■ 日本三景 天橋立の展望所巡り ■
午前8時過ぎに伊根町を出発して天橋立に向かう。 夜半に通過した道路を戻る形になり、途中で笠松公園に寄り道する。 ここは天橋立ビューランドの反対側にあり天橋立を逆の形で眺望できる。 天候は陽は登ったが雲海が厚く朝方のため靄がかかっている。 眺望はそれほど良くないと思うが寄り道。
笠松公園前に到着したら思いのほか混雑している。 とっさに判断して、それなら成相寺の展望台に向かうことにした。 笠松公園よりさらに高い位置に成相寺展望台があり参拝もできる。


笠松公園には平地に駐車してロープウェーで上がるが、成相寺展望台は車で直接上がる。 数分走って成相寺入口があり、ここから道路を山の頂上に向かって走る。 結構、急傾斜の道路だが車の通りは少ない。 成相寺の入口で管理人に入山料500円の料金を支払い、さらに急坂を登ると展望台に着く。 数台の車両が止まっているだけで風が気持ち良い。

しかし天候が低い雲海と靄に遮られて眺望は最悪だった。 天気が良ければ、天橋立や宮津湾全体の眺望が見渡せる。 午後に訪問した方が陽光に映えるから次の機会に残しておく。 笠松公園でも同じだろう。 ガッカリしたが記念撮影も含めて撮影だけは進めた。 今回の旅ですべて天候が良いとは虫が良すