■ 「発心の道場(徳島県)」 ■
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■5月8日(火)天候 晴れ■ 自転車 Odo 61.3-100.9km (走行キロ39.6km) 未明の時間に起床して、後片づけと荷物の準備をして、6時半過ぎに、2番極楽寺を目指してスタート。 霊山寺から極楽寺までは2kmに満たない距離にあり、それ以降の3番金泉寺、4番大日寺、 5番地蔵寺、6番安楽寺、7番十楽寺、8番熊谷寺、9番法輪寺、10番切幡寺まで、2〜6kmと距離が近く、 遍路地図に記載されているコースに沿って地域内の生活道路を走ります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第2番札所 日照山 無量寿院 極楽寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 阿弥陀如来(伝弘法大師) 開 基: 行基 創 建: 奈良時代(710年〜793年) 真 言: おん あみりた ていせい からうん 御詠歌: 極楽の弥陀の浄土へ行きたくば 南無阿弥陀仏口ぐせにせよ ★彡 第2番札所 極楽寺の拡大映像 |
第2番札所 日照山 無量寿院 極楽寺 7時10分 |
朱塗りの仁王門 | 招福弁天 |
朝7時前に到着!平地と思ったら、周囲を山に囲まれた閑静な境内です。 朱塗りの仁王門をくぐると納経所が左手にあり、境内は正面から右手に広がります。 手水舎のそばに樹齢1200年と云われる「長寿杉」があり、見上げると大樹感が判る。 境内は極楽浄土をイメージした庭園が広がり、鐘楼、薬師堂と続き、その先の長い石段を上がると本堂、大師堂などがある。 |
美しい庭園 鐘楼 薬師堂 本堂 観音堂 |
樹齢1200年と云われる「長寿杉」と手水舎 薬師堂 石段を上った処に本堂 大師堂 極楽寺から3番金泉寺へ向かう |
極楽寺を出発して、朝方の子供達の「おはようございます!」の元気な挨拶に 「おはようございます」と気持ち良く返事を返し、 スタートした遍路に自分の気持ちは高揚感が溢れてる。 3番金泉寺へは12号線でなく町中の生活道路を走ります。 諏訪神社前を通り、高松自動車道の板野IC下を抜けて変電所を目印に約3km走った。 3番金泉寺は古刹感あふれるお寺です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第3番札所 亀光山 釈迦院 金泉寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 釈迦如来(伝行基作) 開 基: 行基 創 建: 天平年間(729年〜749年) 真 言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく 御詠歌: 極楽の宝の池を思ただ 黄金の泉すみたたえる ★彡 第3番札所 金泉寺の拡大映像 |
第3番札所 亀光山 釈迦院 金泉寺 7時55分 |
仁王門 | …一礼してから |
門前で身なりを整え、一礼して仁王門をくぐる。 本堂、大師堂での読経は横浜のYさんと一緒にするが、Yさんは練習していたようで幾分滑らか…。 私の方は初めての読経で、声は小さく、区切りが中途半端で自信喪失しそう。 この先、お遍路して大切な読経がどのように変化していくか学んでいく。 |
手水舎と鐘楼 大師堂 | |
本堂 観音堂 金泉寺から4番大日寺、5番地蔵寺へ走る |
9時を過ぎても日差しは明るくならない。
今日は曇りがちの天候だろう!
4番大日寺は約5km走るが途中で右が大日寺、左が地蔵寺の交差点に出て、右折して大日寺に向かった。
■第4番札所 黒厳山 遍照院 大日寺■ 宗 派: 東寺真言宗 本 尊: 大日如来(伝弘法大師作) 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁6年(815年) 真 言: おん あびらうんけん ばざらだどばん 御詠歌: ながむれば月白妙の夜半なれや ただ黒谷にすみぞめの袖 ★彡 第4番札所 大日寺の拡大映像 |
第4番札所 黒厳山 遍照院 大日寺 9時15分 |
鐘楼門 納経所を通り… 大師堂 |
鐘楼門から続く長い石畳 …本堂へ 頼りになる遍路矢印 |
5番地蔵寺は大日寺から2kmと近く、山にある大日寺から遍路道をそのまま平地に打ち戻りします。 そのまままっすぐ進んで12号線の手前にあります。 遍路道には遍路矢印が電柱や塀に貼ってあり、これを頼りに走るが、へんろみち保存協力会や地元住民の心使いが伝わる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第5番札所 無尽山 荘厳院 地蔵寺■ 宗 派: 真言宗御室派 本 尊: 延命地蔵 胎内仏 (勝軍地蔵菩薩…伝弘法大師作) 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁12年(821年) 真 言: おん かかかび さんまえい そわか 御詠歌: 六道の能化の地蔵大菩薩 導き給えこの世後の世 ★彡 第5番札所 地蔵寺の拡大映像 |
第5番札所 無尽山 荘厳院 地蔵寺 9時50分 |
質素な仁王門
仁王門をくぐると境内中央に樹齢800年の大銀杏が印象に残っている。 水琴窟が本堂右手のお地蔵さんの前と、もう一つの堂宇の左手前に2ヶ所あり、遍路して新しい発見をする。 |
樹齢800年の大銀杏 |
