■ 「涅槃の道場 (香川県)」 ■
涅槃(ねはん)=一切の煩悩から解脱した境地「涅槃の道場(香川県)」に入ります。
空海の生誕地、善通寺に入り、そして長い自転車遍路旅も結願へ間近になりました。 作法も判らず東京をスタートし、発心の道場に入門し、多くの人に指導されながら修行、菩提と巡り、涅槃の道場に入りました。 四国霊場という曼荼羅の旅の結願も間近です。 ここまで足を進めてこれたのは多くの人々から支援や励ましの心を戴いたから…、さまざまな想いが駆けめぐります。


■5月27日(日)天候 晴れ■     自転車 Odo 1338.2-1416.8km (走行キロ78.6km)

84番までお遍路し、88番大窪寺まで残り4寺となった。 もうすぐ結願するという達成感が何故か湧かない! 何故だろう? そんな思いで荷造りをして、ひろせ旅館の玄関で御主人に挨拶する。 食事処も兼ねている旅館の御主人は気さくで、お接待にドリンクを戴いた。(感謝!)
朝6時半に出発して朝靄の中、8km先の85番八栗寺に向かう。 高橋地区は壇ノ浦源平合戦史跡で、道の脇に石柱発見。 昨日のしょげたお爺ちゃんから教えて貰ったが、ここ高橋地区は昔は海岸だった。 現在は埋立られ住宅地になっている。

 7時1分 壇ノ浦源平合戦史跡碑 高橋橋

壇ノ浦に流れ込む川に沿って走り、高橋という橋を渡り牟礼町に入る。 牟礼北小学校を過ぎて急に登り坂になり、八栗登山口まで朝からひーひーハーハー!傾斜のきつい登り坂だった。 いつも心配することは自転車のチェーンが切れるんじゃないかという事です。 予備は用意しなかったから無理はしない!

洲崎寺前を通り… …146号線に合流

八栗寺ケーブルカー乗り場に到着して自転車を置いて歩いて行くか、ケーブルカーを利用するか迷った。
始発は7時30分で時間には間に合った。(四国内のロープウェイとケーブルカーの3社は同じ会社だから自転車運賃は無料) 平行四辺形の形をしたケーブルカーはホームも車内も階段状だから自転車を乗せるのに苦労した。 標高70mから210mまで550円の誘惑に負けて乗車する。

ケーブルカーか、道を登るか…
  7時22分
八栗寺参詣路

…550円の誘惑に負けて…
八栗寺ケーブルカー乗り場

こちらが遍路道

地元の人から「遍路は順打ち?」と聞かれ、 そうと答えると、自転車も乗せて八栗寺を打ったら、ここに戻らずそのまま自動車道を下りると、 次の86番志度寺へは最短距離で行けると教えて貰う。(感謝!)
7時半に出発したケーブルカーはまたしても私一人を乗せて八栗山頂へ…。朝から楽ちんする。

上り正面

ケーブルカーは赤と青の車体

下り後方

ケーブルカー交差路

八栗山上駅口に到着

…札所の小坊主-------------------------------------------------------------------------------
札所に必ずいるのが「札所の小坊主」。 といっても札所の案内だが、これが一休さんの様な絵本に出てくる可愛い小坊主の形に作られてサイズ感が妙にリアルである。 大体は本堂、大師堂、納経所とあるが、ここでは札所を案内していた。 マンガ的な絵柄と色合いが、雨天、嵐、早朝、夕方といつでも真正な札所に妙に安心感を与えてくれる。 初めての境内に入り、自然に案内されている自分がいる。
小坊主さん!雨の日も、風の日も案内をありがとうと思ってしまう。
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八栗寺はこっち…札所の小坊主 岩壁に沿って

自転車を押してケーブル駅から少し下り、鐘楼堂の近くの石塀に自転車を寄せて、細長い境内を仁王門まで歩く。 八栗寺は岩山に囲まれ、樹木が鬱蒼と茂った五剣山山頂下にある。 昨日、屋島寺の帰りのシャトルバスから見た景色の岩山の付近だなと見当をつけた。

