■ 古都鎌倉の歴史散歩 ■
鎌倉の紀行は3回目になります。 地域的には狭いが訪れてみたい所は数多くありコースの決め方ではいつも思慮してしまう。 今回は鎌倉五山巡りの一環です。
JR池袋から湘南新宿ラインの電車に乗車。 東北線から乗り入れているから座席は満席だったが新宿駅で車内が一気に空いてすぐ座れた。 鎌倉駅に到着したのが9時頃です。 駅ビル内に鎌倉市観光案内所があり、お散歩マップを貰い駅舎を出た。 さぁ!今日も歩くぞぉ!


■ 鎌倉駅から段葛を通り、三の鳥居前を右折して宝戒寺へ ■
まずはWEBで調べた宝戒寺に向かうが駅前の撮影をして様子を観察。 駅舎から出た人々はバスや徒歩で移動して暫くすると駅前は閑散としてきた。 まだ9時過ぎだから観光客が少ない。 ただハイキングする服装の人が目立った。 若宮大路はスクランブル交差点で、撮影だけして二の鳥居に向かう。 中央の段葛は桜並木だが、この時期は落ち葉で秋を感じさせてくれる。 鎌倉銘菓 鳩サブレーの建物はいやに目立った。

鎌倉駅ターミナル

段葛
二の鳥居から始まる段葛

鳩サブレービル

段葛には人通りが少なく、桜も葉が少ないから若宮大路の店舗が良く見える。 鎌倉鶴ヶ丘会館が目についた。 入口を見ると人力車が待機している。 出入口をのぞくと花嫁衣装が目につき、もしかしたら人力車で八幡宮の式場に向かうかも! シャッターチャンスを待っていると、やがて花嫁衣装の姿が陽光を浴びて白い衣装が鮮明になった。 桜並木の間からその様子を撮影。今日は良い事がありそうだ!






三の鳥居前の交差点に到着。 普通ならこのまま八幡宮に向かうが今日はこの交差点で右折する。 鎌倉から金沢八景に抜ける金沢街道が最初のコースで、どこに抜けるにも必ず切り通しがある。 県道204号線に沿う形で滑川が流れ、町の風情を楽しみながら寺々を尋ねてみる。

八幡宮から近く、金沢街道を歩き始めて最初の突当りに宝戒寺の門がある。 車が来ない時に交差点中央から撮影。 石畳の両側の木々が幾分秋の気配を感じさせてくれ奥に進むと門柱があった。山門復興、志納参拝の立札があり入場料100円を支払う。 正面に本堂があり、右手に聖徳太子堂、徳崇大権現堂が鎮座している。

三の鳥居前

金沢街道


宝戒寺前

■ 宝戒寺の歴史
金龍山円頓宝戒寺は天台宗で1335年(建武2年)に建立され、開山は五代国師で、開基は後醍醐天皇、本尊は地蔵菩薩です。 新田義貞の鎌倉攻めにより、この寺の南東にある「腹切りやぐら」で、最後の執権、北条高時をはじめ北条一族870余名が自害したと伝わる。 滅亡した北条氏の霊を弔うため、後醍醐天皇が足利尊氏に命じ、北条氏の屋敷があったとされるこの地に寺を建立させた。 境内には四季を通じて花が咲き、9月には白いハギで埋め尽くされる「萩の寺」として知られている。

本堂前に着くと右手に大聖歓喜天堂が鎮座し、本堂全景を横から撮影。 後に本殿があり一体した造りです。 境内をぐる〜っと一回りする。 その横に梵鐘があり木々に遮られて良い構図が撮れない。 最後に萩の大樹を撮影。 お寺の人から、8、9月には良い映像が撮れるといわれた。

宝戒寺門

本堂

大聖歓喜天堂

梵鐘
聖徳太子堂

徳崇大権現堂

本堂

萩の大樹

宝戒寺から金沢街道を進み、滑川に沿って脇道に入る。 大御堂橋を渡り、釈迦堂口切通に向かうと通行禁止だった。 大御堂橋で幼児と母親が滑川を覗いて何かを投げ入れている。 近寄ると滑川に住む錦鯉が泳いでいる。 『キャー、キャー』喜びながら幼児のはしゃぐ姿が微笑ましかった。 所々に案内の指標があり距離まで記してあるので嬉しい限りだ。散歩ものんびりできる。

金沢街道

錦鯉

小路
大御堂橋

滑川

嬉しい案内板

釈迦堂切通の路地に小路の案内があった。 小路の名称は「田楽辻子のみち」とあり、車は少なく観光客やこの地の人との擦れ違いがある。 田楽辻子のみちは鎌倉時代から続くそうで、釈迦堂前に田楽師が住んでいたのが由来。 吾妻鑑などの田楽にまつわる記録で筋替橋から釈迦堂を通り六浦間での小路をいうらしい。 また、上杉邸址の石碑があった。 さらに進むと小路は細くなり林に囲まれるようになる。

上杉邸址の石碑

田楽辻子のみち


観光案内地図では田楽辻子のみちは報国寺前に出る! 散策マップには「竹の寺 報国寺」とあり、竹林の撮影が楽しみになった。 陽光も降り注ぎ木漏れ日が美しい!

