■ 武蔵野サイクリングロード ■

新しい旅の友、ロードバイクで日帰りのサイクリングを楽しみに東京のサイクリングコースを走った。 WEBで距離を試算すると、自宅からサイクリングコースの入口の武蔵野市関町5丁目の交差点まで約10q。 そして武蔵野サイクリングロードの終点の多摩湖畔までが約10q。 片道約20q、往復約40qと見積もる。


自宅を朝8時半過ぎに出発し都立光が丘公園に向かう。 ここから住宅街を通って目白通りと笹目通りの交差点、谷原交差点を通り、富士街道を一直線に走行。 西武池袋線、西武新宿線を通過し、新青梅街道を抜けて五日市街道と井の頭通りが交差する武蔵野市関町5丁目交差点に到着したのが9時過ぎでした。

サイクリング道の正式名称は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線です。 ここに武蔵野サイクリング道路の起点がある。 この道路は多摩湖自転車道とも呼ばれ、地元の人々の憩いの場として、また生活道として賑やかです。 また休日は歩行者も多く、道幅や車止めと合わせて道幅が狭く歩行者も利用するため、スポーツ自転車での高速走行は薦められない。

西東京市から東大和市を直線に貫く水道導水路があり、その上にサイクリング道がある。 首都圏の水がめの一つ、多摩湖(村山貯水池)の周囲を回る道と合わせて多摩湖自転車道とも呼ばれている。 今回は多摩湖の周囲は走らないから、便宜上、武蔵野サイクリング道と統一してWEB作成した。

入口からすぐ撮影

所々に休憩ポイント


秋の予感

サイクリング道の入口は石畳と植木の手入れで工事車両が入り通りにくかった。 自転車を引っ張ってサイクリング道に入ります。 さぁ!ここからスタートします。と云ってもスポーツ車に似合わない超のんびり走行です。 サイクリング道の景観を撮影しながら、隠れスポットも探してみる。 基本的に遊歩道と自転車道が分離していて散歩の人は遊歩道を! ジョギングと自転車は自転車道を走っている。 この地にある暗黙のルールのようなもの。

東京にもこのような景色が…

振り返って撮影
同じ場所で前後を撮影

この先を撮影

頻繁に市街地道路と交差する。そこでは車止めがあり、市街地道路も止まれの一時停止表示がある。 観察していると、車両は一時停止して安全確認をしていた。(夜間は判らない!)サイクリング道からも車止めがあるからほぼ一時停止している。 中には無謀な自転車や歩行者もいるが、ほとんどがルールを守っていた!

黄色はよく見かけるが赤は珍しい!



こんな風景の窓も心が癒される

サイクリング道から見える景色は住宅街、マンション、会社ビル、畑や緑地が見えるのんびりとした市街地です。 時として濃密な樹木に覆われた感じの緑多い緑地が現れる。ここが都心に近いことを忘れさせてくれる。 合間に農地の畑や苗木の植木を発見すると別世界に入り込んだ気持ちになる。 子供の頃の風景を思い出す瞬間です。 3つに別れた道は、以前訪問した江戸東京たてもの園への分岐点です。 ここ先、旗のある所を左折すると江戸東京たてもの園に行ける。 この先は初めての道です。

三叉路

幼い子供の遊び場

花小金井駅

西武新宿線の花小金井駅前を通過する。 樹木茂るサイクリング道からいきなり綺麗な駅舎が見えた。 駅舎前のロータリー広場は広く綺麗です。 ロータリー広場の道路と交差する所はここも両者、一時停止です。 ただ賑やかな市街地を通過するため多くの一般道を貫いているため、100mにも満たない間隔で車止めがあり、ライダーには走りにくいかも知れない。 『降りて渡ろう』と記した案内板もある。 駅を通過するとすぐ左手に農地が現れる。こんな景色を見ながらのんびりと走る。

駅前ロータリーで一度途切れる道

振り返って撮影


花小金井駅から自転車道は西武線に沿うようになり、小平ふるさと村がある。 ここで一休憩を兼ねて園内を見学。 自転車道の側道が広くなり自転車が駐輪してある。正面に古い丸型のポストがあり園の入口左手に郵便局舎があった。 ふるさと村の案内板の映像が汚かったので、パンフレットをスキャナーした。 郵便局舎は市の文化財で中をのぞくとカウンターには金網の仕切りがあった。

…旧小平小川郵便局舎メモ
この建物は明治41年(1909)に建築され、当時としては郵便業務を行うために新築された。 従来は住宅の一部を改造する例が多く珍しい建物です。 その後、大正10年には電話交換業務も始まり、一部が電話交換室になった。 この局舎は当時の大正末期頃の形に復元してある。

小平ふるさと村の入口

市の文化財
小平ふるさと村の園内案内

郵便局の中をのぞいてみた

■ 小平ふるさと村メモ
開園時間   10時〜16時 (休園日 月曜、第3火曜、※祝日の場合は翌日)
入園料   無料    電話 042-345-8155

小平近在の農家を移築復元した家屋があり、見学して一息つくのに丁度良いです。
郵便局舎の横に回ると一般家庭の家屋の造りが見れる。 さらに隣に昔の消防道具のある建物があった。 誰もいないので、通路の反対側に向かうとふるさと村の管理棟兼この地の特産品が販売されている。 サイクリングのホームページを作成する中で『小平ふるさと村』を紹介したいのでパンフレットを欲しいと声かけると係員が資料を揃えてくれた。 したがって、ここに紹介する内容はその資料を基に制作しています。

