■ 京都丹後 伊根の舟屋の歴訪 ■

旅計画の中で京都丹後地方に行くには二つのルートがある。 関越から上越、日本海に出て若狭湾に向かうルート。 または東名、名神で京都縦貫道で向かうルート。 どちらを選択するかは当日まで迷った。

結果的に第二東名が名古屋まで開通したから習熟の意味で後者の東名ルートから京都縦貫道で伊根に向かった。


仕事後、金曜日の夜半に環八から東名道を走る。 大きな混雑なく都心を抜けて高速に入れば夜間走行の貨物便はまだ少ない。 順調に第二東名に入り燃費もぐんぐんアップする。 静岡を通過する頃は14q/Lを超えた。

京都から天橋立に向かう京都縦貫道に入り、初めての走行になる。 縦貫道は片側1車線で所々で追い越し用の2車線幅になる。 何処にカメラがあるかわからないから、ここは地元の車両に追随していく。 深夜2時ごろは通行車両が少なく地元の車両に出合うのに時間を要した。 この縦貫道の距離感と所要時間を把握することは今後、山陰地方の旅紀行に重要です。

深夜の午前4時過ぎに伊根の道の駅に到着する。 広い駐車場を大きく周回して全体の位置関係を把握して伊根湾に近いエリアの端に駐車した。 駐車場にはキャンピングカーも含めて約10台の車両が止まっている。 天橋立のコンビニで買った350mlの缶ビールで喉を潤し一服してから車内で仮眠する。 妻は富士山麓あたりから熟睡している。 PAに入る時にトイレ休憩するぐらいで、今回はよく眠れたようだ!

横に船のスクリューがあった

物産館とレストラン、案内所の2棟
道の駅は舟屋に合わせて木造の建物

道の駅のシンボルは魚をイメージ

道の駅は「舟屋の里 伊根」が正式名称で伊根湾を望む高台の所にあった。 仮眠もそこそこに空が明るくなり睡魔は無くなる。 今日は移動もあるから運転には細心の注意をしなければならない。 水分を多めにとり新陳代謝を…。 道の駅は朝5時を過ぎて明るくなった。 伊根湾の展望を見ながら駐車場を歩き回り車に戻ると妻が起きてきた。 洗面所で洗面してトイレしてもう少し明るくなるのを待った。 早朝のブラックコーヒーも美味しい。 妻も昨日、コンビニで買ったパンを食している。



1階は案内所、2階がレストラン

陽が上がらないうちに撮影する人がいた

道の駅、舟屋の里 伊根の建物に地元の人が出入りしてる。 清掃の人が駐車場内や建物付近を清掃しながら移動していた。 早朝にもかかわらず建物が開いていて中に入ると伊根湾と伊根町の紹介がチラシやポスターで掲示されていた。 それらを仔細にチェックしながら今日の予定をまとめていった。 道の駅のレストランに出入りしてる人に旬の食材を聞いてみた。 伊根漁港で揚がった新鮮な活魚を提供するのが一番で、今朝も帰港しつつある各漁船の旬な食材を楽しめると教えてくれた。

6時半頃は妻と一緒に道の駅の散歩をする。 車から出てきた人がさかんに撮影を始めている。 私も撮影の衝動にかられたが、まだ陽が十分に上っていない。 7時頃から撮影をしたい。 展望台から伊根湾を望みながらこれとあれという感じで構図を考えてみた。 湾内にはあちこちから漁業が終わって帰港する舟が戻って来た。 下の伊根漁港に着岸していく。

雲量が多い早朝

展望台の右側景観
展望台の左側景観

仕出しの車が出入りしている

湾を取り囲むように立ち並ぶ舟屋群は海から見る景観や、民宿として営業してる舟屋から見る湾の景観は伊根町の代表的な特徴ある景観です。 7時近くなり陽光が差してきたので撮影を始める。 妻も思い思いの所から撮影している。 舟屋群は江戸時代中頃から存在し200棟以上が存在する。 伊根浦として漁村では全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

展望台から対岸を撮影




舟屋は伊根湾の海面に迫り出して建築され、1階に舟揚場、物置、作業場があり、2階が居室になっている。 切妻造りの妻面を海に向けて建てられたものが約9割で、1階部分の床は舟を引き上げるために傾斜している。 1階の作業場は出漁の準備や手入れ、干し物の乾燥や農産物の置き場に使われている。 パンフレットには土台や柱は椎の木で、梁は松の原木を使用していると記されている。

展望台から対岸を撮影
陽光が差してきた





伊根湾の展望台からの撮影も一段落して、一服と再度コーヒータイムする。 この後、パンフレットで知った伊根湾マップで端から端まで車で移動することにした。 レストランの準備をしていた人にマップに沿って車が走れるか聞いてみた。 道は細く大きな車では難しいが、今の時間帯なら車は走らないから注意して観光するようにと言われた。

この先は行き止まり!

