■ 双湖台から美幌峠、屈斜路湖畔へ ■
朝7時半にニュー阿寒ホテルを出発した。 北海道は事故が無ければ道路も混雑せず距離を稼げる。 もっとも今の時期は比較的観光客が少ない時期だから、それもあるだろう。
最初の予定地は阿寒湖から屈斜路湖に向かう途中にある双湖台という展望台です。 この展望台から古阿寒湖の姿の一部が展望できるという。
位置的には雄阿寒岳の南側を弟子屈町に向かう国道241号線沿いにあり、距離的には雄阿寒岳山麓の直南付近です。


阿寒温泉町を出て付近の景観が山麓の景観になり、高度が徐々に上がってくる。 もしかしたら昨日はシルエットしか見れなかった雌阿寒岳の山容が見えるかもしれない。 期待を含ませながら徐々に高度を上げ、時々周囲の景観を確認しながら走った。 241号線は通称、阿寒横断道路ともいう。 妻がいるお蔭で運転が楽だ!

国道241号線を走る

ペンケトーと左上に僅かに見えるパンケトー
雌阿寒岳の山容が見えるかも?

ズームで…

国道から右側に駐車場があり登り口がある。 空の駐車場端に駐車して展望台に向かうと徐々にペンケトーが見えてきた。 パンケトーはその向うに見えるはずだが山に遮られて僅かしか見えなかった。 古阿寒湖の時は繋がっていたが、雄阿寒湖の噴火と土砂の堆積で3つの湖に分断されたという。 ペンケトー、パンケトーの周辺は原生林のままで阿寒国立公園の特別保護区に指定され、ヒグマの生息地でもある。

更にズームで…ヒグマは見えなかった

雄阿寒岳の雄姿
雄阿寒岳の雄姿

双湖台から展望できるペンケトーの形が北海道の形に似てるとパンフレットに記してあり、ここで撮影した映像と判った。 展望台から下方ばかり気を取られていたが、周囲の景観を見回すと、雄大な雄阿寒岳の山容が見える。 ここから見ると富士の様だが、昨日は遊覧船に乗船してて山頂が複雑な形と理解していた。

そして阿寒湖の方向を見ると、昨日見れなかった雌阿寒岳の山容が手に取るように展望できた。 その奥には阿寒富士も視認でき、全体の映像、雌阿寒岳、阿寒富士と撮影。 最後に望遠で雌阿寒岳の噴火口を覗いてみた。

雌阿寒岳(右)と阿寒富士(左)

雌阿寒岳
阿寒富士

雌阿寒岳の噴火口

双湖台から国道を走るバスの車列を発見! そろそろ団体観光客が動き出した。 私達も次の目的地、美幌峠に向かう事にした。 美幌峠には弟子屈町経由で屈斜路湖に向かう。 直線なら近いが三角形の2辺を走り距離もある。 暫く登りが続いたが、峠を越えてから緩やかな下り坂になる。






弟子屈町まで10qの標識を見つけたが、弟子屈町エリアまで10q。 町の中心部はまだまだ先。 それでも樹林に囲まれていた景観が原野の様相に変化してきた。 なだらかな丘の景色が窓を流れ、明るさが増してきた。 今日の天気も雲量はあるが陽光が差しまずまずの天気です。 今日までの旅日程の天候は良好と思う。

 弟子屈町まで10q




阿寒横断道路は弟子屈町に入り直線的になる。 緩やかな下り坂を結構なスピードで時間当たりの走行距離が伸びていく。 町の中心部で国道は243号線にぶつかる。 左折して243号線を屈斜路湖に向かい、暫く走ると道道52号線が分岐する。 道道52号線は直接、摩周湖の展望台に向かう道路だ。






243号線を直進して暫く走ると、国道391号線(摩周国道)が分岐する。 391号線は斜里町方面に向かっている。 毎日、WEBで旅日程を調整していると、北海道の地理や位置関係がだんだん把握できるようになった。 旅の後半は釧路市、標茶町が中心となりそうだ。 農場の収穫風景を目にした。 折角だからズームでも撮影し初めて見る収穫機械の稼働を見た。



阿寒国立公園(屈斜路湖)の道路標識確認!


