■ 榛名神社の参道で紅葉を楽しむ ■
湖畔道の県道33号線は南西の山麓を下る。 ヘアピンカーブを曲がりながら少し下ると榛名神社の入口がある。 現在10時40分だが、これから混雑が予想されるので早めに訪問した。 入口付近は警備員が10人近くいて交通整理をしている。 参道に入ると、すぐ駐車待ちの列になった。 1台、1台ゆっくりと駐車しているのか少しずつ進んで、途中まで来たら小さい無料駐車場の中から1台、 車が出てきたので、参道の途中だったが入れ替わりで駐車した。


50mほど手前の駐車場たが、参道を上がって行くと先程前にいた車がまだ駐車待ちで列をなしている。 私達はタイミングが良かったようだ。 参道は車列と観光客の擦れ違いで結構混雑している。 やがて神社の最初の鳥居が見えてくると、大きな駐車場(30台ぐらい)とお土産店付近は多くの人だかりです。 駐車整理員が大きな声で整理していて大変な様子です。

県道33号線から一直線に続く榛名神社の参道

榛名神社鳥居
榛名太々御神楽殿

随神門
本坊

本坊には食事処もあり案内の旗があり、食事を予約して、ここの駐車場を利用する人もいた。 それにしてもこれほど混雑するとは思わなかった。 早い時間に来て良かったと妻も納得顔。

榛名川に架かる赤い橋を渡ると随神門

随神門

榛名川

お茶屋

参道の榛名神社の入口で目に付くのが大きな鳥居です。 意外に大きく、ここをくぐると左側にお茶屋があり、お店を覗いてみると身体に良い薬草茶があり持ち帰りもできる。 右側には寺坊がある。(寺坊については後述。) 榛名川に架かる赤い橋を渡ると正面に古めかしい随神門があり、その先は石畳の参道になる。 随神門の左に榛名神社のマップがあり、本殿までは550mとある。

榛名神社案内図

随神門
榛名神社由緒

石畳の参道

隣に榛名神社の由緒書きがあり、それによると江戸時代末期まで神仏習合の時代が続き、榛名寺と称し上野寛永寺の別当寺としてあったという。 そのため入口に寺坊があり、その名残が残り、ここでは食事処もある。 その後、明治の神仏分離令によって榛名寺、榛名神社として独立した。

随神門を過ぎて赤い欄干の禊橋を渡る


榛名川



参道を振り返ると…

随神門を過ぎて赤い欄干の禊橋を渡ると石畳の参道は暫く一直線です。 周囲には杉林が一面で、所々に紅葉樹が見える。 石畳の苔も日差しが届かないから榛名山の山腹の木々や岩山などの自然と一体化した感がする。 その隣に榛名川が並行して流れ、川筋は暗く暗渠のよう。

苔むした参道

人の流れが時々途切れるので、撮影のタイミングをとりながら参道を登って行った。 この時期にしては寒くなく、雰囲気の良い参道を撮りこぼしの無いように進むがやっぱり撮りこぼしをしてしまった。 そのため参道の途中の由緒は行きと帰りに分裂したが、あくまで歩いたままに解説します。 参道に七福神があり、最初は布袋です。 恰幅のいいルックスでいちばん愛着がわく神様です。 布袋は円満の神様で、像は布袋の上に立っている。 お腹の部分が撫でられて像の表面が剥げていた。





七福神1…布袋

直線の参道が終わり、二方向に分かれた。 トイレもあり、お茶屋がある。 店先に、今が旬の柿や名物のコンニャクの味噌おでんが美味しそうです。 三角のもあれば丸い団子のように串刺しにした種類もある。 小休憩して二方向のうち、左手、石段の参道を行く。






暫く進むと七福神の福禄寿が迎えてくれる。 寿老人と同じ神と云われている福禄寿は、福徳財運の神として知られている。 水神楽の隣に建っていて参拝客を見守っているようです。

福禄寿の先に三重塔が聳えている。 登り石段の処にあるから、余計に見上げるかたちになり、撮影構図が難しい! 別名、神宝殿とも呼ばれ、両脇に狛犬が二体ある。 この二体、決して目を合わせようとはしていない。


三重塔(神宝殿)

七福神2…福禄寿

三重塔(神宝殿)

神社とお寺が混在していた頃の名残で、群馬県内唯一の塔です。 三重塔の先には鳥居があり、ここをくぐると七福神の恵比寿様が迎えてくれる。 福の神の代表格として有名な恵比寿ですが、左手に携えた鯛から漁業の神としても知られているが、商売繁盛などの神様としても崇められている。




榛名川にも紅葉が…
七福神3…恵比寿


三重塔(神宝殿)