郵便局舎の奥は民家と同じ

古民家を利用した管理事務所
消防小屋には昭和3年製の手動ポンプ車

奥に進んで右に曲がる

管理事務所の裏手に回ると広場になっていて、管理事務所の軒には草鞋や稲束、古い脱穀機、懐かしい昭和の玩具などを見る事ができる。 その横にはつるべ井戸があり、農家の風景を拝見できる。 離れた所に旧鈴木家住宅穀櫃(こくびつ)が移築されている。

…旧鈴木家住宅穀櫃メモ
この穀櫃は、当初、花小金井の秋山家にあったものを大沼町の鈴木家が譲り受けた。 大地主の秋山家が明治維新の政争に備えて建てたものと考えられ、江戸時代後期に造られた稗倉の形式を伝えるとある。 要するに非常時の備蓄用の倉庫と考えればわかりやすい。



管理事務所
旧鈴木家住宅穀櫃

つるべ井戸

反対側には高垣に囲まれて旧神山家住宅主屋が移築されている。 付属の建物として水屋(入口にマットが敷かれていたので入ろうとしたが閉まっていた。)外トイレも復元してある。 高垣に囲まれて屋敷全体が撮れないが玄関口から撮影してみた。 なかなか大きな屋敷のようです。

当時の外トイレ

水屋裏には秋の予感!
水屋

旧神山家住宅主屋

…旧神山家住宅主屋
この建物は茅葺入母屋造りで、江戸時代後期と推定される時期に、小金井から廻り田新田に移築された。 その際、間取りが広間型から喰い違い四つ間型に変更された。 従って、江戸時代中期の武蔵野新田農家の特徴を持つ。 また、後期にかけての移り変わりがわかる建物です。(資料から抜粋)

軒下にはこの地の特産の富有柿が干してある。 奥座敷は畳だが居間の部分は板敷きです。 座敷を囲む廊下はなく障子と板戸のようです。 入口から左手に住居部分であり、右手にはうまやがあり各種道具がある。 中央奥に勝手と台所があり、かまど付近は土間になっている。 天井が無いので中に入ると広く感じた。

富有柿の干し柿

住居の部分

中央は土間
座敷の外観

うまやの部分

囲炉裏のある勝手

勝手口から屋敷を出ると、裏手に小川をイメージし水車小屋が見える。 小橋を渡り竹垣に沿って水路を進むと茅葺きの家屋が見える。 竹林、たい肥床、コエダメを過ぎると、小川村が開拓された当時の復元住居を見る事ができる。 当時の小川家文書から推定して約300年前の復元住居と云う事だ。



約300年前の復元住居


約300年前の復元住居

家屋に近づくとやたらに煙の臭いがしてきた。 建物は木造平屋建て、茅葺寄棟造りで珍しい茅壁です。 入口と外観の撮影をして中に入ると係員が囲炉裏で薪を燃やしていた。 話を聞くと、復元住居のため内部の茅葺きの保護のため燻しているとのこと。 何枚か撮影したが煙でうまく撮影できなかった。 細い竹を編んだ床(竹簀子床)に籾殻や藁屑を敷き、その上にむしろを敷く床などは江戸初期の農家としては一般的だったとある。

外に出て次に向かう所で振り返ると、そこそこの映像が撮れた。 鶏や犬がいて、むしろに穀物が干してあれば田舎に帰ってきた感じの景色です。

珍しい茅壁

勝手部分
茅葺きの内側

生活感があれば田舎に帰ってきた感じ!

復元住居を出ると、水路横に水車小屋がある。 小川村が拓けると水車の需要が増え、長い間、この地に恵みをもたらした。 小川村は平地のため水車の出力を出すためいろいろな工夫が生まれた。 この水車はこの地で動き続けた水車を再現したものです。

水流の落差に工夫 関東特有の水車軸に、樫材を巻板として使用

林の小道を進むと、大きな屋敷の玄関がある。 大きい玄関に続く屋敷が見えないので一瞬、違和感を感じた。 靴を脱いで中に入ると二間で途切れている。 入口の資料を見てその理由がわかった。

…旧小川家住宅玄関棟メモ
この建物は旧小川村及び小川新田村の中心的な名主の小川家に代々継承されてきた建物です。 創建時の棟札により文化2年(1805年)に建築され、明治24年に改修されたそうです。 この表玄関から奥に廊下が続き大構えの屋敷が続いていたとあり、幾棟もの建物が廊下で繋がった大屋敷だったという。 単に玄関の間と控えの間しか無いが、江戸時代後期の小川家の実力を示す大玄関と云える。

茅葺入母屋造りの玄関

玄関の間から控えの間を撮影
玄関の間に上がるまで3段も上がる

玄関棟から次に進む

旧小川家玄関棟から出てすぐ右に曲がる小道を見つけた。 そこに馬頭観音の石碑がある。 これも旧小川村のどこかにあったこの地の石碑だろう。 その先に石組の水路があり渡ると広い庭に出る。 案内に『かきの木公園』とあり一休みできる処です。足の疲労感もあり丁度良かった。






一段と目立つ大きな柿の木には手の届かない所だけ残してある富有柿があり、この樹に案内があり、よく見ると、姉妹都市交流の樹(富有柿)とある。 そして、小平町、小平市と記してある。同じ文字で姉妹都市提携か! でも呼び名がちょっと違った。 小平町は『おびらちょう』と読むようだ!何と、北海道の留萌郡とあり驚いた。

富有柿

下は収穫して上だけ残してある
かきの木公園

出口に向かう!

30分ほどの休憩を兼ねて小平ふるさと村を見学した。 サイクリングして良い所を見つけた。 買ったばかりに自転車が心配だった。 ワンタッチで分解できるからロングワイヤーで絡ませ、支柱にもロックしておいた。 愛車は大事に、大事に長く使いたいと思う。 さて、サイクリングに戻ろう!

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