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■第85番札所 五剣山 観自在院 八栗寺■
   宗 派: 真言宗大覚寺派
   本 尊: 聖観世音菩薩
   開 基: 弘法大師
   創 建: 天長6年(829年)
   真 言: おん あろりきゃ そわか
   御詠歌: 煩悩を胸の智火にて八栗をば 修行者ならで誰か知るべき
★彡 第85番札所 八栗寺の拡大映像
鐘楼堂前から境内を通り抜け仁王門に向かう。ここから人が少ないうちに撮影を開始。 そして改めて仁王門をくぐり本堂から納経を始める。

第85番札所 五剣山
 観自在院 八栗寺
  7時48分
仁王門

仁王門から参詣道
左側に多宝塔

本堂

屋島寺からの景観を思い出しながら、今ここにいる。 海側に岩山が立ちはだかり、札所の境内は細長くひな段状になっている。 境内は樹木の隙間から朝日が差し込んで雰囲気は最高です。 本堂は五剣山を背後に控え、歓喜天を祀った聖天堂も立派な堂宇です。 仁王門、本堂、大師堂の、それぞれ大きい垂れ幕がかかっているが、何故か「紋」は皆違った。

大師堂

岩山に沿って細い境内が続く

鐘楼
本堂上から撮影

聖天堂(歓喜天)

人も少なく静かに納経を済ませ、心が落ち着く感がします。 ここから寺坊の横を通り自動車道を下りてゆきます。 21度の傾斜の道路は狭く曲がりくねり、おまけに樹木が覆いかぶさるように茂っているからブレーキをかけながらゆっくりと降りていく。

本坊前を通って… …21%の勾配を体験

道路が緩やかになり快走してたら、いつもの様に曲がる所を間違えて居場所がわからなくなった。 同じ様にウロウロしている歩き遍路の人を見つけ、二人で地図を確認してると主婦が私達を庭から見つけ声をかけてくれた。(感謝!) 地元の人にお世話になり、JR高徳線の八栗新道駅を通り国道11号線にでた。

少し走ると道の駅『源平の里むれ』についた。 道の駅の物産館はまだオープンしていなかったが寄ってみる。 志度湾が見渡せて穏やかな空気を感じる。今日初めての喫煙タイムをとる。 JR高徳線、琴平電鉄志度線、国道11号は並行して志度駅まで続いています。 電車の撮影をしながら志度寺に向かう。

 8時24分 この後、道が判らなくなった

琴電 原駅は無人駅
国道11号線を走る

さぬき市に入った

国道11号線を走ってJR志度駅を通過、その後、国道を左折して海岸方向に向かう。 さぬき市役所を見つけ、ここを右折して海沿いに暫く走ると志度寺があるはず! しかし駐車場を見つけたがお寺が見当たらない。 自転車を引っ張りながら暫く付近を歩いた。

JR志度駅を通過… 志度寺まで600m…この先を横道に
畑仕事しているお爺さんに、志度寺は判るが仁王門が判らないというと、連れて行ってくれた。(感謝!) 志度寺は周囲を自性院、普門院、世尊院圓通寺に囲まれ、仁王門まで到着するのに時間がかかった。
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■第86番札所 補陀洛山 志度寺■
   宗 派: 真言宗
   本 尊: 十一面観世音菩薩
   開 基: 藤原不比等
   創 建: 推古33年(625年)
   真 言: おん まか きゃろにきゃ そわか
   御詠歌: いざさらば今宵はここに志度の寺 祈りの声を耳に触れつつ
★彡 第86番札所 志度寺の拡大映像

第86番札所 
 補陀洛山 志度寺
  9時11分
志度寺入口を入ると… 右手に平賀源内の菩提寺(自性院)
貴重品があるから仁王門までは自転車を持っていきたい。 平賀源内のお墓がある自性院が隣にある。 志度寺は海近くにあり平地にあるものの、仁王門は大きく両側にある巨大草鞋が目に付いた。
仁王門(国重文)

樹木に隠れた鐘楼
海辺の札所のイメージが無い

境内に入ると周りを樹木に囲まれ鬱蒼とした感があります。 同じ趣味を持っているのか、デジカメでミクロ、マクロ的に撮影を重ねている若者を見る。 補陀洛信仰の古刹のお寺にイメージがピッタリ!
五重塔は見栄えが良い。 残念ながら鐘楼堂は立ち入り禁止柵があり、『キケン!鐘楼の下に入らないで下さい』と書かれている。 納経を済ませて堂宇の撮影に時間をかけた。


五重塔
本堂(国重文)

