汗が眼鏡や鼻先を伝って地面にポタポタ落ちます。 汗で染みたアスファルトを見ていたら、山中でドドーン、パパーンと発砲音、連射音が続いている。 近くに自衛隊の演習地があるようだ。 そういえば途中、自衛隊の車両が追い抜いて行ったが、彼らは今演習中で発砲音、連射音の響きは山中に大きく反響してる。

 9時6分 白峯寺から根香寺まで8km

途中下り坂になり、ひと時の滑空走行があるが、再び押し歩き自転車遍路に戻る。 暫くすると、前方に先程の娘さんが自転車を押している。 どうやら少しずつ追いついてきたようです。 200mぐらいでカーブで見え隠れしながら自転車を押していく。 82番根香寺に向かった方が良いと勧めたこともあり、遍路中に事故があったら後悔する。 暫くして娘さんが気がついて、待っていてくれたので自然に同行する形になった。

根香寺まで4km…前方に娘さんが見えた

世間話をしながら根香寺門前まで同行、お蔭で自転車押しの単調さを紛らわせる事ができた。 言葉に訛りが無いから東京かな? 自転車の後荷台は無く、前部籠に小荷物と大きなバックが乗っている。 野宿用にテントが入っているという。前部に重さが偏っているから乗りにくそう! 自転車はアチコチ移動する手段に利用していると聞き、自転車で埼玉から渋谷に行った話を聞いた時は吃驚した。

 9時38分

あと1.2km…

ここを左折…
讃岐五色台は左へ…根香寺は直進

真ん中走るな〜!と心で叫んだ!

今度は右折して小道を登って行く

仁王門横の駐車場に自転車を置いて、ここから別行動。 仁王門をくぐると石段を下りて行き、暫く歩いて同じ段数の石段を登って行きます。 境内の造りが珍しい!根香寺は讃岐五色台の自然の中に建立されている。

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■第82番札所 青峰山 千手院 根香寺■
     宗 派: 天台宗
     本 尊: 千手観世音菩薩
     開 基: 弘法大師 智証大師
     創 建: 弘仁年間(810年〜824年)
     真 言: おん ばざらたらま きりく そわか
     御詠歌: 宵の間の妙降る霜の消えぬれば 後こそ鉦の勤行の声
★彡 第82番札所 根香寺の拡大映像

第82番札所 青峰山
 千手院 根香寺
  10時19分
仁王門

この間の境内の静けさがいい感じ
石段を下りてまた上る

鐘楼

山中のお寺のイメージ通り、岩や森に囲まれた静寂なお寺です。 平安末期に後白河天皇の勅願所となり、栄えたが戦国時代の兵火で堂宇を失い、江戸時代に高松藩主によって再興された。


役の行者像

白猴(はっこう)欅は樹齢1600年とも云われる欅の老木で天然記念物に指定されていたが枯死した。 これと同様に枯死した樹木で、天然記念物に指定されている「愛媛、大三島の大山祇神社の雨乞いの楠」や「犬山城の本丸横の樹」がある。

白猴(はっこう)欅
右側に大師堂、左側は五大明王、石段上に本堂
本堂前に万体観音堂の回廊があり、全国の信者が奉納した約三万三千体の観音像が並んでいる。 真っ直ぐ進み本堂に行くより、回廊を拝観しながら回り込み、足元も覚束ない感じでそろ〜り…。
本堂…回廊から撮影

奉納した約三万三千体の観音像

そして本堂前で読経! 反対の回廊を通って一回りし、本堂を出て石段を下りて大師堂で納経し、納経所で一休みしてから境内を撮影。

万体観音堂の回廊


本堂

自転車に戻ると娘が待っていた。簡単にお参りし堂宇を見たり写真を撮っていたという。 納経帳は持っていないと言う。娘さんが待っていた袋包みのお饅頭を分けてくれ、美味しく食した。

娘さんはまだ出発する準備があるという。 私は先に行くと云って、お互い無事に遍路ができることを話し、ここでサヨナラする。

水かけ地蔵

次は12km先の83番一宮寺に向かいます。 五色台ミカン園まで戻って、ここから一気に下り坂…。
♪♪飛んで飛んで、回って回って…回る〜う〜♪ …そしてどこかに行っちゃった! 
いつもの様に下り坂を気持ち良く滑空していく!

