■ 立久恵峡の探勝遊歩道 ■
山陰の耶馬渓と呼ばれる立久恵峡は猿岩、烏帽子岩、屏風岩などの奇岩や石柱が地上約100mの高さに、そそり立つ景勝地で遊歩道が整備されている。 地域的には出雲市乙立町にあり須佐神社に近い処にある。 ここには立久恵温泉もあり渓谷沿いに温泉旅館が建ち並んでいる。
渓谷沿いに三本の吊り橋が架かり、その一つは酔さん橋で、わかあゆの里近くにありキャンプ場もある。 他の二つの吊り橋は浮嵐橋、不老橋と呼ばれ立久恵峡の両側に架かり、対岸を探勝できるように散策路が整備されている。


185号線は立久恵峡だけ道路が川沿いと渓谷道に分かれ一方通行になっている。 この道の最初のパーキングエリアが温泉旅館の露天風呂のある場所で、案内板で立久恵峡の概略を知る事ができる。 赤と緑の所に駐車し見学コースを巡る。

露天風呂入口

女性用露天風呂

男性用露天風呂

屏風岩

最初に駐車したのが案内板の赤丸の所で、目の前に旅館の露天風呂の入口があった。 暫く付近を散策したが、ここは温泉旅館の駐車場の様で撮影だけして移動することにした。 案内地図によると、この先にも駐車場があるので、緑丸の所に向かいます。 それにしても奇岩、石柱が高く聳えていて、その下にある樹木が紅葉する秋には最高の景勝地になり、多くの観光客が訪れるのではないかと思った。



青空で紅葉ならば最高のポジション
赤印の駐車場

立久恵峡の端にある駐車場(緑丸の所)に到着、ここにも温泉旅館がある。 しかし駐車場は一般車にも開放されていると聞き、残りわずかなスペースに駐車。 案内図でここを起点にして不老橋を渡って一回りしながら撮影する。 昨夜からの長距離運転で、乗車してる時間が長いので、暫くの間、足がもつれそう。 烏帽子岩と不老橋が丁度良い景観でここから探勝路をスタートした。 吊り橋は結構揺れて、長い間車に乗っていたので身体が変な感じ!

不老橋から見る景観





烏帽子岩と不老橋

立久恵峡は出雲市の南部、神戸川上流2kmにいたる峡谷で、国の名勝および天然記念物に立久恵の名称で指定されている。 同じ景観でも日差しがあると色彩が上り、いい映像になる。 今の天気は雪は降っていないが曇りがちで時々陽光が射す。 不老橋を渡ると遊歩道が続く。

…亀ヶ渕
淳和天皇の時代(約1140年前)この付近の川辺に夜毎に金光を放って不思議な声がするので村人が恐れ怪しんでいた。 たまたま国内各地を巡り歩いていた高野山の浮窓禅師がその実態を見届けようと川辺にたたずんでいると、 大きな青い亀が一体の如来像を背に乗せ浮かび上がったので、 禅師が「汝いずれの所より来る」と問えば、 亀「これなる如来、東方より来り我に乗らせ給う。十二日間昼夜の別なく声を発し人を待ち給う」と答えた。 禅師は大変感激して恭しく礼拝したのち、この如来像を立久恵峡の天柱峯の岩窟に安置された。 これが亀ヶ渕、亀が岩の由来と伝わる。…(案内板から記載)










食堂があったが営業はしていなかった。 店の中が綺麗に清掃されていたので、営業日は季節的なものかもしれない。 森の広場では目上にろうそく岩や猿岩があるようだが、ここからは視認できない。 2006年に豪雨による水害で、吊り橋やキャンプ場も含めて大きな被害を受けたが、 2011年に吊り橋も含めて復旧し、その時に遊歩道も再整備された。



森の広場






気温は東京と同じくらいですが、風が無いので寒くはなく丁度良い。 猿岩の真下に石像が一人寂しそうに立っている。 神戸川に向いているがせめて説明板ぐらいあってもよいと思う。 ここを通り過ぎると柵のある遊歩道が岩盤に沿って狭くなり、柵に手をかけたら柵が川方向に折れそうな感じだった。










立久恵峡にはアユのほかにいろいろな種類の魚が住んでいる。 もっとも多く見られるのは、この付近で「アカンバエ」と呼ばれるカワムツやオイカワです。 また淵には甲やコイやフナが住みついて、カマツカ(地方名キス)、ドンコ(地方名ボッカ)、 ヨシノボリ(地方名チョロケン)、ウグイ(地方名イダ)なども多く見られる。 魚類以外ではテナガエビやモズクガニ(地方名ケガニ)、スッポンなども見られる。 こんな案内板を読んでいて、その地方独特の呼び名があることに気が付く。 読んで舌を噛みそうな名前が沢山ある。

駐車した処の温泉旅館

対岸には最初に駐車した処の温泉旅館があり、露天風呂も鄙びた感じでよい。 岩壁の遊歩道はさらに狭くなり直立すると岩に頭をぶつかりそうになる。 しばらく行くと道が広がり女人滝と呼ばれる水量は少ないが落差のある滝が見えた。


