■ 白山スーパー林道 (石川側) ■
三方岩隧道を走ると途中から石川県の表示がある。 通り過ぎて間もなくナビが石川県に入ったことを知らせてくれた。 隧道を出てすぐ駐車スペースがあり、ここに停めて石川県側の景色に見入った。 青空が澄んで最高の天気になったと妻が喜んだが、すぐ撮影の準備に入る。 トンネルからゴォーという音が響いてくる。 何処かで聞いた音だ! そうだ、四国自転車遍路してトンネル内を走っている時に聞こえた音です。 懐かしさも感じたが、入口から車が飛び出してきた。


トンネル出口付近の光景は素晴らしく撮影を重ねてゆく。 白山連峰が遠望できズームをいっぱいにして撮影。 徐々に紅葉が始まっている。 あと2週間もすれば山全体が紅葉に覆われるのではないか! 日本海の天候がこの白山連峰で遮られ、さらに北アルプスで遮られて北陸地方の天候が左右されている。 自然の恵みもあれば、厳しい自然環境もあるから、春夏秋冬で景観が彩られる。 だから日本の旅は何回訪れても新しい発見がある。

三方岩隧道



隧道出口の景観

ここから石川県











白山展望台から見る白山三山

白山展望台を出発

隧道を通過し石川県に入り白山連山を下って走る。 山の裾を道が曲がりながら時としてトンネルで通過して栂の木台駐車場で小休憩。 白山展望台では白山の主峰三山(剣が峰2677m、御前が峰2702m、大汝峰2684m)と地獄谷がよく見える所です。 ここでも小休憩して撮影を重ねていく。






駐車場が無い所でも景観が良ければ車に注意して路肩の広い所に停車する。 高度がだんだん下がるが峡谷の深い所では遠方の景観がよく見える。 何だかんだで少し走っては停車し、その繰り返しでスーパー林道を味わいながら走っているようだ。 全長が33kmしかないから、車の勢いで走れば1時間もかからない。 一つひとつのカーブが白山連峰の峰を這うように走っているから次回の訪問には十分に役に立つはずだ。






山々には樹齢250年を超えるブナの原生林が広がっている。 白山国立公園といわれる所以でもある。 ブナは母なる森とか緑のダムと云われるように環境の良い所の代名詞でもある。 そのブナの原生林が積雪時から春の芽吹き、緑から紅葉への変化を楽しませてくれる。 波打つ絨毯のような景観が気持ちをリフレッシュしてくれる。 日常の生活から少し離れて五感をフルに活動させて心身ともにリラックスしています。






国見展望台付近は傾斜のある大きなヘアピンカーブがある。 ここでの景観も今まで見てきた景観が劇的に変化した。 この付近は標高が1100mで白山連峰が道路から見える所です。 ここから暫く下って行くと再び大きなヘアピンカーブになる。 このカーブ付近の標高900mに瓢箪(ふくべ)大滝がある。 白山スーパー林道の中で一番高い所にあり、名所のひとつです。






ヘアピンカーブの内側に駐車場があり、外側にふくべ大滝がある。 観望台の高台に登ると大滝の全体が見渡せる。 落差は86mあり、この峡谷、蛇谷随一の大滝を見ることができた。 水が断崖の裂け目から断崖壁を伝わって白い筋状の落下をしむき出しの岩に衝突している。 水量が少ないが別の季節では地響きわたる豪快な状況もあるそうです。 その時は水煙が観望台まで到達しマイナスイオンを浴びることができる。 大滝だけでなくこの周囲を蛇谷金襴銀欄壁というほど大自然の造形を堪能できます。 案内によるとこの大滝の上にもう一つの滝があり2段の大滝だそうです。 その為、瓢箪の様に見えるので「ふくべ」の名称になったそうです。








下方から見上げる蛇谷金襴銀欄壁




瓢箪の奇形岩は標高850mにあり蛇谷川の分岐点にある。 瓢箪谷に面するこの岩盤は中腹に帯状の断層が剥き出ている。 一見脆そうな岩質で奇岩を構成していました。 その先には深い峡谷を覗くことができます。 トンネルの手前から真下を覗くとはるか下に渓流の流れを見ることができる。 あまりの絶壁の高さに鳥肌の立つ思いがする。 この付近はV字地形が続き、原生的な蛇谷川の景観と対岸のブナの原生林が深山の雰囲気を堪能できる。



瓢箪の奇形岩


V字地形の蛇谷川を囲む谷壁に雨どいのような浅いU字溝が見える。 アバランチシュートと呼ばれる谷の横断面で蛇谷川の特徴だそうです。 アバランチとは雪崩の意味でシュートは溝の意味です。 急峻な谷崖で雪崩が繰り返され、植物を破壊して脆い岩盤を削り取った跡です。 このような地形は豪雪地帯の日本海側の山々に多く見られるそうです。 アバランチシュートの尾根には針葉樹が植生し原生林の雰囲気が感じられる。