 10時54分








JR予讃線の鬼無駅までは気持ち良く走ったと思ったが、途中から一宮寺への案内板を見失ってしまった。
気が付いたら瀬戸内海の香西港。ありゃー! 遍路地図のエリア外になっちゃった。
一宮寺まで14km

どうやら自分ではJR予讃線の鬼無駅に向かっていると思っていたが、 実際のルートは生島町から高松坂出道路を通って16号線を突っ走り香西港大橋まで来てしまった。
木津川大橋を渡って瀬戸内海から離れる方向で16号線から176号線を走りながら 町中を一宮寺の方向を探ろうとウロウロして、丁度、客待ちタクシーを見つけ訳を話したら、心もとない地図を書いてくれた。

しかし、さすがプロと思ったのは、鉛筆のライン通りに走ると的確にポイントをついた案内メモで 余計な文字や道を記載せず、必要な所だけ印をつけた最高の地図だった。(大感謝!)


12時14分

そういう訳で地元の人にお世話になりながら83番一宮寺に到着した。 一宮寺は住宅街や田園地帯が混在した所にあり、広い敷地にいくつもの堂宇が建立されている。

一宮寺の西門に到着して、門前で絵を売っている遍路人がひたすら筆を動かしている。 ちらっと見て年齢は同世代と思い、この人はどのような人生を歩んできたのかと思った。 …が、自分も確固たる信念を持って遍路に赴いたので詮索しないようにした。 人それぞれの遍路がある。 先ず自転車を西門そばの駐車場を通り仁王門へ続く左手塀に寄せた。自転車のスタンドは使わず、寄せた方が賢明だ!

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■第83番札所 神毫山 大宝院 一宮寺■
     宗 派: 真言宗御室派
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 義淵僧正
     創 建: 大宝年間(701年〜704年)
     真 言: おん あろりきゃ そわか
     御詠歌: 讃岐一宮の御前に仰ぎ来て 神の心を誰かしら言ふ
★彡 第83番札所 一宮寺の拡大映像


第83番札所 神毫山
 大宝院 一宮寺
  12時21分
西門前で絵を書き、売っている遍路人

左手塀に自転車を寄せた

観音堂
西門から見える石庭

仁王門

境内…右に鐘楼

一宮寺は大宝年間に行基の師、義淵僧正が開基した有数の歴史を誇る。 本堂、大師堂で納経し撮影する時にグループと重なり、人が居なくなるのを待って再撮影。 この後本堂も誰も居ないので再撮影した。

誰も居なくなり、本堂を再撮影

護摩堂

納経所
大師堂



美しい石庭

…お燈明立て ------------------------------------------------------------------------------
どこの札所でもお燈明立てがあるが風の強い日はすぐ火が消えてしまい点けるのが大変! その蝋燭にお線香をかざすと、蝋燭の火が吹き込む風で消えた。 再び火を点けてお線香をかざす。何回かでやっと燈した。 そして「お燈明は上から」と書いてあるが、上から付ければ、上から消えてゆく。…これ当然の摂理。
下の段に沢山の燈明が点いていると上の段に蝋燭を立てるのに一苦労する。…「アッチッチッ!」
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納経が終わると急に空腹感を覚えた。 安堵感と合わせて一宮寺手前にあったうどん店に行って昼食にする。 先客が6人いた。 冷やし、うどんは大で注文。 うどんは冷水に氷の入った器で、つけ汁は味の濃さも丁度よく美味しい讃岐うどんでした。(320円) 満腹感で幸せ!自己採点で85点!

