■ 大雪山国立公園 層雲峡 黒岳の旅紀行 ■

新さっぽろアークシティホテルを朝7時に出発する。 今日も警備員が駐車場のゲートを手動でオープンしてくれ、2日間お世話になったと挨拶してスタート! 道央自動車道に入り札幌とお別れ、旭川経由で層雲峡まで約200qの走行になる。 北海道に入って5日目で、道路事情も慣れてきたが油断はしない。 無理のない定速走行で移動は予定通りに進ませたい。

途中で岩見沢PAによって朝食をした。 この時期PAは周りの景色が秋真っ盛りの状況で妻も嬉しそう。 公園内には「ばんえい馬」と呼ばれるこの地方独特の像を拝見。 ばんえい馬が紅葉樹の中に自然に放たれているようだ。 そんな光景を記念撮影して楽しむ。

早朝の道路はガラガラ…
 岩見沢PA

ばんえい馬…
農耕や重量物の運搬のために改良された品種で、中世ヨーロッパでは重い甲冑を着込んだ重装備の騎士の乗馬とされた。 大きさは体重が1トンを超えるばんえい馬もいる。 ばんえい競走は、一般的なサラブレッドの競走馬でなく、古くから農耕馬などとして利用されてきた体重800〜1200s前後の「ばんえい馬」が、 騎手と重量物を積載した鉄製の橇を曳き、2ヶ所の障害のある200mの直線距離を力と速さ、そして持久力や騎手のテクニックを競う馬をいう。

 ばんえい馬像




今日は土曜日で、もっと交通量が多いかと思ったがこの時間帯は少ない。 順調に走行、途中、PAに立ち寄ったがPAエリアは数台が駐車していただけで、喫煙してすぐ出発。 PAに寄っても意味がないので一気に長距離走行。 旭川に近づくにつれて後方からの車両に抜かれることが多くなる。 やはり土曜日だからこれから先、混雑するかもしれない。 札幌、函館、室蘭などのナンバーに次々と抜かれていく。

 トイレだけのPA


道央道の比布JCTで旭川紋別自動車道に入る。 ここから上川層雲峡ICまで走り、大雪国道に入った。 旭川から何処で高速を下りたか判らないようなスムーズな走り。 石狩川に沿って大雪国道は走り、層雲峡の看板が目につくようになった。 また国道の両側に標高差のある柱状節理の岩壁群が現れ、 岩壁は大雪山の多様な自然景観の象徴とも云われる。

柱状節理に囲まれた温泉街 石狩川に沿う形で柱状節理壁岩群

河川が広がり橋の手前を右折すると層雲峡温泉街に入る。 入口に消防車が駐車し、思わず道を間違えたか、事故か?と思った。 消防車を避けて温泉街の周回道路を反対に回り、登坂の途中で掃除をしていたおばさんに駐車場の有無を聞く。 温泉街のアチコチに駐車場があると知り、一度、温泉街を周回してみた。 コンビニもあり、今晩お世話になるホテル ノーザンロッジも確認。 最初に、ロープウェーに乗ろうと温泉街の高所にあるロープウェー駐車場に駐車。 改札口で次発の時間を確認し乗車券を購入し付近を撮影して歩く。



駐車場を眼下に出発!

溶岩台地が河川に浸食された様子が判る
黒岳ロープウェー駅
柱状節理の層雲峡

ロープウェー駅舎のテラスで記念撮影。 黒岳ロープウェーは大雪山の外輪山、黒岳への登山ルートのひとつで1984mの高さがある。 案内ではロープウェーとリフトを乗り継いで7合目まで、そこから頂上までは1時間ほどで登ることができると案内がある。 しかし7月まで残雪があり、9月には初雪を迎えるから相応の準備が必要だ。 今回、紅葉をテーマに北海道に来たが、紅葉は終わりかけで夏の時期に再訪したくなる。





屏風岳(1792m)

ロープウェーの高度が上がるにつれて2000m級の山々の景観が広がる。 ニセイカウシュッペ山、比麻良山、平山などの連山が連なる。 正面から右方向に層雲峡の渓谷が続き、その手前には大雪山の溶岩台地が迫る。 溶岩台地の右奥には富士のような屏風岳が望め、その先は阿寒湖があり、阿寒国立公園が続く。



