■ 女人高野 室生寺 奥之院御影堂特別開帳 ■

奥之院御影堂特別開帳の案内板が石段の入口に立て掛けてある。 山岳霊場参詣の気持ちが蘇って、『さぁ! 行くぞ!』と、自分に言い聞かせる。

暫く進むと妻と義妹が戻って来た。 どうした?長い石段を見て
妻は諦めたようで、それなら車のキーを渡してお土産店でお茶でも飲んで休憩するように話す。


登り始めてすぐ室生山八十八ヶ所第六番霊場がある。 どうやら室生山の山麓に八十八ヶ所巡りがある。
五重塔脇から奥の院へ

登って一度平坦になり、その先に小さな太鼓橋がある。 この橋の手前に『室生山暖地性シダ群落』の案内がある。 それによると、室生山暖地性シダ群落は日本の暖地性シダ群落の北限で天然記念物と知る。 太鼓橋の上方、下方に暖地性シダ群落があります。



山の峰を越えたように下り坂になる

平坦な道になり…
室生山八十八ヶ所第六番霊場
この先から本格的に登りが続く

太鼓橋
室生山暖地性シダ群落の案内

400段近くある石段の途中の休憩所

400段程度の石段ならそれほど辛くはない。 一気に石段を上る。 途中で休憩している人がいるが、どんどん追い抜いていく。 別に競争してるわけではないが、勤務先に自転車で通勤してるから足腰がサラリーマン時代より強くなっている。 フィットネスの体力測定でも低下はしてなかった。


太鼓橋から下方のシダ群   落太鼓橋から上方のシダ群落  石段は急登になる


先が見えない        まだまだ続く石段       奥之院の高床か?

直線的な石段の上方に高床の骨組みが見えてきた。 すごい高床だ! この上はどんな建物があるんだろう? 高床式の骨組を何枚か撮影してみるが、どうやら釘は使われていないようだ。 木材の組み込んである所に三角形の締める木材ががっしりと入っている。 木材が新しいので最近修理した所もあった。

高床式の木組み




五重塔脇から400段近い石段を登ると空海を祀る奥之院御影堂に到着。 まず最初に目につくのが御供所。 御供所は納経所と休憩所を兼ねている。 さすがに女性の納経者が多かった。 最近、女性の納経印巡りが流行している。 御影堂は室町時代前期の建立で国重文に指定されている。

9時56分 御影堂手前で石段は曲がる

御供所
もう少しで…(息が上がった)

御影堂 (室町時代前期、国重文)

御影堂の次に常壇堂(位牌堂)を拝見すると結界と言う文言が目に入った。 結界って聞いたことがあるが、漠然としか意味が分からないので調べてみた。

…結界とは?
結界とは聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限ること。 仏教用語だが、古神道や神道に於ける神社などにも同様の概念がある。 仏教、密教では清浄な領域と不浄の領域を区切ることを意味する。 密教では修行する場所や道場に魔の障碍(しょうがい)が入らないようにするため結界がおこなわれるとある。 その結界は3種類あり、国土結界、道場結界、壇上結界という。 高野山や比叡山は国土結界、護摩修法は壇上結界と云われる。 常壇堂はどの結界だろうか?

常壇堂(位牌堂)

常壇堂入口上にある額

結界の場

この下は高床式の木組みがあり、現世側からお祈りする人影を見つけ、私もここで般若心経を読経する。 常壇堂の周囲は伽藍が付設されているので一回りしてみた。 ベンチがあり休憩してる人もいるが眺望はあまり良くない。 一回りした所の上方に石塔があった。 撮影して調べたら七重石堂と呼ばれている。

現世側からお祈りする人

ベンチもある



古い欄干


七重石堂

御影堂の屋根の宝珠、屋根部を撮影する。 後で調べたら珍しい宝珠と露盤と知り、撮影してラッキーだった。 弘法大師御尊像を祀る御影堂は大師堂とも言い、屋根は板葺きの二段屋根の宝形造で、日本各地にある大師堂の中でも最古級のお堂です。