アバランチシュートの亀裂

2号トンネルを抜けて暫く走ると姥が滝の看板がある。  その看板には日本の滝100選に選定され、親谷滝と呼ばれていたが、滝の畔に仙女の庵があり、 何度も白髪を櫛で梳いていた姿に見えたので、現在の姥が滝と呼ばれるようになったという。  下の展望台から岩肌に沿って流れ落ちる幾つもの筋状の流れを老婆の白髪に見えるといわれる。

姥が滝を堪能







道路から見える場所から少し下ると蛇谷園地への入口があり駐車場になっている。 駐車場からV字の峡谷に下りて行けるルートがある。 ブナやミズナラの天然林や蛇谷川の清流を眺めながら姥が滝と親谷の湯まで遊歩道が整備されている。 洪水で度々流されて現在は親谷の湯は閉鎖されているという。 遊歩道を散策して渓流沿いに姥が滝まで行けると書いてあったが、下りが15分、上りが20分とあり、私達の状況では遠慮した。 姥が滝の水量がこの時期は少なくカメラ道具持参で撮影するほどでもないことを道路上から判断した。 多くの車が止まっていたが、下に降りる人が居なかった。





蛇谷園地への入口

その代り周囲の景観が素晴らしいので撮影に没頭。 また姥が滝の水量が多い時の写真が大きく貼ってあった。 その写真では下から見た姥が滝の全景が滝面の岩壁に広がる壮大な光景だった。

かもしか滝は標高730mほどあり、カモシカの生息密度が日本一と云われる地域で、かもしか滝と名付けられた。 昔、修験者が多かった頃は滝の流れが飛び跳ねているように見えたことで五色の滝とも呼ばれたという。 滝の名称はその地の特徴で名付けられることが多いと思う。








かもしか滝

かもしか滝の先に、この峡谷に似合わない大きな橋が遠望できる。 蛇谷大橋と云われ蛇谷川の清流の眺めが左右とも素晴らしいです。 橋を渡った路肩に車を止めて橋まで戻り、景観を堪能しました。 橋の高さが45m、長さが70mあり、大自然の中で非常に目立っていた。 この付近の岩石は柱状節理が多く見られた。 橋の中央からは道路端から見る眺めと違って峡谷の深さが実感でき、その美しさを堪能できます。



柱状節理の岩壁

蛇谷大橋

この付近は蛇谷峡谷が大きく広がりを見せてくれる処で、白山の火山活動の歴史を垣間見ることができる。 そして最深部に流れる蛇谷川の流域もよく視認できます。 この時期は滝も川も水量が少ないのが残念です。 次の訪問機会のためにもよく知っておきたいと思う。

しりたか滝の上部

蛇谷大橋
深い峡谷

しりたか滝は標高690mにあり、大分高度が下がってきた。 しりたか山があり、そこを源流として蛇谷の中で1番だという。 山水のような白糸のような落ちる水が岩肌を濡らすように伝わり岩壁が非常に美しく感じる。 この滝は水量によって表現の違いがあるようだ! この滝は3段に分かれて水量と見る角度で大分違う!





しりたか滝
柱状節理の岸壁

しりたか滝を過ぎるとどんどん高度が下がり道路の曲折も少なくなった。 やがて中宮料金ゲートまで到着して一休みする。 一服する時間に周りを見渡すと自然保護センター中宮展示館があった。 ここは次の機会にしようとメモしておく。 次の目的地は手取川に沿って九頭竜湖へ向かいます。 その為、スーパー林道の概略を把握すれば今回の旅は目的を達成できる。

自然保護センター中宮展示館は白山国立公園の自然保護を目的に設立され白山麓の歴史を知ることができるようです。 また遊歩道が整備されて日本カモシカの生態を見ることができます。

中宮料金ゲート

道の駅瀬女


次の目的地までの中継点が道の駅瀬女です。 時間が11時になり、昼食する所をここに決めていました。 現地到着して思ったのは駐車場があまりにも広いことでした。 また案内所や物産館は規模は小さいが綺麗な建物でした。

トイレ休憩して物産館へ向かい北陸地方の特産物やお土産品を定品めします。 今回はお土産をいくつか必要としているので妻が取り仕切って品定めしています。

昼食は自宅から持参したお握りと惣菜です。 初日の食事は必ず妻に作って貰います。 これ、私の旅のパターン。 1時間ばかり道の駅瀬女で休憩をとった。 情報館で手取川に沿って九頭竜湖までの観光案内を聞いて出発した。

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