私達は一路243号線を突き進むと再び道道52号線と交差した。 美幌峠に向かうにはここを直進し、パイロット国道の呼称の国道243号線を突っ走ります。 和琴温泉まで9q、美幌町中心まで49qの道路標識を見つける。 屈斜路湖畔に近いはずです。 パイロット国道も直線が多い道路ですが周囲の景観が樹林に囲まれ、どのあたりを走っているかはナビ画面でしかわからない。






途中の休憩を入れなかったので時間的には早く到着するはずだ! 屈斜路湖畔の周囲の外輪山の壁が見えてきた。 内側は樹林もあるが、外壁は低木の熊笹が多いようだ。 双湖台から1時間ほどで美幌峠に到着した。 美幌峠から見る北西方向の景観はさすが北海道の原野を思わせるものだった。 美幌町の方向が天気が良いから遠くまで見渡せ、本州では見られない景観で感動しました。



北海道の原野を感じる


美幌峠の駐車場に乗り入れ、まずは風が強いから防寒のジャンバーを着る。 このジャンバー、薄手だがフードがあるから軽くて効果がある。 今回の北海道の旅に準備した便利なものです。 美幌峠は道の駅で、名称が「ぐるっとパノラマ美幌峠」です。 レストハウスは1棟だけで阿寒国立公園に配慮した様な道の駅です。

道の駅レストハウス

道の駅の展望台に向かう!

風が強くなってきた!

到着した時が丁度9時で、駐車場で眼下の景観を背景に記念撮影をしようと三脚をセットしてた時、 近くに駐車してたワゴン車から同年代の男性が降りてきて撮影しましょうと声をかけてくれた。 「この寒い風の中を有難うございます」というと、「東京ナンバーの車が北海道に来たんだから、精一杯旅を楽しんでください!」と嬉しい言葉を貰った。

美空ひばり「美幌峠」の歌詞碑 屈斜路湖の一部が展望できた

道の駅はオープン準備中のため屈斜路湖の展望を撮影に行こうと展望台に向かう。 人工的な展望台があるわけでなく、外輪山の一角を利用した天然の高所に展望できる場所がある。 途中に、美空ひばりの歌、「美幌峠」の歌詞碑を発見! この歌がある事を初めて知った。 外輪山の内側から屈斜路湖の一部が展望できた。 撮影してからさらに上を目指す。 次第に風が強くなり歩きにくいが背をかがめて進んだ!






ようやく展望場所の最高位に到着する。 美幌町と屈斜路湖の境目でかつ高所で周囲の展望は素晴らしい景観を見せてくれた。 土地は熊笹が茂り、高い樹木はあまり見られない。 遠望の映像だけでなく、ズームを駆使して撮影したが、編集中どこの場所か判らなくなったので掲載はやめた。



美幌町方向の景観


展望場所は柵があるだけで自然が満喫できる。 360度見渡せる展望場所に到着。 フードを被って風の影響を避けて撮影準備をする。 屈斜路湖の展望は右方向が逆光だが左方向は視界良好です。 最初に逆光の映像を何とか工夫して良い映像を撮れないか工夫した。 和琴をズームアップして逆光を撮影すると、湖面が雲海の様になりモノクロの映像になった。





和琴はモノクロ映像

晴れてはいるが雲海が湖面に反射し微妙に濃淡が生じている。 風が強いから雲の流れが速く、日陰部分が移動しているのが撮影中でも良く判った。 陽光が差した時に撮影して、次の構図を決めていく。
三脚を使い屈斜路湖の映像合成を試みようと、2度ほどデジカメをスパンした映像を撮る。

