■ 戸隠神社奥社に登拝 ■
長野、新潟の県境に位置する戸隠高原は厳しく連立する山岳が連なり古くから山岳信仰の場として知られてきた。 また、厳しい気候条件下で、特有の文化を発展させてきて、現在は戸隠神社を中心に戸隠そばや地産の野菜も美味しいです。
今回の訪問で初めて認識したことは、この地が国立公園になったことでした。 正式名は妙高戸隠連山国立公園で自然豊かな地域です。 それもそのはずで昨年、上信越高原国立公園から分離した新しい国立公園です。


金曜日の夜半に練馬ICから関越道、上信越道を走る。 5月連休も終わり高速道は渋滞無しの楽ちん走行。 やや遅めの一定速度で走ると運転がとても楽です。 戸隠奥社前の駐車場まで235q程で高速道を更埴か長野のどちらか迷ったが長野ICで下りた。 人気のない市内を順調に走って善光寺前を通過し、ここから山道になる。

戸隠ブルーラインは大型車は通行不可でバスは走らない。 といっても深夜に走るバスは無い。 暫くは急カーブの連続が続いて高原に出れば町並みは無くなり周囲は真っ暗。 街灯が無いから頼りは車のヘッドライトで上向きにして用心して走る。 動物に衝突はしたくなかった。 そば博物館前で暴走族らしき数台の車列と擦れ違い、暫く走ると院坊旅館街を通過。

山道をくねくね上りながら見覚えのある戸隠神社中社前で一時休憩。 一服してすぐ奥社前駐車場に向かった。 到着した時、ライトに照らされた場所には10台ほどの車があった。 朝になればすぐ満車になるはずだ! 車内で深夜テレビを見ながら缶ビールとおつまみを食する。 午前1時を過ぎて仮眠。

 早朝5時 戸隠神社奥社入口

静まり返った茶屋
駐車場前の道路

道路から奥社にスタート…

薄明るくなり翌朝5時に起床して車内でジーパンとハイキングシューズに履き替える。 上はTシャツ一枚、今日は快晴だから暑くなるはずだ! 登山の準備をしたグループが早出して古道を山頂に向かう。 戸隠神社奥社の脇道から戸隠連山への登山路があり途中には鎖場もあるようです。 5時半すぎて私も出発。

奥社入口付近の撮影を始めて古道に向かう。 失った映像を取り戻しにスタートしたから撮影の対象物はだいたい頭の中に入っている。 新しい対象物も探しながら人気が無い古道を歩く。

入口そばに石灯篭


古道はガスが掛かっている

さかさ川に架かる石橋

道路から100mも下るとさかさ川があり、その先に大きな鳥居が迎えてくれる。 清流の川を境に緩やかな登坂になる。 左方向の道は戸隠森林植物園に向かう道です。 鳥居前で礼をして参道に入り気持ちが引き締まる! 戸隠古道のどこまでも続く直線路が私のお気に入りです。

さかさ川の上流

戸隠森林植物園入口
さかさ川の下流

奥社入口
期待に胸を膨らませお気に入りの古道を歩き始めたがガスが掛かり神秘的な趣きがする。 倒れかけた古杉も自然そのままで足元の両側に流れる小さな川の流れも雰囲気が良い。
ガスが掛かっていて神秘的な趣き

最近は仕事の関係で花の名前を知る機会が多くなった。 小川のそばに小さな花を見つけ撮影したが何の花か判らない。でもいいや! 何の花か判らない

古道の両側に起立する杉の樹が多くなったり、隙間が出来たりするが、歩くにつれて密集した状態になる。 陽光が差し込むようになり、かかっていたガスは消えてきた。 石碑を見つけたが読めないほど古い石碑だ! 倒木した切り株に訪れる人々が積んだ小石が山になっている。



ガスが漂い、陽光が指してきた
読めなかった石碑

古道の両側の杉が年月を重ねた巨木が目立つようになった。 その先に、かすかに赤い門が見えてきた。 この頃、後から夫婦連れが追い付いてきた。 追い抜かれる前に撮影出来るか? 慌てず自分のペースで撮影しながら随身門に近づいたが、追い越されてしまった。 夫婦連れは撮影するポーズにお構いなく門前で見学、撮影して奥社に向かって行った。






随身門の映像の中に人が入ったので見えなくなるまでここで待機。 後から人の姿は見えないから他の撮影をした。 5分も待てば撮影チャンスが到来。 陽光を浴びて随身門(山門)の朱色が鮮明になり得した気分になる。 石灯篭を両側に入れた随身門、画面いっぱいに低い位置からの随身門、扁額、 門の両側に祀られる平安か室町時代風の随身像も上手く撮影できた。 門をくぐって振り返った映像は、門が額縁の様になり、絵の様な感じで気に入った映像になった。

 AM5時半 随身門







門から振り返って撮影

戸隠神社は奥社、九頭龍社、中社、火之御子社、宝光社の五社を配して呼称する。 随身門から先の両側には17世紀から植えられたとされる杉並木が続いている。 江戸時代までは随身門より奥の参道左右に子坊が建ち並んでいたという。 明治の神仏分離以後は景観から見てその面影は全くなかった。



まだまだ続く

…TVコマーシャルで紹介された杉には祠も…


振り返って随身門

子坊跡か?石碑が多い

暫くすると建物があった形跡の場所を見つけた。 足を踏み入れて奥へ入りながら映像を重ねるうちに一人の若者が追い越していった。 健脚の様で歩きが早かった。 いつの間にか小川が並行して流れているのを見つけた。 差し込む陽光に反射して美しかったので、林とともに撮影したが今一だった。

建物があった形跡が



このあたりから直線的な参道から山に登るような石段が続く。 緩やかな登坂から荒れくれた石段に参道は変貌し戸隠山に登る気配を見せる。 元々、修験道として開拓された戸隠信仰だから神仏習合の歴史が長い。

戦国時代、川中島の戦い当時は、多くの修験者と信仰者集団を抱えていた戸隠神社は武田、上杉両者にとって味方につけたい存在だった。 修験者は各地の情報に通じ多くの人々を引き連れたという。 善光寺や戸隠神社、飯綱神社を味方にするか敵に回すかは、極めて重要で多くの熾烈な戦闘が繰り返されてきた事は意外に知られていない。



参道脇、階段の奥に鎮座する飯綱大明神




休憩で振り返る!


