■ 下田街道を浄蓮の滝から旧天城隧道、河津七滝へ ■

旅の始まりは、前日の夜半からスタートするのが常だったが、最近は当日に出発することが多くなった。 何だかんだで準備をして午前4時に自宅を出発。 自宅から比較的空いている環八を走り、30分で東京ICに到着して東名道に入る。 空いていたが運転中に眠くなり駒門PAで1時間ほど仮眠した。 再出発して沼津ICから下田街道に向かうが、伊豆縦貫道ができて一般道はそれほど混雑は見られない。


下田街道を南下し浄蓮の滝駐車場に7時ごろ到着。 滝への通路は渓谷をつづら折りに下りた所にあり、今回の訪問では入口付近の林が伐採され、遊歩道の入口から滝の姿を鑑賞できるようになっていた。 これは嬉しいニュースで足腰の弱い高齢者には嬉しい。 妻にはハイキング用のステッキを渡してスタート。 伊豆の観光案内所やお土産店が並び、滝付近には沢に沿ってマス釣りが楽しめる。

入口から滝全体が… 浄蓮の滝不動尊 「天城越え」の歌詞碑

浄蓮の滝は日本の滝百選の一つで天城山の山麓を流れる本谷川にある。 半島全体が火山帯にあり噴火した時の玄武岩溶岩流で滝が形成された。 落差は25mの水量が豊富な直爆の滝です。 滝付近の岩盤には柱状節理を見れる。 この地に浄蓮寺というお寺があり浄蓮の滝と名付けられた。 遊歩道の途中に浄蓮寺の不動尊が移されていた。

7時過ぎだから観光客も少なく、お土産店もオープンしてないから静かです。 数組の観光客に出会ったが、じっくりと撮影できた。 駐車場に戻ったら7時半過ぎで少しずつ観光客が増えてきた。 お店もオープン準備中。 ここから天城峠を目指して再スタート。


■ 旧天城隧道に立ち寄り ■
国道414号線を天城峠に向かう。 トンネルを通過して暫く下っていくと旧道への標識を見つけた。 砂利道、狭い道幅、さらに凸凹の道を走る。
川端康成の伊豆の踊子や松本清張の天城越えの小説で有名なトンネルは明治37年に完成した。 トンネルの長さは450mで、入口から内部も含めてアーチ状に、すべて切り石で造られ日本に現存する最長のトンネルです。 トンネルの照明は当時はガス灯が使われ、それを模したデザインになっている。
隧道は国重文に格上げされ、日本の道100選に選ばれている。 トンネル正面に佇むとトンネルの出口の明かりが中央にポッンと見えた。

内部から切り石が… 一直線の隧道

さぁ!車が混雑しないうちに旧道を脱出。 国道414号線に出た時は正直ホッとした。 ここから天城峠を一路、河津温泉郷と河津七滝に向かう。

ループ橋は河津町内にあり全長1qほどあり、 高さが45mで直径80mの円周が二重にループして橋脚が6基ある。 昔の国道は天城峠からつづら折りに通っていたが1978年の伊豆大島近海地震で山腹の道路が損壊。 利便性があったことで地震の教訓を生かして新しい工法のループ橋が生まれた。

ループ橋河津温泉郷

温泉郷の道を最奥に向かうと町営の駐車場がある。 時間は8時20分、出発時に観光案内のボランティアの人がパンフレットをくれた。 河津七滝とは河津温泉郷の上流に向かって1.5qの間にある7つの滝の総称です。 大滝は温泉旅館の私有地にあり、宿泊客だけが露天風呂から見る事が出来る。

■ 河津七滝巡り ■
道路に戻りお土産店の開店準備をしていた御主人に散策路を教えてもらう。 大滝から出合滝、かに滝、初景滝、蛇滝、えび滝、釜滝と七つの滝が河津川の上流にある。

青空に映えた河津桜

出合滝の案内


最初の出合滝の入口は駐車場から2分ほど、階段を下りて渓流の音が聞こえてきた。 下流に暫く歩くと落差2mほどの小さな滝を見つけた。 その対岸からもう一つの清流が、ここで出合って一筋の渓流になる。 滝の名を出合滝と名付けた理由に納得する。 流れ込む水の青さが日陰の中で印象に残った。 その先には七滝最大30mの落差の大滝に続く。 大滝上部の流れが印象的に残った。

