■ 観光センターからひょうたん池、今池湿原へ ■

奥裾花は長野県と新潟県の県境に位置し、日本の温帯林を代表するブナの原生林がある。 また一帯は水源の森があり、湿地には水芭蕉の群落を見る事ができ、四季を通して楽しめる。 渓谷から県境にかけて緩やかに登りが続き、その奥の高地にブナの原生林がある。


標高1140mの駐車場から1280mの高地に向けてのんびりハイキング。 途中、1.5km先まではバスが運行されているが、私達は園内までの2kmの距離を歩いた。 デジカメ片手にお気に入りの風景を撮影しながらのハイキング。 元池を通る横断コースがあったが、元池周辺に紅葉が無かったのでパスした。





数キロ先は新潟県境の山、高妻山か…



元池

今年は例年より紅葉の時期が遅いようで案内所の人に奥の方は紅葉を楽しめますよと云われた。 私達の後から登山のグループが続いていて、曲がりくねった道では声は聞こえるが見えない状態です。 いつの間にか登山グループとも別れて私達だけになった。 早い時間帯のため自然園を独り占めしている感じ。










紅葉は依然として見られないが、いつの間にか周囲の山並みを見ることができる。 秋特有のススキの穂が垂れ下がった景観は、もうすぐ紅葉の最盛期を迎えるんだなという感じ。 真っ青な青空に一筋の白い雲が印象に残り、撮影したり記念撮影したりして先に進む。



舗装された道が砂利道になり、ここから先は自然園となる。 ここには休憩舎やトイレがあり丸太で造ったベンチも設置されていた。 総合案内板で現在地を確認し、どのように周遊するか思案した。


休憩舎
自然園入口

自然園広場

駐車場から登り道を2km歩いてきたのでベンチで休憩、喫煙してノンビリした。 この後、ひょうたん池を経由し、今池湿原を回り込んでブナ林の奥へ向かう。 前回訪問した時は、水芭蕉の群生を目の前で見る事ができ感嘆したが、この時期はどのような景観か楽しみです。

熊に注意の看板

ひょうたん池入口


入口に「この先は熊のすむ森です。 熊除けのため、鐘を叩いてください!」と、看板があり、思わず妻と顔を見合わせた。 鈴の付いた杖を車の中に忘れてきたことを後悔した。 三脚ではどうしようもない! なるべく会話をしながら歩こうと、やや不安のスタート。 ひょうたん池は背の高い葦が密集し、池面がわずかに見えるだけです。

ひょうたん池




所々に紅葉を見るようになった。一面という訳でないが、この先が楽しみになる。 ブナ林は地球上に生物が誕生して以来、そのまま歴史を維持している原生林といわれる。 ヨーロッパでブナは母なる木といわれ、豊かな土地を培い文化を起こす大きな役割をしてきた。 日本は国土の豊かな森林を製材産業のため、加工しやすい木に変えた事で、本来の自然が失われたという。 里山の雑木林も失われ、ある意味、作られた自然と云う事になる。










そのような気持ちでブナ林を散策すると、あらためて本当の自然を見る事ができる。 ひょうたん池から今池湿原へ向かい、登り道で缶が落ちていた。 園内を回る間、拝借することにした。 これを持って三脚でたたきながら先を進む。 ブナ林が目に付き、愛おしく思いながら今池湿原を周回する。










湿原には水芭蕉に変わって夏から葦が茂り、それが黄色に枯れる時期が秋です。 湿原一面に葦が覆い尽くし見通しが悪い。 今池湿原の端に沿って架けられた遊歩道を、季節を変えて歩くと異なる趣きの風情を体感できる。 周囲が黄金色の紅葉に染まり、モミジのようなオレンジ系が無いので、これが自然の造りだした色彩と感じた。










今池湿原の端で休憩して初夏に来た時の景観と重ね合わせてみる。 それでも地形は同じだが、前回の景観のイメージが重ならない! 高く伸びた葦がイメージを変えている不思議な感じがする。 また山々の紅葉と異なり、奥裾花の紅葉は全く別物の黄金色で、今回の旅は2ヶ所を選択して大成功!






それでも拝借した鐘を打ちながら、 何ともいえない黄金色で包まれた今池湿原から自然園の中央に戻ってきた。 ここで初めて人に逢った。 釣竿のように伸縮できるもので、時々高い樹に向け、採集した物を調べていた。 地元の人のようで、「紅葉には1週間早過ぎたね」、「この奥のこうみ平湿原、吉池の方は丁度いいよ」と教えてくれた。 鐘を鳴らしながら向かう。\(*^_^*)/

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