■屈斜路湖…
弟子屈町にある自然湖で日本最大のカルデラ湖でサマッカリヌプリなどを中心に外輪山を形成している。 初期の屈斜路湖は円形の湖だった。 その後、硫黄山(アトサヌプリ)、摩周岳などの活動で南東部に溶岩が噴出し、現在の様な三日月状の形になった。

カルデラ湖の最深部は旧噴火口がある117mで、中央にある島は中島と呼ばれる。 南に和琴半島があるが、中島も和琴もそれ自体二重火山で火砕丘が出来上がった。 和琴はその後、尾札部川の扇状地から成長した砂州によって陸続きになった。 屈斜路湖は周辺の川から流れ込んでいるが強酸性の源泉が湖底からも噴出し酸性湖になっている。 また釧路川の源流になっている。

屈斜路湖

起伏がある展望場所

阿寒湖方向
中島

通称、パイロット国道

サマッカリヌプリ方向

最後に屈斜路湖の外輪山を撮影してレストハウスに戻った。 駐車場には自衛隊車両が4台ほど停車している。 小休憩らしく隊員がハウスを往復。 隊員と一緒に喫煙して様子を窺っていたら集合の合図があり駆け足で車両に戻った。 筋肉質の若者の動作が素早く、日本を守る頼もしさを感じた。 レストハウスで暖を取り暫く休憩してから出発。

次は屈斜路湖の遊覧船乗り場に向かう。 遊覧船で湖上から見る映像も欲しい! 北海道に来て湖に行ったらまずは遊覧船に…。 今日の予定は遊覧船と川湯温泉でのんびりと時間を過ごしたい。 美幌峠から来た道路を戻る形で遊覧船乗り場に向かう。 美幌峠の下に降りて、下方から展望場所を見上げた。 突き出た場所の岩棚が一際目についたので映像に残しておく。

藻琴山方向
展望場所



展望場所をズームで…

湖畔が見えたのはわずかの間…


湖畔が見えたのはわずかで平地の国道を走る。和琴にも温泉があり入口案内は質素なものだった。 パイロット国道と道道52号線の交差点で左折し湖畔に向かう。 いよいよ遊覧船乗り場だと思って駐車場に入ろうとした時、入口にロープが張られている。 「えっ?」建物はあるがもぬけの殻です。



もうすぐ遊覧船乗り場…


廃業した遊覧船の建物が…

船も無いし人気が無かった。 後で知ったが、だいぶ前に遊覧船は廃業したと知る。 こうなると今日の予定が少し狂った。 道路端に車を寄せて乗り場まで行ってみた。 建物をくぐり桟橋にでると広い屈斜路湖から無情にも空っ風が吹き寄せてくる。 しかしここで見る景色は遊覧船のWEBの映像と同じだった。



中島



藻琴山噴火口


ここから見る湖の景観は紅葉が残って景観は素晴らしかった。 湖畔に人工物が無いから見渡す限り自然の美しさが見れる。  この景観を映像にしようと気合を入れて撮影してゆく。 放置され朽ちたボートもアイヌの支柱も映像のアクセントになった。 対岸の湖畔の紅葉も捉え藻琴山の噴火口もズームで撮る。

車に戻り湖畔道路を走ると砂場という駐車場があり数台の車が止まっている。 もう一度撮影を始めようと、車を乗り入れる。 数組の観光客が散らばっていた。 記念撮影をしてから妻と思い思いの場所から撮影していく。 その後、風が強いのでレストラン内に入る。 砂場は湖畔を掘ると温泉が湧き出るといい、飲める温泉の案内もあった。 ここで妻はソフトクリームを食した。 北海道ではソフトがお気に入りで美味しい。

 砂場



道道52号線
旅の予定を急遽変更。 摩周湖の観光は明日だったが、午後の予定に繰り上げた。 この後、ナビに摩周湖を設定して出発します。 途中、川湯温泉街を通過して一路、摩周湖の第一展望台に向かった。
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