■ 鎌倉雑学…鎌倉幕府はどこにあったか? ■

幕府があった場所は3ヶ所あり、実は引っ越ししていた時期がありました。 1180年から45年間は、鎌倉八幡宮の東側に置かれていた。 1225年から11年間は雪ノ下カトリック教会付近一帯に移動しました。 その後、1236年から97年間はその北側に移動し、計2回引っ越ししたという。 幕府初期から大きな組織になるに伴い引っ越しした事実があり、終焉までに組織がいろいろ変化した事が窺えます。 (…鎌倉市観光案内図から引用)


■ 田楽辻子みちを通り、竹の寺 報国寺と鎌倉五山浄妙寺へ ■
狭くなった田楽辻子みちを進むと報国寺の駐車場前にでた。 林から陽光が差し込む小路から視界が開けた駐車場にはタクシーや乗用車が駐車。 竹の寺という特徴があり、どんな映像が撮れるか楽しみです。 山門をくぐると左手に石庭を模した小庭園があり石畳を登っていく。

田楽辻子みち

山門の先に石庭
報国寺山門

■ 報国寺の歴史
報国寺は臨済宗建長寺派の寺院で、山号は功臣山、本尊は釈迦三尊です。 境内に竹林があり『竹の寺』とも呼ばれている。 創建は1334年(建武元年)に天岸慧広により開山され、開基は足利尊氏の祖父、上杉重兼とも伝わる。 鎌倉五山の建長寺に属し1438年に起きた永享の乱で敗れた鎌倉公方足利持氏の子、義久がここで自刃している。 関東を治めるのに鎌倉公方を置いたが、報国寺は関東における足利公方終焉の地であった。

石畳を右に曲がりながら向かうと石段になる。 その右手に石の水鉢があり情緒漂う景観です。 一段上に本堂が見える。 松に囲まれ美しい本堂が正面に位置していた。



本堂


拝観して納経所に向かうと茅葺の鐘楼がある。 お寺に来て鐘楼堂の撮影は必須だ! 四国自転車遍路した第42番札所の仏木寺の茅葺鐘楼と同じだ! その後ろに竹の庭の入口があり、くぐると本堂の横を通って緑濃い枯山水を見る事ができる。 何枚か構図を変えて撮影、情緒豊かな映像が撮れた。

茅葺の鐘楼堂

本堂の裏に緑濃い枯山水

竹の庭の入口




庭園の奥に進むと竹林の入口がある。 最初は奥に続く石畳に沿って撮影。 竹林の中は陽光が遮られISO感度を上げて、撮影モードを曇りに設定する。 これが中々面倒だ! 何枚か撮影して映像を確認する。 デジカメのいい所だ。 竹林に燈籠や石が配置され、構図や陽光の位置を確認しながら撮影。 人が映らないように気を配りながらの撮影で時間も掛かったし疲れてきた。


竹林の奥に茶屋があり有料で抹茶を頂ける。 縁台に座って西洋人のグループが鑑賞しながら味わっている。 日本って良い所でしょう!と声掛けしたくなった。 年配のお年寄りや若者のカップルも幸せそう。 人が多い割に話し声が竹林に吸収されている感じがする。 日本っていいなぁ〜!

茶屋 茶屋前から見た映像

一通り撮影した後、構図を大胆に変化させてみた。 そしてこんな映像が撮れました。 石畳に寝転んで撮影してたら、他の人も真似をしていて思わず笑ってしまった。 私もそんな姿勢だったのか!

報国寺から陽光の日差しが強い金沢街道に出て、向う側に浄妙寺の駐車場がある。 バスが2台駐車し大勢の観光客が降りてきた。 擦れ違って浄妙寺の参道に向かうと数グループと同じでタイミングをずらし一服休憩!


浄妙寺内の人達が引き上げ境内が静寂になった頃、山門から入った。 200円を支払い門前から撮影を開始する。 山門の景観は四国自転車遍路を思い出します。 格式のある景観に満足し石段を上がり、さらに石段になる。 境内に入ると正面に本堂が見える。 中央の敷石の両側には樹木が美しく配置されている事を感じる。 本堂にはさらに石段を上がるが樹木が途切れた所は広い境内が広がり、本堂を囲むように石垣と樹木で形造られて、格式を強調するようだ!

■ 浄妙寺の歴史 ■
源頼朝の臣下だった足利義兼が1188年(文治4年)に創建し、当初は極楽寺という真言宗の寺院だった。 その後、建長寺の月峯了然が住職になってから臨済宗に変わり、寺名も足利貞氏の法名から浄妙寺となる。 格式も鎌倉五山の五位となる。



浄妙寺山門









本堂

臨済宗の格付け制度は、鎌倉幕府の第五代執権北条時頼の頃、中国の五山制度に倣って導入され、時代に合わせて寺院や順位が変動したという。 幕府が任命して寺院をコントロールしようという策だ。 最高寺格に京都の南禅寺が位置し、その下に京都と鎌倉のそれぞれ五山がある。 1386年室町幕府三代将軍、足利義満の時に現在の五山の順位が決まった。

足利貞氏の宝篋印塔は浄妙寺中興開基貞氏の墓塔は、周囲を臣下たちの小さな墓石で囲まれている。 貞氏は1331年に没し、家時の子で尊氏の父です。 塔には明徳三年(1392年)の銘がある。 拝観した後、本堂の裏に回ると足利貞氏の宝篋印塔がある。

本堂 足利貞氏の宝篋印塔

最後の石段を上がると臨済宗らしい格調高い本堂の全景を見れる。 境内には喜泉庵があり、有料だが杉苔を主とした枯山水を見学できる。 周囲が樹木で囲まれた庭園で、歩いて行くと数ヶ所で撮る事ができた。 喜泉庵を入れて撮影していたら庵の縁側から枯山水を撮影していた人と目が合った。

本堂から喜泉庵へ…

喜泉庵
枯山水

枯山水
鎌倉五山は建長寺(第一位)、円覚寺(第二位)、寿福寺(第三位)、浄智寺(第四位)、浄妙寺(第五位)とあり、 これまで3回の鎌倉の歴史散歩を重ね、残りは第四位の浄智寺だけになり五山拝観を達成したい。
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