本堂の左手前に多くの石灯籠が分解されて積まれ、 何かで崩れたものが集積してあるみたいだった。 いずれ修復再建されるかも。

大師堂

納経所
えん魔堂

納経所は質素で入りやすい。 気軽に声掛けでき、納経所でのひと時は老若男女の出会いがある。 歩く人、自動車やバイク、バスの団体の添乗員との会話が楽しみです。
なるべく聞くことを心掛け、学ぶチャンスと考えています。
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自転車まで戻り、今日は暑くてのどが渇き、グビグビ、ビールの様にスポーツ飲料を飲み干した。 次は87番長尾寺です。

距離は約7kmで県道3号線を走るが、海岸から離れて内陸に向かう緩やかな登り坂が待っていた。 JR高徳線のオレンジタウン駅(珍しい駅名です)までは、ゆるやかな登りが続き、以降は数多くの溜池、広がる田園地帯を走ります。 長尾地区で町中に入りスーパーを見つけ、筋肉痛を解消するのに「バンテリン」を購入してトイレで痛みの強い左背、太もも、肩、お尻に塗っておく。 1本丸々使い切った。

志度寺からすぐJR高徳線をこえる あと4km…

再スタートして暫く進み標識に従い右折するとすぐ長尾寺の山門が見えてきた。 行基菩薩、弘法大師と引き継がれて真言宗だったが、戦火で堂宇を失い江戸時代になって藩の整備を受けて天台宗に改宗。 明治以降、一時、公共施設に提供されたお寺で、地元では親近感のあるお寺として親しまれている。

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■第87番札所 補陀洛山 観音院 長尾寺■
   宗 派: 天台宗
   本 尊: 聖観世音菩薩
   開 基: 行基
   創 建: 天平11年(739年)
   真 言: おん あろりきゃ そわか
   御詠歌: あしびきの山鳥の尾の長尾寺 秋の夜すがら御名を唱えよ
★彡 第87番札所 長尾寺の拡大映像

第87番札所補陀洛山
 観音院 長尾寺
  10時30分
仁王門と写経を埋めてある左右一対の石塔 本堂

広い敷地にあり、塀が低く樹木が少ないので塀の外の建物が目に付いて町と同居してるイメージの札所です。 仁王門を撮影した時、両側にある格子で囲まれた石塔を確認したが、後で写経を埋めた上に左右一対の石塔があり、 これが国重要文化財と知り残念に思った。
駐車場と境内が一体になっているので、納経を済ませて納経所兼休憩所に入り、ひと時の休憩をする。

大師堂 広い境内

87番長尾寺の遍路が終わり、何故か、心に寂しさが漂う!
最後の大窪寺へ向かうため遍路地図を広げて経路確認をする。 長尾寺から大窪寺まで弧を描くように全体が登りの道になる。 途中に道の駅『ながお』があるのでそこで昼食の予定です。 また道の駅の反対側に長尾町が落成したお遍路交流サロンがあると聞き、そこを目標に出発!
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最後の88番大窪寺までは、ここから約16kmの道程。
87番長尾寺を打って最後の88番大窪寺に向かうが、今一充実感が無い。 88番から1番、2番と行きそうな自分がいる。 心に、そのような放浪癖が潜んでいるのかも知れない…。

納経所兼休憩所 赤丸が私の自転車
現在、10時40分と時間的には余裕がある。 長尾寺から塚原まで行き、ここから鴨部川に沿って県道3号線を緩やかに登って行く。 田園地帯と点在する町並みでのどかさを感じる。
 11時5分 塚原地区 四国自然道の道標

結願の大窪寺、気持ちが揺れる心境ですが地形は無情です。 緩やかな登りから、ペダルを踏むか、歩き自転車遍路に変身するか微妙な坂道です。 とうとう歩き自転車遍路に変身して残り10kmぐらい。
時間的にはまだ大丈夫! ひーひーハーハー、ボタボタ落ちる汗もお構いなしに、歩き自転車遍路だ!