ニセイカウシュッペ山

ロープウェー頂上黒岳駅

黒岳駅に到着し、最初に向かうは駅舎屋上の展望台です。 時間は11時過ぎで急ぐ必要はない。 駅舎内をぶらりして観光客の列の後尾について急階段を上がる。 屋上に到着し、横浜から来た3組の夫婦連れと知り合った。 相変わらず妻の愛嬌は変わらない。 グループの人達と旅の楽しさを会話してる。 皆さんの記念撮影を手伝い、旅コースや旅日程、交通手段を交換した。 最後に私のHPを知りたいというから教えると、その場で手持ちのタブレットで検索してお気に入りに登録。 持ち運べるタブレットの強みというか欲しくなった。

ニセイカウシュッペ山、比麻良山、平山連山

屏風岳
大雪山の溶岩台地と屏風岳

駅舎屋上から大雪山の外輪山を撮影

北海道の成り立ち…
北海道は元来、一つの島ではなかった。 4000万年〜1000万年前、北米プレートの陸塊とユーラシアプレートの陸塊が衝突、合体して誕生したそうです。 その境界が利尻山、大雪山、日高山脈のラインです。 その後、100万年前になると火山活動が活発化し溶岩台地を形成した。 粘性の低い溶岩は溶岩台地を形成し、粘性の高い溶岩は台地上に丘状の山岳を形成してきた。 これが黒岳、愛別岳、北鎮岳、旭岳、白雲岳などです。 2000m級の高さしかないが、緯度が高い分森林限界は低く、高山帯の気象条件は北アルプスの3000m以上に匹敵するか、それ以上と云われている。

左から黒岳、桂月岳、凌雲岳 凌雲岳(2125m)

横浜のグループたちは先に行き、私達は撮影を開始。 黒岳の方向が逆光で映像としては良くない。 工夫して撮影したが私のレベルではこの程度で諦めた。 駅舎を出てリフトに向かうが途中に高松台という展望台があるので、そこに向かう。






高松台展望台は黒岳の稜線の隅にあり、階段を登って行く。 始めは判らなかったが、登るにつれて現在地が絶壁の端にいることが判った。 黒岳沢が直下に見えると手摺はあるが近寄りがたい。 登山で沢登りと稜線沿いに登る方法があるが、沢登りは方向感覚が判り難い。 そんな事を考えながら撮影準備する。 凸凹の場所で三脚が水平にならないで苦労した。

黒岳方向の逆光が幾分ずれてきた。 高松台から何とか黒岳の山頂を撮影できた。 見通しが良いので周囲の方向も撮影。 おっと!忘れていた記念撮影も忘れずに! 足元に残雪があり、普通の靴だから移動は慎重にしないといけない。 快晴だが気温が低く手袋を用意してきてよかった。


 高松台展望台 黒岳

ニセイカウシュッペ山

屏風岳
高松台展望台から大雪山黒岳資料館までは残雪の残る階段を下りていく。 結構、残雪が固まって滑る。 三脚を使って先に下りて妻が後からついてくる。 久しぶりに妻の手を握った。
黒岳沢 残雪が残っている

資料館内には黒岳の年間を通した映像が展示されていた。 その中で真冬の黒岳山頂の映像が良かったので、撮影して、ここに掲載した。 撮影者の撮影テクニックがすばらしく感じた。 また大雪山の外輪山の成り立ちなどの資料が掲示されており、新しい知識を知ることができた。



リフトに向かう

大雪山資料館

資料館内の真冬の黒岳の写真

注意書きを発見…
大雪山国立公園では…、あなたは今、ヒグマの生息する地域に、一歩を踏み入れました。 時として凶暴性を発揮し、危険ですのでヒグマには近づかないように次の事を守ってください! の注意書きを見つけた。 まだ観光客がそれほど多くないので、鈴を持ってくればよかったと思った。

資料館からリフト乗り場に向かって歩く。 舗装されているから歩きは楽です。 登坂を歩くうちに逆光だが、針葉樹の間から黒岳の山頂が見上げる形で見えてくる。 資料館で見た山容だが薄く積雪が始まった景観を撮影してみた。

ヒグマの注意書き



リフト前から黒岳山頂を撮影
リフト乗り場前に到着。 往復券を購入し、乗り場前の黒岳案内図を見ると、手書きの絵地図だから山頂はすぐ近くに思えた。 リフトに乗るにはコツがいる。 慣れてないから係員に聞いて、妻と確認。
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