参道は奇岩と巨木の間を行くが、とうとう奇岩の直下を進む。 鉄骨に守られた参道の途中に塞神社(さいのかみしゃ)がある。 看板には塞神社は悪魔除けの神として祀られている。 分岐点を守る神と云う事で道路交通安全の守護神でもある。

塞神社(さいのかみしゃ)入口

赤い欄干の神橋の下は行者渓と呼ばれる
塞神社(さいのかみしゃ)

赤い欄干の神橋と紅葉

塞神社が祀られているトンネルを抜けると赤い欄干の神橋がある。 紅葉が一層鮮やかになり、妻の満足顔も破顔している。 七福神の中の紅一点でもある弁才天は東面堂の前にあり、因みに榛名神社の石版には辨才天と彫られていた。

七福神4…弁才天 赤い柵に萬年泉と朱色の御水屋

弁財天を過ぎると石段があり、途中に萬年泉という赤い柵で囲まれた雨乞いの為に造られたという木箱が祀られていた。 石段を登ると朱色が鮮やかな御水屋があり、ここの紅葉もカップルがいつまでも佇んで絵になるような景観です。 御水屋の水は、榛名山麓の天然水で、萬年泉の水と同じ様に古くから御神水として、多くの人々に利用されている。 参拝の作法として手水で手、口を清めます。

石段が左に折れて途中に左手に古社があった。 白木で造られているようで、矢立杉の隣に建立され神幸殿(みゆきでん)と呼ばれている。 国指定重要文化財で、5月の御祭りの時に神輿が本殿から移される。

朱色の御水屋と紅葉
神幸殿(みゆきでん)

神門

神幸殿を通り過ぎて石段を登りきると白木の質素な神門がある。 神門の両側には巨大な奇岩がゴロンと落ちてくるような様子で、神門をくぐると広い境内になった。 境内には大きなコンクリート建ての社務所があり、雰囲気的には今一の感がした。 ここには休憩処になっていて端に喫煙場所も指定されここで小休憩。


■ 榛名神社本殿へ ■

社務所前の休憩処で休み、石段を登った先に見えるのが双龍門です。 扉や建物に龍の彫刻が施されていて双龍門と云われる。 また屋根の形が珍しく、四方向ともどちらから見ても同じ形に見え、きめ細かい彫刻で一層の存在感を感じた。 双龍門の左の岩は鉾岩、別名ローソク岩とも呼ばれている。 鉾岩から双龍門、その石段を一枚の映像に構図を纏めるのに観光客の位置など何枚も撮影して、自分で納得のゆく映像を撮るのに苦労した。


双龍門で振り返ると、社務所の背景に榛名山麓の紅葉と神社を取り巻く奇岩の絶景が見れる。 社務所前にある大黒天は農産、商業の福徳の神様です。 打出の小槌を持って福袋を担いで米俵の上に立っている。

神門 双龍門
双龍門と鉾岩 奇岩の紅葉が美しい 本殿と巨木
七福神5…大黒天 榛名山麓の紅葉

双龍門を通り過ぎて石段の中段で振り返ると、社務所、神門、双龍門が良い位置で見ることができる。 そして石段の上には本殿の対面にある神楽殿の建物が見えた。 映像になるべく人の姿が入らないように暫く待ったが、これは仕方ない! 後姿ならば我慢できるが正面から顔が映ると掲載しにくい。

神門

双龍門

双龍門の屋根の部分が、この位置から見ると四方向が同じで珍しい建築様式だとよく判る

神楽殿の左側にある天狗像(七福神とは別)
社務所


神楽殿
本殿と御姿岩

本殿は背後に聳える御姿岩にご神体が祀ってあり、岩に接続して権現造の社殿が建てられている。 岩をくり抜いて、その中に社殿が造られ、外観から見ると如何にも社殿と岩が一体になっているように見える。 このような造り方は四国自転車遍路で八十八寺札所の山岳霊場で見たことがあり、榛名神社で同じような社殿を見るとは思わなかった。 この地でも古くから修験道としての歴史があることを再認識した。 さらに国祖殿、額殿、神楽殿、縁結びの杵築社が祀られている。

本殿

縁結びの杵築社

鉄灯篭は県内最古といわれ、鎌倉時代の様式が残され県の重要文化財として指定されている。 国祖社、額殿には歴史を刻んだ絵馬のような額が寄進され、中央に天狗の赤顔が境内を覗いているようにも見えた。

本殿正面を見上げる


鉄灯篭

国祖社は元々榛名山西側の御祖霊嶽にあったものを、いつの頃からか本殿のそばに摂社として祀るようになったと伝えられ、 天保12年(1841年)に修復された。 神仏分離令以前は本地仏を安置し本地堂とも呼ばれていた。 額殿は文化11年(1814年)国祖社に増築する形で建立され、本来は神楽殿の拝見処だが、大小の扁額を掲げてあることから額殿と呼ばれている。

国祖社と額殿

国祖社を正面から撮影

子供達と一緒に石段を登り、構図を探しているといきなり子供の顔が入り、 微笑ましい光景を見ることができ、親子旅が羨ましく思う時があり、孫たちは今日は何をしているか!

