■ 日御碕と出雲日御碕灯台 ■
日御碕は島根半島の最西端、稲佐の浜から日御碕へ続く海岸を日御碕と呼ばれている。 海岸線は日本海の海蝕を受けて出来た奇岩や絶壁、そして岩礁が続いて変化に富んだ海岸線で道路も気候の影響を受けて時々崩落等で通行止めになる。 それだけ環境の厳しい地域と云う訳です。
日御碕神社から5分程で日御碕の広い駐車場に到着。 妻と共にカメラを準備して小銭入れだけ持って広い駐車場を通り抜ける。 海岸への入口にお土産店が並んでいる。 時間は13時50分で、この季節の西日に傾いた陽光が眩しいです。


お土産店には日本海の幸が干物にして売られている。 この地の特産品だろうか旨そうな干物を見てるとビールが飲みたくなる。 店内から声が掛かり笑顔を振りまいて商売熱心である。 干物があまりにも安いので驚いた。 午後の時間帯とこの季節ではあまり観光客が見えない。 たまに通る人達は通り過ぎていくだけで日本の景気が悪い状況だと実感する。














日御碕の西側に小さな島がある。 小さな岩礁で柱状節理の形が経巻を重ね合わせた様で経島と呼ばれている。 経島は日本海では数少ないウミネコの繁殖地で国の天然記念物に指定されている。 ウミネコは渡り鳥で2月頃に飛来し、春近くになると産卵し、ヒナを育て夏ごろに暖かい四国や九州方面へ向かう。 島に渡ることは禁止されているが、唯一、日御碕神社の日沈宮が古代に鎮座した地のため、 今でも神社境内として8月7日の神幸祭の時に宮史が渡ることが出来る。






カップルと家族連れが僅か数組いたがあとから団体がやってきた。 また私と同じようにカメラマニアもアチコチにいる。 誰も居ないと思ったら岩場から急に姿を現す。 良い構図を探して移動しては撮影している。

私達も灯台を中心に散策しながら付近を歩いてみます。 灯台の映像を撮るために岩場や松林を気にしながら歩くことになる。 足元の岩場は丸い筒状の岩が縦に並んでいて、尚且つ階段状に低くなり海に向かっている。 岩場を一気に下まで行ったら灯台の頭しか見えなかった。 ここから少しずつ上に登っては構図を確認して撮影を重ねていく。






日御碕の北西端、海抜25mの岸壁に建つ高さ38.8mの日御碕灯台がある。 石造り灯台としては東洋一の規模で、塔上まで階段で登ることが出来る。 足に自信のある方は挑戦して見て下さい! 灯台の燭光は夜間は40km先の海上まで到達する。 灯台の周辺は遊歩道が設置され、散策しながら日御碕の景観を楽しみ、加えて日本海の眺望は見事で水平線の先は何も見ることはない!






散歩と撮影をしながら灯台近くに戻ってきた。 灯台のそばを通り反対側にも遊歩道が整備されているので、灯台は後回しにして向かった。 遊歩道はしっかりと整備され歩きやすいし安心。 撮影するため岩場に向かうと自然そのものの岩礁地帯で油断すると足を挫いたり、悪くすれば大きな事故になりかねない。 西沢渓谷での滑落事故を思い出し、慎重に撮影の構図を決め撮ってゆく。









灯台の反対側に来ると陽光の位置が変わり映像にも変化が出てくる。 何か素晴らしい変化がないか、期待しながら岩場を歩く。 途中、灯台ではない白い建物を発見! よく見ると気象観測の建物のようです。 真下近くで遊歩道は終点になり、その先は日御碕の美しい自然が続いていた。 もう少し行ってみようと進んだが途中で調子に乗るなと妻に叱られた! ごめんなさい!





気象観測の建物

今度は良い映像が無いかと四方八方に気を配りながら遊歩道を戻る。 家族連れやカップルとも擦れ違う。 この先が行き止まりだと聞いたら家族連れはその場で引き返して行った。 上空に鷹か鷲が飛翔し、その姿が優雅な鳥形で見上げると姿が真っ黒に見える。 陽光の位置によって何とか綺麗に撮りたい。 高速シャッターにして望遠のままで飛翔体を追いながらゆっくり移動。 その時撮影できたのがこの映像。 でも私には鷹か鷲か判らない!





灯台入口

遊歩道を灯台に向かって歩いて囲い塀のある灯台の敷地に戻った。 灯台の全景を塀の外側から撮影。 塀に沿って正面入口に移動して説明板を拝見。 説明では、日御碕の突端に建てられ、日本一の塔の高さを誇る石造灯台です。 周辺は大山隠岐国立公園の一部で日本海を望む景勝地です。 また、碕の字がつく唯一の灯台と記してある。

世界の灯台100選、日本の灯台50選にも選ばれた灯台で、歴史的文化価値が高いそうです。 初点灯は1903年と云うから明治の時代に遡り 日本近代化遺産に登録されている。 管理は第八管区海上保安本部とあり、海上保安庁に属している。 近年、海上保安庁はいい仕事をしていると思う。 何故か最近、就職希望者が多く競争率が大分上がったと聞いた。 日本の若者も大したものだと思う。






と云う訳で、灯台の敷地内に入ると出迎えてくれた職員は立派な海上保安庁の制服を着用した人でした。 こんなオヤジにも丁寧に説明してくれた。 内部の説明を受けた後、階段を登ってみようと思ったら、勾配が急でしかも擦れ違う幅が十分でなく昇降には危険が伴いますと説明を受けた。 てっぺん付近ははしご状になっていると云われ断念する。 また、靴を脱いで見学するため滑りやすいと注意された。 子供や高齢者にはお勧めできないと云われ中止した。 私達夫婦も高齢者扱いを受けてしまう時期に来たと実感!


職員から記念撮影のお手伝いをしましょうと言われ、そういえば今日は記念撮影が少なかったので有難くお願いした。 しかし灯台は綺麗に撮れていたが私たちの姿は露出不足で暗かった。 それでも職員の気持ちが嬉しかった。

帰り道で、いか焼き、ソフトクリームなどの飲食店や土産店がある。 帰路のコースで店員がお客を呼び込もうと懸命だった。 季節にもよるが、天日干しのカレイやノドグロなどの干物も売っている。



飼われている犬が気持ちよさそうに砂利の上で昼寝をし、薄目を開けてしっかりとこちらを見ている。 時間は14時半を過ぎた。  今日一日は朝から出雲巡りが続いた。 後半の予定は旧大社駅舎、出雲文化伝承館に見学に向かう。

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