僅かな日陰で休憩、この先に狭い歩道が… 前川ダム堰堤

前川ダム手前で、歩道の両側にガードレールがあり、歩道が極端に狭くなったエリアに来た…。 自転車を押して歩いているから身体が金網に擦れ、反対側の金網に自転車を引っかけて、僅か数100mの距離だが難渋した歩道だった。 道路行政管理者よ!しっかりと考えろ!と云いたい! こんな狭い歩道があるか!ぐるっとしんごさんのWEBでも、ここで苦戦したと記載があり、WEBを作成しながら、思わず苦笑いした。

ダム湖は思ったより美しい! 気持ちが和む
前川ダムから、道の駅ながおやおへんろ交流サロンを目で探してしまう。…まだ見えない! ダム湖に沿って歩き、やがて遠方におへんろ交流サロン、道の駅が見えてきた。11時43分に到着。
 11時43分 左が前川おへんろ交流サロン、右が道の駅

寄贈された遍路碑
前川おへんろ交流サロン

「結願の道」の石碑



遍路資料室が公開され、いろいろ知る事ができるので館内を見学した。



サロンではもろ手を挙げて歓迎してくれた。 お茶やお菓子をお接待してくれ、説明しながら館内を案内し、 サロンの人々の温かいもてなしに訪問して良かったと実感した。 記念撮影を手伝ってもらい、この時間なら今日中に結願できると心強い言葉を戴く。














四国八十八寺の立体地形図を見て、1番から88番まで一寺づつボタンを押しては発光ランプを確認して辿ってみる。 今までの思い出が次々と蘇った。 難儀した山岳霊場、登り路や滑空した路、走った海岸線、山路やトンネル、間違えた路など、もうすぐ一回りします。

四国八十八寺の
   立体地形図




八十八寺の四季(DVD)とお遍路大使の証書
\(^O^)/
お遍路交流サロンを出る時に係員から嬉しい記念品も戴きました。それが八十八寺の四季(DVD)やお遍路大使の証書です。

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道の駅に寄り、のり巻弁当を昼食とした。 ペットボトルを補給し、さぁ!出発!


昼食後のため初めから歩き自転車遍路です。 標高364mの額峠を越え、一度坂を下り、標高390mの峠を越えます。 歩き自転車遍路で登り坂を押していると軽自動車が停まって助手席からお婆ちゃんが降りてきて200円をお接待戴き、 「最後の登り坂よ!冷たいお茶でも飲んでください!」と元気を貰った。 老夫婦の笑顔が弘法大師に映った。(感謝!)

 12時25分出発!

老夫婦からお接待…多和地区で377号線へ


…あと2km
自転車を押して押して最後の峠の標高445mに来た時は左足に痙攣が起きた。 ヨタヨタ歩きになったが屈伸運動して歩き出す。大窪寺の標識を見た時は、正直ホッとして、終わったと思った。

…結願日
遍路するまでは、家で毎日、仏壇に手を合わせることすらしなかった自分が、 今こうして四国遍路して、1番霊山寺をスタートしてから88番大窪寺の仁王門前に自分がいる。

仏壇は妻に任せっきりだった自分が、自転車で1450kmを走ったり、押したりしながら一回りしてきたという実感はあった。
しかし、この瞬間を飛び上がるような満足感に達し、至福の境地を期待したが、何かが物足りない!

とうとう大窪寺山門前に到着した。
時計を見たらグットタイミング!14時14分(14:14…いよいよ)
仁王門前に立ち、暫く門上を見上げていた。 いよいよ最後の札所に到着したが、結願の達成感が無い。

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■第88番札所 医王山 遍照光院 大窪寺■
    宗 派: 真言宗
    本 尊: 薬師如来
    開 基: 行基
    創 建: 養老元年(717年)
    真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
    御詠歌: 南無薬師諸病なかれと願いつつ 詣れる人は大窪の寺
★彡 第88番札所 大窪寺の拡大映像
門前でのひと時から覚睡して、自転車を駐車場エリアの内塀に置いて仁王門から入る。 手水舎へ行き、梵鐘を撞いて石段を登って境内へ…。 境内で二天門がある事に気が付いて、再度、二天門から境内に入った。

第88番札所 医王山
 遍照光院 大窪寺
  14時17分
仁王門

遍路休憩茶屋前の二天門
しばし瞑目…

ここに自転車を寄せた
納経バックを抱えながら境内を一回りする。 境内では数多くあるベンチで、この日を待ちわびて苦行してきた人々が会話をしている。 それぞれ心に秘めた願い事を成就できるかの会話もあるかもしれない。
鐘楼

石段を上がると大師堂前にでる
手水舎と石段…

大窪寺と矢筈山(標高782m)