額殿


額殿からみた本殿

本殿の拝殿を下から観察すると、両側の柱に朱と白木の龍が巻き付いて拝観者に威厳を見せているようにも感じた。 この龍の彫刻を間近で見ると、その繊細な彫刻姿がいかにも社殿を守護しているようだ。 拝殿に相対して神楽殿があり、その上方に弥陀窟があり、弥陀窟は3つあり、御姿岩に丁度、相対する位置にある。 この窟には阿弥陀三尊が祀られているとも、弘法大師の彫った阿弥陀如来像が納められていたとも云われ弥陀窟と呼ばれている。

左に朱色の龍

拝殿に相対して神楽殿がある
右側に白木の龍

神楽殿の上方にある弥陀窟

神楽殿を下から見上げると繊細な彫刻を見ることができる。 天井の格子にはいろいろな絵が描かれているのが見えた。 また正面の彫刻にも雲海の中にいる鬼が彫刻されていた。 本社を拝殿から回り込んでみると、拝殿、幣殿、本殿の本社は御姿岩と一体化して造られているのがよく判る。

神楽殿の格子天井の絵

神楽殿正面の鬼の彫刻

御姿岩と一体化した本社殿

御姿岩と一体化した本社殿の付近で周囲を見ると鉾岩と紅葉、御姿岩の後方にも九折岩を発見! 九折岩は岩がつづら折りに重なっている様子から名前がついたが、社務所で教えて貰うまでは造りだされたものと思っていたが、 自然の造りだした造形だと聞いてビックリした。 望遠でズームアップしてみたが紅葉の中の九折岩もいい感じの映像でした。

鉾岩(ローソク岩)と紅葉 御姿岩の後方にある奇岩 九折岩

奇岩に囲まれた本社殿脇から帰路用の石段があった。 ここを下りてゆくと社務所の処に戻った。 トイレ休憩して帰路はもう一つの道を通ってみることにした。 社務所の後から榛名川に向かって石段を下りていく。 榛名神社の昔の裏門跡が残っている。 その先は県道33号線ができるまでは榛名山への唯一の山道だったという。 ここから3km登ると榛名山までハイキングできるそうです。(関東ふれあいの道)

神門

神社の裏門跡の先に榛名山番所跡が見える
社務所の裏にある石段

関東ふれあいの道

榛名神社の裏門跡から関東ふれあいの道を下って行く。 何処かで参道に合流するはずだから榛名川の紅葉した渓谷を楽しみながら歩く。 参道から見えた紅葉も、渓流の傍から見える紅葉は、また違った景観を楽しませてくれる。 小さな滝にも魚止めの滝と名前が付いていた。








魚止めの滝と紅葉

コンニャクの味噌おでんが売られていたお茶屋の梅の店が参道と関東ふれあいの道の合流点でした。 木漏れ日を浴びた石垣の苔がとても綺麗です。 参道下の渓流の向こう岸の中腹にアーチの形の鞍掛岩がある。 少し分かりにくいが、元々、洞窟だったところが中央奥の岩が落ちて、上部が丸く半円を描くアーチ橋のようになっていた。 その手前には燈籠があり、目印になっている。



燈籠


アーチの形の鞍掛岩

七福神の寿老人を発見!寿老人は長寿の神様で、禊橋のたもとに建っていた。 参拝の時に禊橋を撮影した時に映像の隅っこに映っていたので、あらためて撮影。 そして陽光の位置が変わり、禊橋から見える美しい紅葉や随神門の逆光の映像も撮影。

禊橋

七福神6…寿老人
禊橋から見える美しい紅葉

随神門

随神門を見上げると、またまた紅葉が逆光に映えて、構図を工夫して撮影して私のお気に入りになった。 門の周りをウロウロしていて最後の七福神を発見。 毘沙門天が随神門の横に鎮座している。 毘沙門天は槍を持った凛々しい姿で国家鎮護の神様です。

私のお気に入り

お茶屋
七福神7…毘沙門天

榛名神社鳥居

参道から神社出口に戻ると来た時に比べて半端ない観光客が溢れていた。 おまけに駐車待ちの車両も短い間隔で数珠繋ぎです。 県道まで溢れているようだ。 時間は12時過ぎで、昼食は榛名湖畔に戻ってゆっくり食事したい!

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