■ 函館、五稜郭タワーの展望 ■

…五稜郭タワーの誕生…
五稜郭タワーは函館市の五稜郭町内にあり、1964年に開業したが、高さが不十分で五稜郭全体が見渡せず、再建築され、 2006年に新タワーが完成した。 駐車場は有料駐車場を利用する。 タワーの高さは107m、展望1階は86m、展望2階は90mの高さから五稜郭全体を見渡すことが出来る。 また市街とタワーの位置関係も良く判り、函館山も対局で展望できる。


五稜郭の誕生から幕末の動乱、函館戦争、新しい時代の象徴として1972年に特別史跡に指定され、 江戸時代後期から現在までの歴史を知ることができる場所です。

自家用車駐車場は五稜郭の濠端で、ここから五稜郭かタワーか、どっちを先に観光するか? 結局夕方になれば五稜郭をタワーから見ることはできないと、タワーから観光することに決める。 星形のお濠に沿って桜並木の遊歩道を歩いてタワーエリアに到着した。 タワーは五稜郭公園の敷地内に建設され、そばにバス専用の駐車場がある。


駐車場にある五稜郭の案内
赤印が自家用車駐車場
青印が五稜郭タワー


春には600本の桜並木


お濠は比較的幅があり、西洋城郭としての一端を垣間見る。 お濠の周囲は1800mあり、幅は最大で30mに及び、深さは4〜6mという。 石垣も江戸時代後期の造りで高さはないが均一で非常に美しく見える。 濠に掛かる橋は2ヶ所あり、こちらが表の橋です。

均一な石垣

五稜郭の正面方向
濠の幅が広い

表門に架かる橋

濠端にはカモの群れがヨチヨチと愛嬌あるしぐさです。 五稜郭跡の石碑と案内板前で記念撮影してタワーに向かう。 タワーの一階に入るとエントランスが広く、窓側に旧幕府軍と新政府が使用した大砲が展示されている。 大砲も弾が鉄球の時代から、火薬が入った炸裂弾へ変化する時代を読み取れる。 その中央に土方歳三像があり、ここでは観光客が記念撮影している。 外光があるからやや黒っぽい映像になりがちで、ストロボも使用して複数枚撮影する。



外濠のひとつ

新政府軍の大砲

新型の、火薬が入った炸裂弾の大砲
五稜郭入口

旧幕府軍の大砲

土方歳三像

一段落してエントランスの中を見渡し、お土産コーナーの奥にタワー展望台への受付所を見つけた。 受付の壁画には開港して発展する函館湾の絵が描かれている。 面白いイラストなので撮影してみた。 午後の時間で比較的空いていてエレベータ前に案内され数分待つと展望台2階へ上がった。 展望台は2階から始まり、1階へ降りる仕組みで、降りる時は展望台1階からエレベータに乗ることになる。

五稜郭展望台 タワー入場受付

五稜郭の復元模型(1/250)
受付所のイラスト絵

展望台から見た五稜郭

最初に目についたのが五稜郭の詳細な模型だった。 そのためうまく撮影できるか慎重に撮影位置を決めて映像をゲットした。 次に五稜郭が真正面で見れる窓側に移動して全体像から細部に至るまで撮影を重ねていく。 夕方が近いから多少焦っている自分がいる。 最初に気が付いたのは五稜郭の正面の外側に位置する三角形の堤だった。 戦国時代の城郭によく観られる馬出しという外郭に役割も似ていることだった。

展望台からの映像 五稜郭に入る最初の橋

外郭部から本郭に架かる橋
馬出しの様相の外郭部

表門から奥にある函館奉行所の位置関係

五稜郭の誕生のきっかけは、嘉永6年(1853年)にアメリカ艦隊が来航した、黒船来航事件から始まった。 徳川幕府の開国政策で安政元年(1854年)に日米和親条約を締結したことにより、函館も開港場となった。 この函館を治めるために函館奉行が設置されたが、函館の防御強化策により、蘭学者 武田斐三郎に命じて要塞の設計を命じた。 武田はヨーロッパの城郭都市を参考にして、日本独自の要塞を考案したのが函館五稜郭です。

函館奉行所

お濠と城壁が星形を形造る

星形の城壁

お濠と城壁が星形を形造る

発掘調査で判明した建物跡

建設に7年の歳月を要したが、蝦夷地の政治、外交、防御の拠点の要として誕生した。 幕末の動乱では大政奉還、江戸城明け渡し後も、旧幕府軍は新天地を求めて蝦夷に渡り五稜郭を占拠するが新政府軍によって抵抗空しく終結した歴史を持っている。

10枚の映像は展望台2階にある模型 1/250の奉行所入口の模型

ペリー艦隊が函館に来た時に応対した松前藩

北の大地を拓く函館奉行の重臣達の会議
発掘で判明した1/250の奉行所の全体模型

函館の町に訪れた外国人との交流

幕末の高等教育(函館諸術調所)

幕末動乱の終結によって、蝦夷地は新しい時代に入り、五稜郭は 大正3年(1914年)に公園として一般市民に開放され、市民の憩いの場となった。 五稜郭内の函館奉行所は動乱後、解体されたが、昭和60年(1985年)から発掘調査が始まり、 平成18年(2006年)から復元工事が始まり、今日、タワーから奉行所を見ることができる。

幕末動乱の模型 新政府軍の反撃開始!

旧幕府軍の五稜郭入城
旧幕府軍が松前藩を攻略する

旧幕府軍の病院に新政府軍が突入!

最後に、ここから周囲を展望してみた。 直下にはバスの駐車場や付近の道路状況が良く見える。 彼方を見ると私達が乗船したブルーマーメイド号が接岸しているのが良く見えた。 周囲の東西南北方向の遠景では函館山も良く見える。 市街地の両側に海が迫って意外と狭かった。 市街地が細長いのが良く判ります。



函館山方向

松前方向



函館港接岸中のブルーマーメイド号

函館湾


展望2階の窓側を背にして土方歳三のブロンズ像がある。 土方はどんな思いで榎本武明に同行したのか? 幕末の見果てぬ夢を追いかけて、江戸から関西、東北、蝦夷地と渡り歩いたが、その夢は実現しなかった。 しかし、明治維新で日本が新しい夜明けをスタートしたことは実感していたに違いない!

展望2階にある土方歳三のブロンズ像 箱舘戦争供養塔
函館タワーから五稜郭に向かう途中に、箱舘(函館)戦争供養塔が建立されている。 動乱で戦死した両者の供養を祈っている。 時間が15時を過ぎて、この時期は薄闇が迫っている。 曇りから夜は雨になりそうだ。
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