女人滝






女人滝を望遠で…


遊歩道は、高低は無いが狭くなったり広くなったり変化が激しい。 至る所に岩肌にこびり付いた苔が陽光を浴びて新鮮な緑色を帯びている。 やがて柵が無くなり冷厳な雰囲気のする場所に到着。 この先には五百羅漢があるというから、どんな羅漢像だろうと想像した。 四国遍路で第66番札所の雲辺寺で、五百羅漢について元駒澤大学総長の奈良氏の説明が判りやすく、 ある程度の知識があったので余裕を持って見学できた。














立久恵山霊光寺周辺の岩盤に彫られた五百羅漢像も名物のようで一見の価値があります。 小さいながらもそれぞれが豊かな表情を見れる。 この中のどれかに自分に似た顔があると思うと奥の方から凝視してしまい。 途中で目が疲れて中止した。 「ほの集い」、「わの集い」などが集団でまとまっている。 下の方だけ見ていたら岩壁の上の方にも像があり、少し離れてみると立体的に見える五百羅漢像でした。





立久恵山霊光寺の大きな釈迦如来尊像









「るり光水」と呼ばれる湧水


五百羅漢像を過ぎると立久恵薬師のある霊光寺前に到着した。 案内板にある由来に、創建は約1140年前で戦国時代までは隆盛を極め僧兵まで擁したが、時代の動乱でことごとく焼き討ちされたと記してあった。 大正時代になって地元の人々の尽力で現況まで復興させたという。 境内は清掃が行き届きしっかりと管理されている。 そして本堂の後背には天柱峯が聳えていた。



霊光寺本堂

香炉



岩から湧き出る御神水と書かれてる

鐘楼


道案内に中国自然歩道のプレートが張ってあったから、このルートはその一部とこの境内に来てわかった。 この場所が探勝路の最高地点で、この先は下り坂になっている。 石畳で日照が少ないのか苔が多く慎重に降りてゆく。 下りた地点が浮嵐橋で、ここから橋を渡って戻り、 トイレ休憩や喫煙してのんびりしていたら汗をかいたのか妻が寒くなってきたというので再出発。






橋のそばに澄田島根県知事の詠んだ歌
「青々とつづく山あり鮎の里」


浮嵐橋

浮嵐橋から再度神戸川の景観を撮影した。 ここは不老橋より結構揺れがひどく、撮影するのに揺れがなかなか収まらなくて苦労した。 ここからは対岸の立久恵峡を真下から傍観できるので楽しみです。 ただ妻が寒がっているため足早に歩いた。







浮嵐橋


国道185号線側の遊歩道からは立久恵峡の奇岩を望むことが出来るが陽光が無いと、折角の素晴らしい景観も今一です。 それでも足跡だけは残したく景観を探しながらシャッターを押す。










この付近の野鳥は代表的なものとしてオオルリ、サンコウチョウ、イカルなどがいるが、 春の繁殖期になればよく見ることができるが、この時期はあまり見られない。 キツツキの仲間でコゲラやアオゲラがいるが、枯れ木などにあけた丸い穴も見ることができるという。 峡谷は変化に富んだ地形や豊富な植生のため、この地域では野鳥の数や種類が多い貴重な処です。 …案内板から記載









陽光でいい感じの奇岩


立久恵峡の奇岩、石柱を全体的に眺めるとこんな感じです。 この場所に来て初めて全体を見渡せる事ができた。 青空が一部に広がり、天候は曇りだが晴れたり曇ったりして忙しい! こちら側は国道184号線が走っている。その上に展望台があるというが天気が良ければそこも撮影スポットになるだろう。 再訪する時の情報もしっかり確保する。









烏帽子岩と不老橋

立久恵峡には数件の小規模な温泉旅館が点在するが、どこも鄙びた感じで、静かに休みたい時などは丁度良い。 適度な運動もできるし温泉も楽しんでリフレッシュするには場所もいい! 冬は季節感があまり楽しめないからおすすめはできない。 初めての山陰の旅で、本来はもっと積雪があり雪景色の景観を撮影したかったが、地元の人に聞いたら平地はそれほど積雪が無いという。

それぞれが一方通行の道路




現在14時30分を過ぎて今日は早めにホテルに行きたい! 昨日は夜行で東京から広島まで走り、そして朝から瀬戸内から山陰の出雲まで走りっぱなしの状態です。 身体が疲れていない訳がない! 妻は先に車に戻ると行ってしまった。 遅れて駐車場に戻ると妻は車内を整理していた。

荷物を片付けて今晩宿泊するホテルのナビを設定する。 およそ10kmの走行だが走り始めてみると擦れ違いのできない山道が続く。 そこで遠回りだが184号線で回り込むコースに変更した。 その距離は20km程でスムースに走れ、30分程で到着。


ホテル サンヌーベ

ホテルはJR西出雲駅前です。 JR西出雲駅や列車、真っ赤な夕日を撮影したかったがその気力は無かった。 到着した時は雪が舞いうっすらと白くなったが部屋に入って暫くすると真っ赤な夕日が見られた。 これが山陰の天気か…

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