 戴きま〜す!
  12時58分


さてこれから高松市内の中心部を通過して84番屋島寺に向かう。 炭水化物が充填され太ももの筋肉が働き始める。 約20kmの走りですが途中、栗林公園と高松城址を見物してゆこうと思った。 市内は193号線は緩やかな下り坂、このため車道を走行する。

中心部に来ると国道11号線に合流し、歩道に自転車道が区別され段差も少なく自転車も走りやすくなる。栗林公園に到着! 公園の時計を見て13時半。あまり余裕がない事に気が付く。 栗林公園正面の映像だけ撮って、高松城址もパス! 琴電の支線が四方に伸びてカラフルな車両が目に付く。

 13時29分
11号線

栗林公園正面

11号線は市内中心部で右折し海岸沿いを走る

11号線 自転車の走行区分

カラフルな琴電車両

琴平電鉄志度線

11号線は市内中心部で右折し、海岸沿いを走り屋島寺に向かう。 ここから琴平電鉄志度線と並行して走ることになる。 詰田川、春日川を渡り、屋島ロイヤルホテル前を左折し、琴電踏切を渡って右に走ると琴電屋島駅前に到着した。

 屋島の景観
  14時8分
詰田川を渡り…
春日川を渡り…

琴電踏切を渡り…
屋島ロイヤルホテル前を左折して…

琴電屋島駅前に到着

屋島寺は屋島ドライブウェイが自動車専用道。 自転車は不可で、シャトルバス便があります。 自力で行くにはドライブウェイの横から途中まで登り、自転車を遍照院に置いて登山路を登る選択です。 琴電屋島駅横の無料駐輪場に入ると盗難に注意の看板があり戸惑ってしまう。

カメラバックを残して行くには心配!持って行くには重すぎる。 14時過ぎで問題は自転車をどうするか?駅前を振り返ったら食事処兼旅館の看板があり、お店で聞くと素泊り4000円。 楽しちゃえ!と云う訳で今夜はここに泊まることにしました。 自転車ごとお店に預け、遍路バックだけ持ってバス停にいると2、3分後に屋島行のシャトルバスが来た。(14時20分発)

 14時29分 屋島ドライブウェイ 屋島

ロスなく屋島寺へ向かう。(運賃200円)お爺ちゃんが一人でバス停で待っていた。 一緒に行くことになったが、懐かしいフィルムカメラを持っていた。 聞いたらフィルムが無いので上の売店で購入するといっていた。 屋島ターミナルに着くと大勢の観光客で大賑わいでした。 観光バスや乗用車が駐車場にいっぱいです。 でも遍路さんはほんの一握り、お爺ちゃんとここで別れた。 バスから降りて多くの人は展望台へ向かう。私は反対の屋島寺の東大門へ向かう。

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■第84番札所 南面山 千光院 屋島寺■
     宗 派: 真言宗御室派
     本 尊: 十一面千手観世音菩薩
     開 基: 鑑真和上
     創 建: 天平勝宝年間(749年〜756年)
     真 言: おん ばさら たらま きりく
     御詠歌: 梓弓屋島の宮に詣でつつ 祈りをかけて勇む武夫
★彡 第84番札所 屋島寺の拡大映像

第84番札所 南面山
 千光院 屋島寺
  14時38分
屋島展望台駐車場から入る…東大門

境内を通過して水族館へ行く家族連れ
東大門をくぐると広い境内が…

屋島寺の東大門から境内を横切って仁王門まで向かい、四天門から入りなおす。 広い境内に堂宇が余裕をもって建立されているからお寺の雰囲気があまりない! 源平合戦の舞台として有名な屋島、その景勝地にあるのが屋島寺です。 駐車場から水族館には境内を横切るから一般の人も境内を通行する。