もう一つの清流

大滝の上流部

出合滝



橋の下流
七滝の案内板や橋がありハイキングの気分だ。 川の清流を見ているだけで、心が穏やかになり気持ちが落ち着く。 川の欄干に伊豆の踊子像が、その横には七滝の全体図の案内がある。
伊豆の踊子像




清流を眺めながら進むと川そばに奇妙な石を見つけた。 大岩成就、願い石、3個100円と記された石が置いてある。 3個の小石を手に、岩に手を合わせ願い事を心で唱えながら、3回小石を投げ1個でも岩の上に載せる事が出来れば願い事がかなう。 これを大願成就にかけ、大岩上受と伝わっている。





…初景滝
大願成就の場所から上流に暫く歩くと初景滝が現れる。 落差約10mで、滝前に踊り子のブロンズ像がある。 伊豆の踊子の叙情を醸しだしている初景滝は温泉郷の滝祭りの会場でもあり記念撮影ポイントです。 そばに七滝七福神のプレートがあったので撮影。 祭りの会場になるだけあってこの付近は広いエリアです。



初景滝と踊り子のブロンズ像

河津七滝七福神

初景滝

初景滝から先に進むには広場の端に新しくできた遊歩道がある。 この遊歩道に隠れるように古い遊歩道があり、こちらは台風被害で損壊している。 新しい遊歩道は階段がつづら折りに上に向かう。 渓谷のように山中に入った感じになった。 渓谷の下を河津川が流れ、遊歩道は平坦で舗装してある。 次の滝は蛇滝というからどんな感じか楽しみだ。 川の流れが近づき、岩の段差を流れる音がよく聞こえる。 最後の滝まで距離感が掴めないからどこまで歩くのか…。

新遊歩道



…蛇滝
落差3m、幅2mほどの小さな滝です。 下流方向から見ると少し落胆したが、その理由を知り納得する。 川の両岸は玄武岩がむき出しになって上から見るとその模様が蛇の鱗のように見える。 この時はがっかりしたまま先に進んだが、帰りに見るとその理由がわかったという次第です。

蛇滝の先に進むと新しい河津踊り子滝見橋が現れる。 この鉄橋も台風被害の後に造られた。 また河津踊り子滝見橋の形が上るときには気が付かなかったが、帰りに上から見ると、丁度スキーのジャンプ台にそっくりでユニークなイメージを持った。

蛇滝河津踊り子滝見橋

河津踊り子滝見橋の先にえび滝の案内板がある。 このえび滝、見たところ何も変哲のない川の急流というイメージだが、見る場所でえび滝になるという。 案内板の先に小さな鉄橋があり、この端から見ると海老の尾ひれに似ていた。 落差5m、幅3mほどだが峡谷の急な流れを真近で眺めることができる。









えび滝

えび滝の先は遊歩道が極端に狭くなり鉄の階段が岩肌を這っている。 階段を上った所に釜滝の案内板があった。 また登山道の様相になり、右手は通行止めになって、釜滝への道は時計回りに周回するように回り込む。 岩壁の切通しのような形で上りが続き、丁度登り切った所から視界が開けて対岸に大きな滝が見えてきた。 滝前の大岩によって滝壺が隠されている。 落差22m、幅2mの釜滝は覆いかぶさるような玄武岩の上から雄大に流れ落ち迫力満点です。 天城山麓の奥の峡谷美を堪能できる。



釜滝で行き止まりで15分ほどで帰路に、往路では目線が上を向いていたが、帰路は下方を見ながら歩く。 うねった鉄橋も上方から見るとジャンプ台の様です。 蛇滝は上から見て玄武岩の岩が蛇の鱗に極似している。

スキージャンプ台のような河津踊り子滝見橋

上方から見る蛇滝


途中、観光客や団体との擦れ違いが多くなった。 時間が午前9時半を回り遊歩道も賑やかです。 川岸にある「みつまた」に花が咲いて撮影。 最後の滝はかに滝です。 遊歩道の入口のお土産店のそばにあり、漠然と歩いていると見逃してしまう。 案内板を見つけて川辺に降りた。 かに滝は落差2m、幅1mと小さな滝で玄武岩を流れ落ちる白い流れが美しく撮影できた。

みつまたの花かに滝

お土産店はオープンして店の主人を見つけた。 遊歩道の案内をして貰ったのでジュースを購入。 町営の駐車場に戻る途中で、お年寄りの説明ボランティアが打ち合わせをしていた。

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