■ 北海道庁旧本庁舎 ■
2丁目通りのビル地下の海鮮レストランに入る。お昼の後半にもかかわらずビジネス社員のグループで席が埋まっている。 奥のテーブルに座ると、早朝から歩き疲れが出て足腰が喜んでいるようだ! 早速、海鮮定食を注文する。 映像の定食がきて醤油にわさびを入れて気が付いた。 危うく映像を撮るのを忘れる所だった。 食い気が旺盛だからいつも食べ始めて撮影しなかったことを悔やむ。 今もわさびを溶いた時に思い出し撮影した。 刺身はさすがで、札幌の海鮮市場の新鮮さを味わう。


昼食が終わり一服した処で市街地図と睨めっこする。 レストラン内は薄暗いから細かい文字が良く見えない。 めがねを外し裸眼でも見えない。 やむなく老眼鏡を出して四苦八苦している。 現在地から旧本庁舎への道のりを確認して外に出ると陽光が眩しかった。 サクサク歩くよりのんびり食後の運動のつもりで市街を歩き、遠方に北海道庁旧本庁舎が見える。 特徴ある建物だから遠くからでもすぐわかった。

海鮮定食 札幌市北3条広場から撮影

旧本庁舎前は道路が通り、かつ札幌市北3条広場が交差してT字路の形です。 札幌市北3条広場は両側に銀杏並木が植樹されビルが立ち並んでいる。 この銀杏並木は大正14年に植樹された。 幅の広い北3条広場は歩行者専用のようだ。 広場の中央に三脚をたてカメラを取り付け、前方の歩行者の少ない時を狙って撮影してゆく。 またズームで構図を変えて撮影するが、妻も撮影していた。 なるべく水平を保ち、両脇を締める様に注意する。

そのうちお腹が痛くなり、ビルのトイレに駆け込んだ。 そのビルのエントランスには、この時期のハロウィンの展示がある。 ハロウィン赤レンガテラスのアーチに雰囲気を盛り上げる展示物を見て撮影してみた。 ビル内は会社員だけでなく観光客も多くいる。 年末に向けていい雰囲気だった。
撮影再開! 北3条広場を旧本庁舎に近づきながら記念撮影も…。 旧本庁舎前は車も人通りが多くズームすると良い構図とは云えない。

札幌市北3条広場から撮影 札幌三井JPビル

門前は人通りが多く映像に残せなかったが、明治時期の門の風格が漂う立派な門構えです。 門を入るとすぐ目の前に旧本庁舎が中央に位置し、前庭の手前に「WELCOME HOKKAIDO」のボードと花壇がある。 この場所は記念撮影用の様だ! 順番を待ち、早速撮影した。 暫くして、WEB用に撮影する。 中々いい雰囲気です。 右手の側道にテントが並び人々の出入が多い。 ここは北海道の各市町村の観光案内や物産のPRイベントがオープンしている。 順番に見て回ったが、品物を見て、すぐ北海道を思い浮かべる品々です。 北海道周遊の旅で現地で買い求めよう。

ここで記念撮影

前庭の両側は植木で飾られている
前庭側道に市町村の観光、物産PRイベント

■北海道庁旧本庁舎…
旧本庁舎は明治21年に建築された煉瓦造りの西洋建築物で国指定重要文化財です。 赤れんが庁舎などと呼ばれ親しまれている。 館内は北海道の開拓関係の資料展示室として一般開放されているが、一部は隣接する現道庁の会議室として現在でも使用されている。
  建築様式  アメリカ、ネオバロック様式
  竣  工  1888年(明治21年)
  設  計  北海道庁
  構  造  煉瓦造り、地上2階、地下1階