早速、般若心経を読経。 終了後に壇上を下りた時、境内を清掃していた人に『有難う御座います』と挨拶された時は、逆に感謝した。 境内で目立たない人に見られていたと思うと、弘法大師に感謝しなければならないと思う。 自宅では毎日の日課で、外出しても機会があれば般若心経を読経する自分がいる。

御影堂(屋根は板製の二段重ね)

御影堂(室町時代前期、国重文)

斜め正面から御影堂

弘法大師御尊像前で般若心経を読経
御影堂(屋上の宝珠と露盤は珍しい)

御影堂の鐘

灯明立てから御影堂を撮影

御供所

般若心経を唱えるといつも気持ちがすっきりする。 この後は戻る形になるが、陽光も上がって景観がより良くなっているから撮影に注力してみます。 最初の撮影は金堂の紅葉美。 右側面(入口側)から紅葉を入れて撮影した。 ズームアップして紅葉と屋根も撮影。

金堂の紅葉美 金堂の右側面(入口側)

屋根と紅葉
金堂の右側面(入口側)

鎧坂を上から撮影

鎧坂を下りながら紅葉美をトリミング。 ズームレンズをフルに使って構図を探し出す楽しみがある。 紅葉美は刻々と変化する陽光の位置によって、また自分の位置によって自由度が高く、人それぞれの楽しみで、撮影の醍醐味を体験できる。

鎧坂の紅葉美



仁王門




仁王門の脇門

仁王門まで戻る。 仁王門前で虚無僧が尺八を吹いていた。 虚無僧について深くは知らないが仁王門を通過するのを躊躇った。 脇門の紅葉を撮影しながら横姿を撮影。  脇門を通り抜け授与所の奥の休憩所に向かって妻たちを探したが見つからない。 何処で休憩してるのだろう? トイレして横道に入ると、美しい紅葉葉を見つけた。 数人が木の下で三脚を立てていた。 私も参加。 一枚の葉の紅葉が黄色と赤色の混在したモミジです。 他の紅葉と一味異なる色彩で10分ほど位置と構図を変えて撮影。

仁王門前に虚無僧が…

他の紅葉と一味異なる色彩
授与所

そのまま脇道を進むと護摩堂前に出た。 何枚か撮影して、奥の堂宇に引き寄せられていく。 奥書院、本坊、表書院、慶雲殿、知水庵と続いて撮影してたら、いつの間にか、『一般者は遠慮ください』の札を見つけて早々に退出。
護摩堂の鐘

奥書院

本坊、表書院、慶雲殿

慶雲殿
護摩堂

奥書院と表書院

知水庵

本坊、表書院(この映像は表門から撮影)

拝観受付所に戻って表門に戻る。 表門から見える本坊、表書院を再撮影してみた。 陽光が高くなってますます紅葉が映えている。 その美しさに引き寄せられて多くの観光客が記念撮影や紅葉美を撮影していた。 私も数枚撮影し直して今日は得した気分です。

太鼓橋から下ノ橋に向かう紅葉




太鼓橋から戻るより、この先の下ノ橋から駐車場に戻ろうと、そのまま進んで慶雲殿沿いに歩いた。 慶雲殿では縁側から護摩堂と奥書院も撮影。 慶雲殿は客殿の様だ。 慶雲殿に続いて室生寺の宿坊がある。 駐車場には宿泊者の車両もあり、四国遍路した時の宿坊を思い出した。

10時44分 慶雲殿

慶雲殿



宿坊
護摩堂と奥書院(慶雲殿の縁側から撮影)




お土産店街
室生寺の下ノ橋を渡ってお土産店街に出る。 店内を覗きながら妻を探したが見当たらない。 駐車場が近くなり望遠で車を見たら車内でお喋りしてる様子が見え早々と車に戻った。
長谷寺歴訪を予定していたが、日帰り温泉に向かう。 温泉で昼食し、のんびりと温泉を楽しんだ方が妻も喜ぶし、東京に戻るのに疲労感が少ないと判断した。
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