一度境内を出て…
 再び境内に…
仁王門

千体堂

宝物館
四天門

三体堂

大師堂

唐の学僧鑑真和上は朝廷に訪れる途中、屋島に寄り、普賢堂を建て創建したと伝わる。 入母屋造りの本堂は、鎌倉後期の創建で、本尊の十一面千手観世音菩薩と共に、国重文です。 また鐘楼にかかる梵鐘も鎌倉時代のもので平家供養の鐘と云われ国重文です。

本堂(国重文)と蓑山大明神(手前)

本堂(国重文)

熊野権現社
本堂(国重文)

鐘楼(梵鐘は国重文)

納経所
屋島展望台に平家と源氏のテーマを中心に合戦の絵図や様々な案内板がありました。 今年はNHKの大河ドラマ平清盛で注目の場所です。 視聴率は低いが現地は大盛況です。
 源平合戦の絵図 源平屋島古戦場の石柱

屋島

源義経

戦い

那須与一
名馬太夫黒 義経の身代わりとなった佐藤継信

納経後、屋島展望台から景観の撮影をしようと帰りのバス便の時間を知る為、 バス乗り場に行くとバスが出発の準備! しかも次便は1時間後…。 やむなく乗車したが、屋島の撮影は天気もそれほど良くないし次の機会にと気を取り直す。

来る時に逢ったお爺ちゃんと一緒に帰ることになった。
お爺ちゃんが、水筒のボトルをどこかに置き忘れてきたと嘆いていた。 またフィルムは売店で売っていなかったとしょげていたので少し話をした。 デジカメが多い中、素晴らしいフィルムカメラだと称賛したら喜びの笑顔になり元気になった。

屋島ドライブウェイ駐車場
 15時1分 琴電シャトルバス 屋島ドライブウェイ

バスから明日向かう八栗寺方向が良く見える。 お爺ちゃんが昔は海が入り込んでいたが、今では埋め立てが進んで湾が小さくなったと教えてくれる。 バスの中からEOSで景色の映像を連写していたら、フィルムではこうはいかないとまた嘆いていたので困ったもんだ! バスから降りて琴電駅へ向かう後ろ姿はしょげていた。

天気が良くないから良い映像は望めない

埋め立てが進んで…

琴電屋島駅前 お爺ちゃん、しょげて帰る
明日行く八栗寺は?



この先の遍照院から登山路を登ると屋島寺


15時15分、琴電屋島駅に到着して、早々広瀬旅館に入る。 自転車は夕方になったら食事処の店内に入れてくれるので安心。
荷物の整理をして、コンビニに食料を買いに行く。
これが予想外に時間がかかった。 地図にあるコンビニは2件とも閉鎖され11号線を中心にぐるぐる結構走った。
旅館に戻る頃は夕闇が迫っている。

お風呂に入り湯船で筋肉をマッサージして明日の予定を考える。 身体のケアは長期ロードには大切です。 風呂上がりにのどごしを一気に流し込むと明日への希望が湧いてきた。 夕食をしながら遍路日記を書いていたら、あっという間に22時になり、TVで天気予報を聞いて就寝。


駅前の食事処兼ひろせ旅館

…番外一言 -----------------------------------------------------------------------------------
最近はレンジ、洗濯機、パソコンでも何でもピッ!ピッ!ですぐ結果がでて、間の過程が無くなった感じがする。 だから時間を経ている間に考える事が少なくなった様である。 何から何まで云われたとおりにやるものではない気がする。 自分の権利を主張するが、義務を果たさない人が多くなった。 自分で考えて行動し、自身で責任をとることが少なくなった現代です。

私は遍路を通して88ヵ所の印を貰いに回っているわけではない! 印は八十八札所の願い事の記録であり、願い事に対して自分が遍路期間に何を考えたか、何が変わったか自分を見つめる時を作りたかった。
遍路は人によって様々あるから、人の数だけ遍路目的があると思っている。 それは強制されるものでなく、強制するものでもない。 四国霊場八十八寺遍路の逆打ちもしたい。
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     …四国自転車遍路 TOPへ…
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