外壁各所にある赤い星が開拓使のシンボルで北海道の象徴ともいわれる。 札幌時計台と共に道民の心のよりどころと思う。 北3条通りの正面からも銀杏並木との釣り合いがいい。 北海道庁旧本庁舎は赤れんが庁舎とも呼ばれる煉瓦造りの建物です。 現在の新庁舎ができるまで80余年にわたって北海道の行政を担ってきた。
館内は一般に無料公開され北海道の歴史を知る資料館がある。 建物の上部に赤い星を発見! 早速ズームで撮った。 車寄の玄関に入ると、ここにもアーチ状の歴史感ある玄関を見れる。 中に入ると、右手に記念スタンプ台、左手に館内案内図があり右手方向は見学者が大勢いたので左方向の館内を撮影する。 足元から天井まで重厚感のある建築様式です。

…2か所の赤い星が見える
正面玄関 車寄の部分

車寄に入ると正面玄関がある
正面玄関 車寄の部分

1階左手の館内廊下も重厚感たっぷり!

■三連アーチ…
1階ホールの階段部分の三連アーチは、中心にある飾りや鉄柱上部の彫塑や階段側面の円形模様(ロゼッタ)など、 階段を装飾的に造る洋風建築の美が特徴です。 階段の美しさは撮れたが、アーチの全体がレンズの関係で全体が入らなかった。 しかし帰りの時に、2階から撮影した映像もご覧ください。

ホール前の階段の装飾は重厚感がある

階段を半分上がって2階を撮影
階段を半分上がってホールを撮影

建物2階の左側廊下を撮影

2階に上がり、最初に樺太(サハリン)関係資料館に入室した。 ここは古くから北海道と縁の深かった南樺太に関する資料と、現在のサハリンとの交流状況を紹介している。 最初に入室して天井や窓の装飾に興味を持ち映像に残す。 間宮林蔵の足跡の資料が展示してあった。 日本地図を測量したことはよく知られるが、隠密、探検家とも云われ、探索で培った、蝦夷、樺太方面に対する豊富な見識が評価された。 樺太(サハリン)が島である事を確認した事で知られる。

樺太における日露国境画定交渉は1906年(明治39年)に交渉がおこなわれた。 数度にわたる交渉で北緯50度線を境界と定め、国境に標石を設置した。 国境線は131qに及び、密林の中に中間地帯を作り4個の地点標石を設置したという。 標石には南側に菊の紋章が、北側に双頭の鷲が刻まれたという。 展示品は天四号を復元したという。

樺太関係資料館

間宮林蔵像
蛍光灯は除外

日露境界の標石(天四号)を復元したもの

■真岡郵便電信局事件…  (真岡郵便電信局の模型は、昭和20年当時の局舎を資料から再現)
第二次世界大戦末期の樺太の戦いで真岡郵便局の電話交換手が集団自決した事件を云う。 1945年8月9日にソ連が対日参戦し、8月11日から樺太へソ連軍の侵攻が始まった。 8月14日に日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日に玉音放送で公示されたが、樺太ではソ連軍が侵攻を続けた。 当時日本領の樺太の真岡郵便局の電話交換手は引き揚げせず業務中だった。 真岡にソ連軍が上陸し勤務中の女性電話交換手12名のうち10名が自決を図り9名が死亡した事件である。 北のひめゆりとも呼ばれている。 自決した電話交換手以外にも残留していた職員もソ連軍による爆殺、射殺で使者が出て真岡局の殉職者は19名にのぼった。

真岡郵便電信局の模型

当時使用されていたもの

当時の遺品の数々
当時のリュックサック等

当時の酒樽、置き時計、石油ランプ、羅針盤

当時の樺太で使われていたもの

赤レンガ北方領土館はロシアとの領土問題を多くの人に理解してもらう為、北方領土の歴史や資料が展示されている。 二人でパネルを読みながら、戦時中、戦後の取り組みを見て他人ごとではないと思った。

北海道博物館のサテライト施設では自然や歴史、文化を知ることができる。 特にアイヌ民族との融和に関心を持った。 鉄製の大釜はニシンの肥料(しめかす)を作るため、一度に大量のニシンを煮るための釜で、その大きさに驚きました。 肥料(しめかす)の多くは本州に出荷され、綿花などの栽培に使われたという。今では考えられない。