本堂(お地蔵さんの前に水琴窟) 修行大師御尊像 お堂の左手前に水琴窟がある |
大師堂 | 淡島堂 |
6番安楽寺は5km程、畑に点在する民家を縫うように、地域の生活道路を走ります。 交差点や曲がり角で度々、遍路地図を広げて確認しながら走るので、必要以上に時間を要した。 それでも民家や商店があるので判らなければ聞くこともできる。 やっと安楽寺前に到着する。 |
地蔵寺の低い塀 | 花畑 | |
6番安楽寺に向かって畑に点在する民家を抜けて走る |
「どっちだ?」 | 「看板見つけた! こっちだ!」 |
安楽寺の山門は中国風の鐘楼門のようで、境内は庭園の美しさに圧倒された。 庭園の奥にある多宝塔も美しい姿を見せてくれる。 庭園にある松は、弘法大師が折れた枝を逆さに植樹したとあり、厄除けの「さかまつ」と記されていた。 また、茅葺き屋根の方丈は小ぶりだが私のお気に入りです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第6番札所 温泉山 瑠璃光院 安楽寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 薬師如来(伝弘法大師作) 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁6年(815年) 真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ< そわか 御詠歌: かりの世に知行争うむやくなり 安楽国の守護をのぞめよ ★彡 第6番札所 安楽寺の拡大映像 |
第6番札所 温泉山 瑠璃光院 安楽寺 10時36分 |
山門 庭園に囲まれた多宝塔へは安楽橋を渡って… |
大師が植樹した厄除けの「さかまつ」 この先に本堂が… |
本堂前には大きな屋根付きの拝殿場所があり、本殿の全景が見えない。 ここの両側に灯籠の様な回転式の燈明立てがあり、ここで点したお線香を中央の大きな香炉にさします。 雨の日でも安心して納経ができます。 |
本堂 大師堂 茅葺き屋根の方丈 |
本堂の右奥に大師堂 観音堂と徒歩巡礼物故者菩提所
本堂前の境内は広く、ここを囲むように大師堂、方丈、宿坊が建てられ落ち着いた雰囲気のお遍路を体験できる。
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7番十楽寺は安楽寺から約1kmと至近距離にある。 朱色と白のコントラストが美しい中国風の山門は上層が朱塗りで、下層が白漆喰で塗られている。 門の形が一見すると安楽寺と似ている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第7番札所 光明山 蓮華院 十楽寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 阿弥陀如来(伝弘法大師作) 開 基: 弘法大師 創 建: 大同年間(806年〜810年) 真 言: おん あみりた ていせいから うん 御詠歌: 人間の八苦を早く離れなば 到らん方は九品十楽 ★彡 第7番札所 十楽寺の拡大映像 |
第7番札所 光明山 蓮華院 十楽寺 11時20分 |
中国風の山門 | 鐘楼門 |
第一印象はお寺の雰囲気は感じられなかったが、境内に入るとさすが古刹のイメージが漂う。 境内では多くの人々と出会い、読経はタイミングをずらした。 治眼疾目救済地蔵尊は、眼の治療に霊験があるとされ、この日は眼病に悩むお遍路さんが治眼疾目救済地蔵尊の前にも多くいた。 私も緑内障を治療中でお詣りする。 |
本堂 大師堂 |
本堂 治眼疾目救済地蔵尊 |
8番熊谷寺まで4km、田園風景の中に集落が点在した地域道路を走ります。 私が遍路地図、横浜のYさんは遍路道しるべの確認と自然に役割が出来ている。 熊谷寺の仁王門は畑の中のあぜ道にあり歩き遍路の人とすれ違った。 「頑張りましょう!」と声を掛けて暫く進むと広い駐車場があり、横に休憩処と納経所がある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第8番札所 普明山 真光院 熊谷寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 千手観世音菩薩 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁6年(815年) 真 言: おん ばざらたらま きりく 御詠歌: 薪とり水くま谷の寺にきて 難行するも後の世のため ★彡 第8番札所 熊谷寺の拡大映像 |
第8番札所 普明山 真光院 熊谷寺 12時15分 |
仁王門 | 駐車場と多宝塔が見える |
自転車を駐車場に置いてからその先、多宝塔前ではお経が放送され、聞きながら進むと中門にたどり着きます。 大師堂は石段を上った所にあり、お堂の全景を撮れなかった。 古刹を感じる本堂、大師堂、多宝塔など素晴らしい建物に魅力を感じた。 |
多宝塔 |
お経を聞きながら、長い参詣道を歩いて… 長い参詣道を通り石段が続くが、山の斜面にあるお寺は石段が多いと思った。 これから先の遍路先には、もっとすごい霊場があると思い、心が引き締まった。 |
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中門は見上げるかたちに… 鐘楼堂 本堂正面 |
堂宇へは、さらに石段を… 本堂 さらに石段を上って… |
今日の予定は11番の藤井寺まで行きたい。