さらに石段が急になり参道もくねくねと曲がり奥社に近づく。 随身門で追い越していった夫婦連れと擦れ違う。 もう帰るのか? 奥社はまだ開いていないのに…。 石段脇に小さな滝があり祀られている。 先程、追い越した若者が滝前でしゃがんでお祈りしている。 お祈りが終わり私も同じ場所に下りて祈願し撮影。 振り返ると社務所がある。





1/8秒のシャッター速度で撮影したら綺麗な糸状の滝映像が撮れた。 石段に戻り少し上がると手水舎がありここでお清めする。



手水舎

社務所からもう一段上が奥社の様だ! やっと到着して達成感を味わう。 奥社の手前に九頭龍社があり、奥社はもう一段上だった。 両社ともまだ時間前で開いていない。 戻った夫婦連れは神社が開く前に帰った。 小さなベンチがあり若者がここで待機している。 取りあえず九頭龍社と奥社の撮影をして時間待ちする。

 AM5時59分 社務所 社務所前から上方を撮影

暫くして社務所から人が出てきてまず最初に九頭龍社の社殿を開けた。 人が集まる前に撮影を済ます。 社殿内の撮影禁止の札があり内部の撮影はやめた。

■九頭龍社…
祭神は九頭龍大神で奥社の一段下にあり境内社のようだが、創建は奥社より古いがその時期は不明といわれる。 地主神として崇められ、戸隠山には戸隠三十三窟といわれる洞窟が存在し、それが龍窟にあたる。 社の右手上の盤座の上まで廊下が続き、そこが龍窟だそうです。 古くから雨乞い、縁結びなどの御利益がある。

九頭龍社 社の右手上まで廊下が続き、そこが龍窟
奥社の下段に整地された場所があり、よく見ると社跡が、 今後、新たに建てられるのかもしれない。
九頭龍社前から撮影

奥社のある下段に整地された場所
奥社のある下段に整地された場所

奥社

■奥社…
祭神は天手力雄命…(あめのたぢからおのみこと)で天照大神が隠れた天岩戸をこじ開けた大力の神で、 天手力雄命投げ飛ばした天岩戸が現在の戸隠山と云われている。 神話の世界は人間の夢が隠されていると思う。 廃仏毀釈までは聖観音菩薩を祀っていた。 戸隠三十三屈が奥社本殿内部にあるが非公開だから何があるかわからない。

奥社とその脇にある社も横に回ると岩山にくっついて建立されてるから、非公開の内部は本当かも知れない。 奥社のさらに奥に岩山から流れる小さな滝があった。 これも撮影する。



奥社の横に廻る



岩山から流れ落ちる滝

岩山にくっついた本殿

やがて奥社も開いて待機していた若者も祈願している。 今日一番の祈願で若者の表情は何か吹っ切れた感じの表情だった。 そして2番目で私も祈願した。 失われた映像を求めて来訪を伝える。 子供心に宿題をやった後の様に気が楽になった。 この頃から社務所付近が賑やかになり、多くの観光客が訪れる。

 AM6時10分

本殿の横にある社も開いて内部を覗いたが撮影禁止の札は無かったので撮影。 古い時代の彫刻、板に書かれた絵も当時の文化を見れる。 中央に戸隠大神と記され、改めて祈願。

奥社本殿は内部撮影禁止




ここは撮影禁止でない?




この頃になり観光客もグループ単位で訪れる。 長蛇の列ではないから少し待てば無人の映像を確保できる。 撮影漏れが無いか確認して随身門まで戻ることにした。 帰路の風景も時々撮影して奥社訪問の映像を残す。 擦れ違う人々と「おはようございます!」の挨拶や難儀してる人に「もう少しですよ!」と声掛けする。 足腰が悪くても、奥社に訪れる人の気持ちは理解できる。 帰路で気が付かなかった石仏を見つけた。 何か発見したことが嬉しい気持ちがする。 巨大な岩盤の下にある四体の仏像が祀られている。修験道時代の石仏か!



石仏をズームで撮影!

気が付かなかった石仏




晴れ晴れした気持ちで石段を下りた。 観光客とは時々擦れ違う程度で緩やかな下り坂になりもうすぐ随身門。 陽光も燦サンに降りそそぎ木々の間に陽が射し込む。 天気予報でプランした今回の旅計画は順調に進みそうだ!



随身門前…随身門横の自然道




入口にある案内図

随身門に到着し、ここから戸隠森林植物園に向かう。 期待しているミズバショウの映像を撮影するのが楽しみです。 喫煙したいがマナーを守りたい。 我慢できるほど旅スタートは順調にスタートできた。 随身門の前後には観光客が連なるようになってきた。 今頃、無料駐車場は満車でしょう。 整備された有料駐車場は最近できたようです。

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