鉄製の大釜 赤レンガ北方領土館 アンモナイトの化石

縄文時代の多くの種類の土器や道具が展示され、北海道の地でも人類の長い歴史が続いていた。 場所を変えると、現在の北海道の国際交流のコーナーや自然の残る北海道の美味しい水、 その水と広大な農地から収穫したお米で、各地の酒造会社が造った銘酒が紹介されている。

縄文時代の土偶

北海道の水の紹介
縄文時代の各種の土器や道具

北海道の銘酒の紹介

樺太庁博物館は、現サハリン州郷土博物館で1938年(昭和13年)に建築された。 豊原市(ユジノサハリンクス)に建てられ3階建ての日本建築です。 天守閣様式の屋根を持ち、現在も動植物や北方少数民族の生活用具や、日露の歴史的資料など8万点あまり展示している。

煉瓦…約250万個を数える煉瓦は白石村、豊平村(両村とも現在の札幌市内)で製造され、長手と小口を交互に並べたフランス積みで国内では珍しい積み方です。 ちなみに世界遺産の富岡製糸所と同じ工法です。 フランス式煉瓦積みの工法の映像は富岡製糸所に歴訪した時に撮影したものです。

樺太庁博物館の模型(1/100) フランス式煉瓦積み工法(富岡製糸所で撮影)

記念室(旧北海道長官、知事室)
歴代の長官や知事がこの部屋で執務した。 他の部屋とは造りが別で出入口枠や窓周りは手のこんだ唐草模様の彫刻で飾られ、創建時の天井は漆喰だったというが、現在は異なる。 僅かに玄関の車寄の天井に創建時の面影を残している。 残念に思った! 中に入ると、他の部屋より手のこんだ装飾が目につく。 衝立を回り込むと会議用テーブルが窓に向かって配置され、大きな柱時計が据え付けられている。

旧北海道庁長官室記念堂入口

会議用テーブル
会議用テーブル

反対から見た会議用テーブル

その奥、右手に長官の大机がある。 窓は二重窓で、寒さを防ぐ工夫も随所に見られ、窓は一重に見えるが実は二重構造の仕掛けだ。 普段は窓の両側にある木製箱形の化粧枠にガラス戸が3つに折りたたんである。

長官室を出ると2階の右方向の階段から1階に下りるコースです。 建物2階の右手は資料室なのか閉鎖されている。 階段途中から1階のホールと、中央の階段の三連アーチと装飾部分が良く見える。

長官席

この位置から見ると、1階ホールの階段の三連アーチと装飾全体が良く判る
…2階フロアの端から廊下全景

玄関から車寄の玄関を撮影

玄関を出て建物の全景を撮影しようと左手から構図を探した。 車寄の所に道庁の人が、待ち人していた。 その場所から移動するまで10分以上待機していざ撮影しようとしたら子犬を散歩した人が右脇から現れた。 なんとか工夫して映像が撮れたが、右下に子犬だけ映った。 ここから建物の左手に回り込み、側面の建築美を撮影する。 駐車場だから全景が撮れる。

後ろ姿美人
さらに回り込み建物の後側に回る。 やや斜め後方から撮影するが、中々全景が撮れなかった。 建物の後に回ると2つの煙突があり、スマートな美しい赤レンガデザインを見れる。 前面は装飾が多い造りだが、後面はシンプルな装飾でした。 建物は火災のため屋根と内部が焼失したが煉瓦壁は残り、その後、創建当時の形に復元されたという。 白っぽく見える石は石山硬石という市内で採掘されたものです。 あくまで北海道産に拘った建築物です。

換気塔と屋根
煙突を思わせる換気塔は塔飾りされ、明治時代の西洋建築に流行した形です。 避雷針も装飾を兼ねたデザインになっている。 屋根は天然スレート(粘板岩)葺きです。

北海道庁旧本庁舎全景

北海道庁旧本庁舎の後側
北海道庁旧本庁舎の右側面

シンプルな後側中央上部
現北海道庁舎の駐車場を横切り、今日の観光プランも最高で、歴史を知る機会があって良かったと妻から言われた。 自分では天気に恵まれたからと謙遜したが、満足そうな横顔を見て嬉しかった。
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