■ 知床五湖の散策は大成功に… ■

知床は日本が誇る世界自然遺産です。 北海道東部にある知床半島は北半球の流氷の南限であり、特に流氷下の栄養豊かな海水が多くの植物性プランクトンが、 多種多様な生物が生育生息する地域です。 知床に生息するシロサケ、カラフトマス、サクラマス、オショロコマがオホーツク海と河川を往来し、 これを重要な蛋白源とするヒグマやシマフクロウ、オオワシ、オジロワシなどの大型哺乳類や、 絶滅の恐れのある猛禽類、海の獣、海鳥など様々な生き物が生息し、 北方系、南方系の野生動物が混在するなど、海陸で自然連鎖の形態をつくっている。






自然が残された散策道は三湖の周囲を回るように妻と歩いて行く。 後から追い付いた観光客は挨拶はしても暫くすると先に行ってしまう。 ちょっとの間だけ同行してるが、いつも前後には人気が無かった。 そんな中で「チリ〜ン!、チリ〜ン!」の杖の鈴が樹林に木霊する! 静かな散策路でこの音色は遠くへ響いている。






散策道を歩いて思う事は、火山活動で形成された知床連山を中心に山麓を覆う原生的な森林、 切り立つ海岸断崖、多くの湿原や湖沼など様々な景観を見せてくれる。 まさに凝縮された自然美を楽しめる。 自然遺産の登録の対象地域は知床半島とその沿岸海域で、日本で初めて海洋を含む自然遺産登録となった。 歩き続けて樹林の間から三湖の姿がチラチラ見える。






自然遺産地域は環境省や林野庁によっていろいろな保護地域に指定され、 自然環境の保全が担保され、原生的な自然環境が破壊されないよう残されている。 過去に自然遺産地域で農業開拓がおこなわれたが、 その地域は民有地をトラストによって公有地化して保全し、昔の自然を復元する取り組みもおこなわれている。 視界に樹林を通して三湖の全貌が再び見えてくる。






三湖は周囲の湖畔を半分ほど歩く散策道で、特に湖畔沿いの散策道は景観が変化し、歩きながら景観を楽しむ事ができる。 天候が回復して快晴の状態になり撮影は順調に進んだ! 見つけた古木も反対に回ると内側が抜けていた。 まだ生きているようだが、いずれ次の世代に変わり倒木となり自然に帰るわけだ!






古木のことを考えていたら本当の古木の倒木を見つけた。 中は空洞で散策道を塞ぐように倒れている。 それを横に移動しただけの自然への取り組みがおこなわれている。 2011年から散策道の入場制限が始まった。 また事前のレクチャーの義務付け有料化などが導入され、 知床遺産を保護するため、知床の知識やマナーの徹底をレクチャーしてくれる。 ちなみに私達も10分ほどのビデオによるレクチャーを受けた。






レクチャーによる必要性を学んで、今ここにいるわけだが、 この景観の中に足を踏み入れて歩いていると、知床がこれからも守り続け次の世代に残したいと思った。 散策道も必要最低限の整備しかしてない事がわかる。 だから散策するというより、大昔の自然の中を見学してる様な錯覚になる。…ここは知床博物館?






三湖の湖畔はまだまだ続く。 三湖の周囲を回り湖が変化して見えてくる。 視点を上に向けると三湖の背景に知床連山が見えてきた。 白い雲が点在するほど青空が広がり山頂の雪が綺麗だ!





知床五湖は斜里町に存在する秘湖だが、五湖と総称して一湖から五湖までの名前がついている。 しかし元々湿地帯にあるから融雪期には数が増えるそうです。 五湖の周辺の窪地にまで水面が広がりアチコチに小さな池ができたり五湖と繋がったりする不思議な五湖だ!






大樹の日影の中で、朽ちた古木を見ると、ついついヒグマを連想してしまう。 厳冬期に向けて今は食欲旺盛のはずだ! 子供のヒグマのそばには必ず親ヒグマがいると思った方がいい。 撮影しながら周囲をズームで見張る行為をしてる。 まぁ!安全を最優先して損はしないから、散策はどうしても遅くなる。 他の観光客に追い越されるのが唯一の救いだ。














三湖の姿を最後に見て、先に進むと知床連山に向かう形になる。 暫く樹林帯を抜けると二湖の端が見えてきた。 位置的に、あきらかに二湖の湖畔に近づいていた。 樹林が少なくなり明るくなり視野が広がった。 この付近の樹林はシカの食害だろうか木肌が剥けているのが多く、倒木も多かった。






広がる二湖の湖畔の木道が少し幅広の部分があった。 湖では必ず記念撮影してきたが容易に三脚が立てられた。 妻も疲れたようだが気に入った散策だから苦言は言わない。 両手をフリーにして、久しぶりに休憩。 ここまで不思議に鳥獣類に遭遇しなかったが、見通しの良い周囲を見てもその気配は感じられなかった。

二湖に到着



ここで少し休憩




今まで通ってきた散策道は、5月1日〜7月31日まではヒグマの活動期で、登録引率者が同行して観光することができる。 ヒグマ対処法や環境保護の知識を学び、定員10名のツアーが組まれる。 それが一定時間ごとに出発し、約2時間半の有料ツアーとして事前予約制になった。

8月1日〜10月20日の期間は植物保護期で、引率者無しでも自由に散策できる。 但し五湖フィールドハウスで立入認定の手続きが必要だ。
10月21日〜11月下旬の閉園までは自由利用期で立入認定の手続きは不要で自由に散策できる。 しかも無料です。 そして今日は10月21日で、今日から無料で自由に散策できるわけだ!










しかし無料だからといっても、レクチャーだけは受講してきた。 知床は夢に見てきた旅してみたい所だから必要な知識は学びたい。 二湖の景観が良く見れる湖畔で撮影に入る。 青空と凪の湖面が樹林の姿を反射して映像が映えます。 新緑の季節にはもっと良い映像が撮れるだろう。 心なしか次回の旅は夏に決めた。






5月の開園から昨日までは散策ルートを一回りできなかった。 今日からは全周を散策できるルートです。 この先、二湖から一湖へ続くルートは今日から解禁と云う訳で非常に楽しみにしている。 妻も満足そうだ!
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