■ 知床自然センター フレペの滝と夕陽台 エゾシカ発見 ■

天候の関係で、午後の予定は知床自然センター、フレペの滝、夕陽台に決めた。 これで知床八景のオシンコシンの滝、オロンコ岩、プユニ岬そしてフレペの滝、夕陽台の5ヶ所となる。 残りは明日に回した。
ウトロ港から知床峠方面に向かう国道334号線と知床五湖方面の分岐点にある知床自然センターに向かった。 距離的には大した距離でないが登坂と知床の状況を考えてスローペースで走る。


知床自然センターでは知床の自然と共生するルールとマナーを発信している。 今日の訪問ではセンター改装中で仮センターが開いていた。
知床は亜寒帯気候に属し、本州に比べて寒冷で降水量は少ない地域です。 知床半島は高い山が連なり海に突き出る様に局地的な気象条件がある。 1400〜1600m級の山々の知床連山は気象条件、植生条件でみると本州の3000m級のアルプスに仇敵する。 四季を通じて厳しい自然環境の中で行動するには天候を事前に確認しておくことが大事と知る。

知床自然センター



しれとこ100平米運動ハウス

このため北海道の旅ではハイキングシューズやリュックなど登山の準備を用意していた。 使うかどうかは現地で決めようと車のトランクに準備していたのが幸いした。 天気が悪ければ中止しかない。 以前、中央アルプスの木曽駒ヶ岳に登山した時、天気が悪化し中止し、2週間後に改めて山頂に登山したことを思い出した。 無理のない計画が楽しい観光になる。 ハイキング装備で出発。






ステッキを3本用意。 そのうち1本には鈴が3つつけてある。 3つとも音色が高音、中音、低音と異なっている。 妻が2本、私が折りたたんでリュックに。 曇り空で夕方の様な空模様です。 雨の降った後だから足元は水たまりがある。 ここからフレペの滝まで約1qと案内板があった。

■知床のルールとマナー
…野生動物とのトラブルを防止…
1.野生動物に近づかない。
野生動物とは一定の距離が必要だ。 至近距離に近づくと動物にストレスを与え、結果、威嚇してくることがあり危険な行為だ。 そのため道路で野生動物を見つけても車から降りない事。






地面が水たまりで軟らかく底が厚いシューズだから足元が楽です。 両側に熊笹が生い茂り、まばらで樹木が広がっている。 見通しは悪くないが、ヒグマに出逢わない為にも見通しが良いほうが安心する。

2.餌を与えない。
餌付けは野生動物の生き方を変えてしまう。 人の食べ物の味を覚えた動物は再び食べ物を獲るために人間に近寄り事故や動物の野生を失ってしまうことになる。 人間の生活エリア内に入り重大な事故になったり、後から来る観光客にまで脅かす結果になる。 またゴミは持ち帰りが人としてのマナーだ。 ゴミを捨てる行為は野生動物と同じ行為だ。 珍しいと勘違いして餌付けやゴミの投棄は止めるべきだ!






ハイキング道が斜面を下るようになり、滑らないように注意する。 観光客と時々擦れ違うが、白人がランニングで登って来た時は正直驚いた。 ヒグマに追いかけられているのと勘違いした。 声掛けしたら日本語で「トレイルランニングだ!」と、云われ恥ずかしかった。

3.ペットを連れて歩かない。
ヒグマの生息地で犬などを連れて歩くのは自殺行為だ。 ヒグマは人の存在に気付くと身を隠すが、犬などはヒグマに気付いて吠えかかり、ヒグマは人に向かって行動するかもしれない。 犬などが知床の環境にない種や感染症を持ち込む恐れがある。 ペットの愛好者のマナー違反は、自分の人格を落としてるのと同じだ! ちなみに私も愛犬家です。






林がまばらになり平原になった。 これだけ下ったから帰りは上りだよと声掛けする。 まだ妻の足は元気なようで少し安心する。 見通しが良いから遠くが見通せるが、フレペの滝はまだ見えない。 道が交差する所で、一方は車両の轍がある。 案内板にフレペの滝500m先とあり、まだ半分しか歩いてなかった。

4.車の走行はゆっくり走ろう!
自然の残る山々の道路は多くの野生動物が道路を横断する。 人間が彼らの生活圏に入って行った結果、動物との接触が起こる。 自然と共生しよう、動物の事故死は運転者と同乗者の注意で大半の事故は防げる。 そして自然と動物の共生をして、日本の自然を大切にしましょう!










