■ 「発心の道場(徳島県)」 ■

発心(ほっしん)= 悟りを求めようと一念発起する、発心の道場(徳島県)と云われる。 阿波の国は、弘法大師が苦しむ人々の救済を発願をしたことから、「発心の道場」と云われます。 所願成就を願っての修行の旅の始まりです。

四国の東部に位置する徳島県は県内に二十三寺が点在し、遍路の基本的な事に気づかされ修得する道程である。


■5月7日(月)徳島 曇り時々小雨■   自転車 Odo 37.0―61.3km (走行キロ24.3km)

早朝5時に起床。 船室を出て写真を撮影しながらラウンジをウロウロします。 フェリーは和歌山県、潮岬付近を過ぎたが霧がでてきて、はっきりと視認できない状態です。 見ると昨日のYさんを見つけ、暫くの間、遍路へのキッカケの話をしました。 会話の中で同じ自転車遍路の単行本を読んでいることを知り、二人で納得して大笑いした。 初めは歩き遍路を考えていたが、この本を読んで挑戦へのきっかけになった。

 紀伊水道を航行 紀伊半島側  8時18分

徳島県側  12時32分
徳島県側  8時30分

津田埠頭に接岸中  13時12分

13時20分…
お昼過ぎに左に徳島、右に和歌山の霞んだ景色を見ながら、いよいよ自分の挑戦が始まると思いが強まってきた。  13時30分に徳島埠頭(津田埠頭)に到着!

フェリーから下船する時に航行日程表を撮影する。 遍路が無事に終わった時に、この日程表が必要になると思った。 黄色の部分が休航日で、この日にかからなければと思ったが…。
足元のシューズはスポーツサンダルで遍路中はこのシューズを使用する。


**********   徳島、津田埠頭から四国霊場一番札所霊山寺へ   *********************

横浜のYさんと一緒に下船! 二人で約22km先の霊山寺を目指すことにした。 徳島市内を走行中に小雨が降り出し、コンビニの軒でカッパを着込んで手間を食った。
徳島フェリー埠頭(津田港)から霊山寺までは、メモ書きだけで地図を用意していなかったので、ポイントを地元の人に聞きながら走る。

途中、行き過ぎて戻ることもあったが無事、地元の人のアドバイスで1番札所霊山寺に到着。 しかし右見ても左見ても判らない状態で、とりあえず霊山寺前の遍路洋品店で必要な品々を購入。

その時店舗前で「タバコの火を貸してください」と言われ、知り合ったのが高野山で24年間修業をし、 その後、一年間霊山寺を起点に四国遍路する人々に指導をしながら、今年6月にはタイ国へ修行に向かうと話された僧との出逢いでした。 (この方を以後、私はN僧として記します。)

霊山寺仁王門前でマネキンと記念撮影、横浜のYさんと遍路衣装で緊張した映像をお互いに撮影し、用品の準備も整い、 次は遍路の作法について、1番霊山寺の納経にN僧から実地指導を受けることになる。

地図は、へんろみち保存協力会発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」と図書館で借りた四国地図で分厚い地図はリュックの奥深く入れてある。 この為、頻繁に利用するのはへんろみち保存協力会発行の地図となる。 透明のビニール袋に入れて自転車前部に挟んで利用する。

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■第1番札所 竺和山 一乗院 霊山寺■
  宗 派: 高野山真言宗
  本 尊: 釈迦如来
  開 基: 行基
  創 建: 天平年間(729年〜749年)
  真 言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
  御詠歌: 霊山の釈迦のみ前にめぐりきて よろずの罪も消え失せにけり
★彡 第1番札所 霊山寺の拡大映像
第1番札所 竺和山
 一乗院 霊山寺

…16時半、
N僧から実地指導!
仁王門

手水舎
「うたた寝のときも手にもつ遍路杖」の石碑

境内中央の池

霊山寺は明治24年に、出火により本堂と多宝塔を残して焼失して、その後再建された。 境内中央にある池が、これから遍路する旅人に心の安らぎをもたらしている。 多宝塔は応永年間(1394年〜1428年)の建立で、五智如来像が祀られています。

鐘楼 本堂に向かう!

本堂内、右奥に納経所があり、ここでも遍路用品が販売されていた。 これから先の霊場で仁王門から本堂、大師堂と各札所の主な堂宇を撮影してゆこうと思う。 納経所で筆を入れて貰う時に、N僧のお蔭で、高野山高僧の尼僧の方に納経帳に筆を入れて戴き、 朱印を戴くと、感激と今後の意気込みが漲ってきた。

本堂

多宝塔

案内所
大師堂

十三佛堂

大師堂の屋根

N僧から納経後、今日はどうするのか聞かれ、すぐ「野宿です」と答えると、その場所なら、「此処がいい」と教えて貰い、 早速、案内所の隣にある屋根付きのベンチに荷物を移動した。 ベンチには毛布と座布団が数枚置いてある。
N僧と別れて、横浜のYさんと近くのコンビニへ夕食を買いに行き、 「今日が終わった、明日からが真剣の勝負だな」と話しながら食事をしていると、夜半の7時過ぎに、再びN僧が私達の処に訪れ、 地面に座禅して、遍路と修行についての大事なお話を聞かせて貰いました。 何かプレッシャーがかかりそうです!

発心(ほっしん)の鳥居 明治の庭…大師堂の北側にある

N僧は6月になれば、タイ国へ修行に出ると言われ、結願の報告は、5月中に済ませたいと心に強く刻みました。  実際、これから先どのような状況になるかわからないが、自分の修行として頑張ろうと気持ちを新たにしました。 まさに発心の道場入りをN僧から受けた日でした。

野宿ベンチ…N僧と記念撮影…20時40分

9時過ぎに帰られ、ベンチでの野宿は、銀マットを敷き、その上で寝袋を使用。 携帯蚊取り器をそばに置いて、道路を通過する車両の騒音に、度々眼をさましたが、それなりに休むことができた。

漆黒の夜空が薄明るくなると目が覚めて、寝袋の中で寝返りしながらゴロゴロして、未明に寝袋からムクムク!   …芋虫みたいだ!相棒も起きていたようです。

     …四国自転車遍路 TOPへ…
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