私たちの処に着岸した漁船
帰港した漁船

撮影は後回しにしてゆっくり徐行して島の端に向かい、とうとう行き止まりの処まで来た。 距離と道幅が判ったので復路では停車し撮影しながら戻ることにする。 半島の先端では湾に出入りする漁が終わった漁船が戻ってくる。 見てると丁度、私たちの処の舟屋の人で、目の前の舟屋に横付けしてくる。 舟の操船も的確で、自宅に車の車庫入れの様にスムースに操船していた。 話しかけようとしたが、結構忙しく、手早く魚や漁具を降ろしている。 とても話せる状態じゃないと判断して撮影だけにとどめた。

舟屋の民宿




迷惑駐車でない所を選んで、撮影を始める。 海辺ぎりぎりの所に舟屋が軒を連ねて並んでいる。 その細い路地を通って海辺に出ると、まるで海に浮かんでいるかのような錯覚を起こす。 独特の景観を対岸も含めて構図を探しながら撮影していく。 撮影の醍醐味を味わっています! 舟屋を間近で見ると、一瞬何処かで見かけた感じ? あっ!そうだ、TV番組の鉄腕ダッシュで無人島に舟屋を建てた、あの舟屋と同じだ! 伊根の舟屋をモデルにした1階が舟屋のガレージ、2階が居室の独特な建造構造です。






湾曲した湾内の道路から見える連立した舟屋の景観を撮影していく。 路地から湾内に出ると、その都度、同じ景色が角度が変化して構図の中に飛び込んでくる。 嬉しい限りだ! 対岸の舟屋群も朝日を浴びて彩色が映えてくる。 最初から撮影した映像と比較して色合いが良くなり撮影枚数がどんどん増えてくる。 きっと帰宅してから映像の選別に苦労するかもしれない。

昭和6年に舟屋群の道路拡張工事で、主屋と繋がっていた舟屋や倉庫が分離された。 海側が拡張工事により舟屋や倉庫群が移設され、その間に4mの道路をつくったという。 湾の形にあった各家々が、その形のままに間に道路ができたから、変則的な道路になっている。










路地にバス停の標識を見つけた! と云う事は、もうすぐバスと擦れ違う時間帯になる。 早めに湾中央部の広い道路まで戻った。 郵便局前で道路は広くなり擦れ違いができ、このあたりは港湾工事用の船や岸壁がある。 自然の伊根湾のさらに奥まった所に小さい防波堤で囲まれた水産物荷揚げ場がある。









伊根工房とギャラリー舟屋

水産物荷揚げ場にはまだ船は無かったが、掃除をしてる人に聞いてみたら、明け方荷揚げがあり、今は一段落、この後また船が着くという。 山側に伊根工房とギャラリー舟屋の建物がある。 平屋建てで看板が無ければ素通りするだろう。 おまけに土日祝しかオープンしないという。 伊根焼きの皿やカップ、置物があるようです。 今日は木曜だから閑散としていた。 隣の交流スペースには伊根の漁具などが展示してある。





広い駐車場がある

伊根工房とギャラリー舟屋前から移動すると道路が綺麗に舗装されている。 今までは伊根の居住区の道路が、観光用の道路に変貌した。 そのお洒落な道路を進むと広い駐車場があり、岸壁には釣り人が10人ほど釣りをしている。 専用駐車場で入れないが道幅の広い道路端に車を止めて、ここからも撮影ポイントを探す。 対岸が近く陽光もあり良い構図の映像を確保できた。 右方向の岸壁に子供達が遊んでいた。 どうやら公園のようで向かいます。

駐車場の岸壁から撮影

駐車場の岸壁から撮影



公園で子供が遊んでいる

伊根町伊根浦重要伝統的建造物群保存地区

公園前の道路は駐車場も整備されていて近隣に宿泊した人の車両も駐車してある。 関東ナンバーも2台ほどあり、少なからず驚いた。 公園入口に伊根町伊根浦重要伝統的建造物群保存地区という長い名称の案内がある。 日本海の若狭湾に面した伊根湾は入口に青島という島が防波堤代わりをした独特の地形で、 湾内は半島が海に落ち込み深いため波が起こりにくく、且つ潮の干満差が50p位しかないという。 これが舟屋発祥の原点かも知れない。 因みに、海面と岸壁の差は50p位か、もっと小さいかもしれない。

公園から撮影

向井酒造の酒蔵群


公園で喫煙したり、自販機でドリンク休憩。 妻もベンチに腰を下ろしてのんびり景観を楽しんでいる。 公園は伊根の撮影スポットの案内がある。 左方向は日が当たらないが連なる舟屋を至近距離で撮影できる。 右方向は陽光があたり、どの構図もくっきりと映えた映像が撮れた。





向井酒造の酒蔵群




民家が連なっていたが、ここから細長い倉庫群や塀が現れた。 中央の入口に向井酒造の看板がある。 お洒落な入口は小さいが酒造の形だ! 創業250年を誇る伊根の造り酒屋です。 女性の杜氏で独創的な酒が人気らしい。 入口には試飲もできそうだ! おまけに「伊根清酒のアイス」もある。 今飲んだら、きっと寝てしまうだろう! 反対側の倉庫の壁に「京の春」、「竹の鶴」の名が描かれている。 撮影してたら倉庫からおやじさんが出てきて目が合ったので挨拶と酒造りの会話を少しした。

 向井酒造の景観








京都の日本海側の観光名称のひとつ伊根の舟屋では、度々ドラマや映画のロケ地として選ばれている。 向井酒造を過ぎて先に進むと、広い岸壁があり伊根湾巡りの遊覧船が現れた。 春から秋にかけて日本三景の天橋立と伊根間を往復する観光船がある。 しかし伊根航路は土日祝の1日1便しか運行されない。 この遊覧船も同様に湾内巡りができるが運行日が限られている。 なんともシニア世代にとって不便極まりない。



伊根湾巡りの遊覧船

この先に町役場がある



伊根町のバスは中型

8時を過ぎて遊覧船乗り場に駐車して記念撮影してたら伊根町のバスがきた。 遊覧船乗り場が停留所で中型バスから一人の中年女性が降りてきた。 道路を横切り遊覧船乗り場の案内所に入って行った。

バスは出発したが、このバスだと反対側の道路では絶対擦れ違えない。 早々と観光して正解だった。 この後、伊根町の外側を周回して天橋立方向に向かう。 早朝から約3時間で伊根の舟屋を観光した。 早起きは三文の得!

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