「あと500m頑張ろう」と妻に声掛けする。 ヒグマに出逢わないよう大きな声で喋るがだんだん小さくなった。 右手に丘が見えて、そこに黒い塊が二つ見えた。 一瞬ヒグマと思ってデジカメで覗いたら岩の塊だった。 夫婦連れと擦れ違った。 薄暗い空で気味が悪いねと足早に歩いてきた。 「丘を越えた所だよ」と云われホッとした。 後から若い男女が追い付いてきた。






オホーツク海が眼下に見え、切り立った絶壁が現れた。 思わず「わぁ〜!」と声を出してしまった。 目も眩むような高さと絶壁が垂直に海に落ちている。 柵で囲われた先端部に展望台が設けてある。 西側から見た対岸にはウトロ崎灯台が見えた。 ここまで約1qを歩いてきたが、世界遺産のために施設はすべて木製だ。 自然を壊さないように工夫していた。 

ウトロ崎灯台




知床半島、プユニ岬東側の断崖からオホーツク海に流れ落ちる滝がフレぺの滝で、知床八景の一つで落差60m、断崖の高さは80mある。 知床連山を水源とした地下水脈の滝で河川を持たないから水量は少ない。 断崖の割れ目から滲みだした水が、涙の雫のように斜面を流れ落ちるから乙女の涙の別称がある。 ウトロ崎灯台、フレぺの滝、絶壁の美しさを三脚を駆使して撮影。 構図を考える楽しみもあり時間をかけて撮影した。 最後に記念撮影。



海鳥の巣が上にあるようだ!


ヒグマを連想しそうな遊歩道から帰路は自然に足早になった。 それでも登りの道に妻は辛そう。 妻のペースに合わせ途中で休憩も入れた。 帰路でも観光客と擦れ違う。 人気が無いから人と会うと何故だかホッとする。 ようやく知床自然センターに戻り、仮センターで資料をもらい車に戻る。 最後の目的地は知床八景の夕陽台です。 現在2時半。

宿泊するホテル近くに知床森林スポーツ林がある。  ここは林野庁が指定したレクレーションの森で、「国設知床野営場」です。 キャンプエリアに散策コースもあり家族連れが知床を旅するには絶好の場所だ。 この区域内に夕陽台があり、オホーツク海に沈む夕日は絶景と云われる。 今日の天気は雨のち曇りだから期待はしないが行ってみることにした。 春から秋は夕陽が海面に朱色の筋をつくり、冬には一面の流氷が黄金色に染まるらしい。





この後、夕陽は見れなかった

そして夕陽台で朱色の海は見れなかったが神様が最高のプレゼントをしてくれた。 ウトロの町は断崖の地形で、町の中心は海岸沿いだが高台に向かって町がのびている。 国設知床野営場からホテルにナビを使わず走ったらB&G財団斜里海洋センターのスキー場のそばに行ってしまった。 夕暮れになる時間帯でホテルを見つけようとノロノロ走ると、立派な角の雄エゾシカを発見! 停車し、デジカメもって背をかがめ草木に隠れ、エゾシカの自然の姿を望遠レンズで撮影。














今晩のウトロ温泉 ホテル知床は、今回の旅で一番高い料金だった。 旅日程を組む時、前半は安い料金で、次第に高い料金の宿にした。 旅の初期から次第に期待が膨らむ効果を狙った。
ウトロ温泉 ホテル知床


チェックインして部屋に案内されると、久しぶりの豪華な部屋だった。 特別和洋室でゆったりとした部屋で、妻の顔を見ると破顔してる。 荷物を広げても窮屈さを感じなく過ごすことができる。 ウトロ温泉も海と山を一望できる広々とした浴場で、露天風呂も格別の感がする。 美人の湯と云われるウトロの源泉掛け流しの温泉風呂は旅して9日目も大満足の宿になった。 疲れも十分に癒せる宿に妻は大満足で、プランした私にとっても得意気になる。


夕食は広いエリアでバイキング。  お客は多いが、すし詰め状態でなくゆったりとした食事を楽しめた。 ここでも海鮮料理を中心にテーブルがお祭り状態! 体重が増えそうだ! 今夜はデジカメの充電だけセットして、部屋で寛ぐ時間を増やした。 食後の露天風呂も楽しみ、冷たいビールも美味しい! 妻も支笏湖で買ったリンゴを食して美味しそう! 大袋で購入したリンゴは毎日食してるから半分になった。 明日の天気は雲は多いが晴れの予報だった。 出発はのんびりして出発したい。

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