途中、昼食をとる機会を逸したが、遍路がスムースに進んでいるし、
それほど空腹感が無いので、このまま遍路を続けます。
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大師堂へ |
法輪寺の山門は小ぶりでも立派です。
初めて団体と重なり、参拝のタイミングが遅れた。
■第9番札所 正覚山 菩提院 法輪寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 涅槃釈迦如来 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁6年(815年) 真 言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく 御詠歌: 大乗のひほうもとがもひるがえし 転法輪の縁とこそきけ ★彡 第9番札所 法輪寺の拡大映像 |
第9番札所 正覚山 菩提院 法輪寺 13時55分 |
鐘楼門 | 本堂 |
先達の流暢な声に耳を傾け、私も懸命にコツを覚えようとしていた。 私達も納経が終わり、鐘楼門前のお店で横浜のYさんと草餅を買う。 鐘楼門前の、次の札所への指標前で食す。 2個入りで、分け合った草餅は甘みが丁度良く、お昼を抜いているからエネルギー補給に丁度良かった。 |
大師堂 | 仁王門前にある、次のお寺への指標 |
次の切幡寺へ約4kmの道のりは、途中で12号線にでて、四国電力の変電所を右折して一本道を走ります。 切幡寺に向かう道路には、印象に残る綺麗な花壇が続き牧場がありました。 ここは阿波市の旧市場町で牧畜特有のいい臭いを嗅ぎながら切幡寺に向かいます。 徳島自動車道をくぐると道は山に向かう形で登り坂になり自転車ではなかなかきついところです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第10番札所 得度山 灌頂院 切幡寺■ 宗 派: 高野山真言宗 本 尊: 千手観世音菩薩 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁年間(810年〜824年) 真 言: おん ばざらたらま きりく 御詠歌: 欲心をただ一筋に切幡寺 後の世までの障りとぞなる ★彡 第10番札所 切幡寺の拡大映像 |
第10番札所 得度山 灌頂院 切幡寺 14時30分 |
仁王門 | ここから333段の石段の標識 |
仁王門をくぐり、「これより333段の石段」の表示があり吃驚する。 境内は標高150mにあり、初めての山寺を見た。 仁王門のそばに自転車と荷物を置いて納経バックだけ持参して、333段の石段を登るが、登る途中で数を数えるのをやめた。 また誰も居ない所に自転車と荷物を置いてゆくのが心配もした。 |
途中で数えるのをやめた! 本堂 |
鐘楼 大師堂 |
…納経後の感想 ------------------------------------- |
上方に本瓦葺きの大塔と手前の不動堂 |
切幡寺から11番藤井寺までは約12kmで、平地走行で順調に進み、吉野川を渡河する時、二つの沈下橋には驚いた。
中州に広がる田圃の一本道を快走。
吉野川市内に入り、道を間違えて納経時間ぎりぎりになりそうで少し焦った。
鴨島町から藤井寺に向かう一本道を教えて貰い、ペダルに力がかかります。
■第11番札所 金剛山 一乗院 藤井寺■ 宗 派: 臨済宗妙心寺派 本 尊: 薬師如来(伝弘法大師作) 開 基: 弘法大師 創 建: 弘仁6年(815年) 真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか 御詠歌: 色も香も無比中道の藤井寺 真如の波のたたぬ日もなし ★彡 第11番札所 藤井寺の拡大映像 |
第11番札所 金剛山 一乗院 藤井寺 16時55分 |
山門 | 本堂 |
仁王門前に着いたのは日も暮れかかる17時前です。 本堂、大師堂と納経を済ませたが、まだ数人が境内に残っています。 本堂の裏手から焼山寺に続く往古の遍路道の案内がありました。 地図を見ると最短距離で山道が続くから、その分傾斜もきつく、遍路ころがしの異名があるそうです。 |
大師堂 不動堂 |
白龍弁財天 大師像と、後に焼山寺に続く往古の遍路道 |
藤井寺を参拝後、町中に戻って町営の温泉施設「鴨の湯」の隣にある無料の遍路小屋に泊まることにした。
あいにく先客が2人いて、3畳の処に4人は厳しく、今夜は板の間にお世話になります。 |
盛り上がって記念撮影 | 町営の温泉施設「鴨の湯」(翌日撮影) |
それまでは先客と合わせて4人で、駐車場脇のテーブルで夕食兼宴会になり大いに盛りあがった。 その時の遍路者を紹介すると、フェリーから同行している49歳の男性(仮名横浜のYさん)と、 「日本を、ぐるっとみてこよう」の30歳の若者(仮名ぐるっとしんごさん)、は東京から自転車で日本一周を目指しています。 最後の一人は最年少の26歳の歩き遍路をしている顔立ちがきりっとした好青年です。 |
ぐるっとしんごさんと歩き遍路の若者はここ | 横浜のYさんと私はここで…(本来は女性用) |
見知らぬ同士の宴会で、簡単に自己紹介し、人それぞれの目的を持ち、心に秘めての遍路です。 実質的な遍路旅の開始前夜と云う感じです。夜も更けて畳はあるものの寝袋でおやすみなさ〜い! …四国自転車遍路 TOPへ… |
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