本堂は礼堂、中殿、多宝塔の奥殿がつながり、その奥殿に本尊の薬師如来と三国伝来の錫杖が安置されている。 大師堂は石段を登った所にあるが、堂内へは地下の内拝口から入る。内部には八十八ヵ所の本尊が祀られている。

本堂は礼堂、中殿、多宝塔がつながる 本堂

納経所は賑やかだった。 我に返って、本堂、大師堂と納経はいつものペースで済ます。 結願寺だからといって、何か特別に行う必要はないと思う。 納経所では淡々と迎えた結願だった。 結願証明書、讃岐二十三寺の台紙が販売されている。 涅槃の二十三札所でシールを戴いていたので台紙は購入した。 あと、道中白衣に結願寺の印を戴いた。

本堂(納経所前から撮影) 本堂(礼堂)
山の中腹にある大窪寺は大きなお寺で、大師堂、遍路杖の寶杖堂や原爆の火など多様な堂宇が境内にある。 さらに奥へ進むと二天門があり、一度境内から出て再度境内を眺めると前方に本堂を見る事ができる。
大師堂 大師堂内に入れる地下の内拝口
納経を済ませ結願後の手順を聞いたが、不思議と四国自転車遍路の達成感は湧かない。 広い境内を撮影しながら見学し、どうしよう? 結願から高野山へ…。その前にやることがありそうだ! 何か足りない気がする?
弘法大師像 寶杖堂と原爆の火(手前)

…この時、心中は自然と霊山寺に向いていた。 そうだ!霊山寺にいかなければ、線が繋がらない! だから自分の心に達成感が無かったんだ! 自転車に戻り、荷物を積み直して霊山寺へ向かう準備をする。
   …自分の心の中の結願は霊山寺で、まだ遍路は終わっていない!

道中白衣に結願の印を… 讃岐二十三寺で貰ったシールを台紙に…
一路、1番霊山寺に向かう。 大窪寺前の遍路休憩茶屋で徳島に向かう道を確認したら、それほど難しい経路では無いようで、夕方には到着できるかも知れない!
…15時4分 …15時8分

山の下りは最速の滑空に入り、田園地帯を休みなしにペダルを踏みます。 県道337号線を走ると、さぬき市からすぐ東かがわ市になり、日開谷川に沿って下り坂を走行。 途中、五明トンネルを過ぎると2号線に合流し、徳島県阿波市(旧市場町)に入った。

…15時14分 …15時17分 徳島県阿波市(旧市場町)に

再び日開谷川に沿って道は下り坂が続く。 相栗、河北、上喜来地区と走り続け、徳島自動車道高架下を通過して左折すると日開谷川、金清谷川を渡る。 10番切幡寺の標識を見つけたら何故か懐かしくなった。 切幡寺近くの牧場の匂いにも、花壇の景観も一度通った道だから記憶が蘇る。

…15時22分 直滑降の気分

…15時46分 この道の花壇は記憶がある
…15時26分 岩野トンネル

…17時11分

17時を過ぎて今日は終了と判っても気持ちは高揚したまま走った。 12号線に入り一本道を最後の力を振り絞ってさらにペダルに力が加わる。 身体の筋肉の痛みはこの時感じなかった。 見慣れた法輪寺、十楽寺、安楽寺、地蔵寺、金泉寺、極楽寺の標識を見ながら我が家に帰るような気持ちです。

…17時38分 金泉寺前 …17時50分 板野駅前
…が霊山寺に到着したのは18時過ぎでした。 境内はひっそりとしていて周辺のお遍路店も閉まっていた。 でも気持ちは清々しい!何故か達成感がある!
…18時00分 あと1km 霊山寺に18時過ぎに到着(映像は翌朝撮影)

コンビニで食料を買って、そのまま初日に霊山寺で野宿した所のベンチに座ったら、蚊の集団が襲ってきた。 アチコチかゆくなり、3週間も経過すると季節も変わる。 仕方なく遍路地図で近辺の宿を探し、霊山寺近くの民宿阿波へ…、訳を話して今晩お世話になる。
民宿には結願したもう一人が泊っていた。 お年寄り夫婦で経営している民宿で、最近の遍路客の事や民宿の経営難の話を聞いているとお婆ちゃんニッコリ…。

     …四国自転車遍路 TOPへ…
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