■ ウトロ港から五湖フィールドハウスへ ■
北海道に来ていくつかの期待があった。 それは各地域を観光してドライブを重ねるうちに、ヒグマ、キタキツネ、エゾシカ、丹頂鶴など、北海道の動物との遭遇を期待していた。
もっともヒグマは恐怖の方が優先するから困るが、他の鳥獣類は大歓迎だ! 旅も半分を消化して、知床に入り昨日は大きな雄のエゾシカに遭遇できた。 エゾシカの巨大な角は、この目で見て実際驚いた。 これから知床の秘境地帯に入るから遭遇に期待したい。


埠頭から駐車場に戻り車に乗り込もうとした時、隣の車の観光客が騒いでいた。 どうしたのかと見ると、レンタカーのタイヤがパンクしている。 その人達にタイヤ交換をできるか確認したら、経験があると云う事でホッとする。 レンタカーの場合、手間取る事があると聞く。 それではと、ナビに五湖フィールドハウスをセットしてスタートする。 ウトロ町の交差点を左折して船から見えた登坂に向かって走る。






プユニ岬に向かって走り道路の側帯に数台が駐車できるようになっている。 そこに停車して、再度ウトロ町の景観を撮影した。 夕陽の綺麗な場所だけに何の変哲もないが、昨日よりは綺麗な映像を残せた。 この後、五湖フィールドハウスに向かうが国道334号線は知床峠経由で羅臼に向かう道で、途中で五湖フィールドハウス方面に岐路する。 その場所で知床峠への道が閉鎖されていた。 「エッ〜〜〜!、ちょっと待ってよ〜!」ここが閉鎖されたら今日の予定が大幅に狂ってしまう! 悲鳴に近いような声で急停車した。

プユニ岬から見えるウトロ町

なんだ!
分岐路で左折、「?」

羅臼方面通行止め!

知床峠方面は通行止めの標識があり、午前10時過ぎに解除と看板が出ていた。 この表示を見て今度は「なぁ〜んだ!」と拍子抜けの気持ちになる。 とりあえず安心して車を再出発した。 岐路から五湖フィールドハウスに向かって道道を走る。 上り下りしながら知床連山の山麓を走る景観が次第に良くなってきた。






黒い雲海が次第に薄くなり晴れ間がのぞいてくる。 山麓は終わりかけの紅葉と針葉樹によって色彩感が良くなってきた。 急ぐ必要が無いから途中で撮影しながら走る。 樹林の間を注視しながら獣類を見れないか妻が凝視している。 黒い塊がヒグマに見えるときもあり、車内にいるから妻も安心してるようだが、ヒグマが襲ってきたら車内でも安心は出来ないと説明する。






山麓道路を走行している時、道路上にキタキツネを発見した! 思わず徐行して路肩に寄せて停車した。 対向車も同様に距離を開けて停車した。 キタキツネの一連の動きを一部始終撮影しようと準備する。 こちらを見ながら様子見してるようだ! キタキツネもどうしようか迷っている様で、向かう方向を探している。 対向車から男性がカメラを持って降りてきた。 キタキツネは私たちの横を通り抜けて去っていくが、車窓からカメラで連写していく。 その一部始終が以下の映像です。



四肢が太い!


■キタキツネ1…
キタキツネは北半球に広く分布するアカギツネの亜種で、日本では北海道、樺太や周辺の島礁部に生息している。 日本では1924年(大正13年)に岸田氏が命名し現在に至る。 本州、四国、九州に生息するホンドギツネより全体的に大きく、耳の裏や四肢の足首が黒いのが特長だ。 大陸系のアカギツネと相似点が多い。





■キタキツネ2…
キタキツネは北海道の平地から高山帯まで広く生息分布して、ネズミやエゾユキウサギ、鳥類、昆虫などを食べる。 秋には果物や木の実も食べる。 今日のように昼間に道路上に出現し観光客に餌をねだったりする。 町のゴミ捨て場の残飯を狙うキタキツネもいる。 土手の穴倉に巣を作り、春先に子どもを生み秋にかけて雌が育てる。 雄は単独で行動し子育てはしないという。 人間の世界でも同類の人がいる。 人間も地球を支配してるように自負してるが、宇宙から見れば同類だ!

撮影は成功しキタキツネと分かれ再び山麓道を走り出したら、またキタキツネと遭遇した。 この一帯はキタキツネの生息数が多い様だ! キタキツネを刺激しないように撮影をした。 今度のキタキツネは体長が先ほどより幾分小さい。





■キタキツネと人間のかかわり…
野生動物のキタキツネは、人から食べ物を与えられない限り頭数のバランスがとれているが、 人が干渉することによって生態環境に悪影響が出てくる。 さらにキタキツネを媒介する感染症も問題で餌付けや干渉をしないことが大切と知る。 ペットなどがキタキツネ間で感染も危惧されている。



一湖だけの高架木道の観光路出入口


知床五湖センターの案内所
そうこうしてる内に五湖フィールドハウスに到着した。 広い駐車場は綺麗で整備されている。 繁忙期は駐車料金が必要だが、秋口は無料だそうです。 一湖だけの高架木道の観光路は短時間の観光客向けや身障者にとっては便利なコースだ。
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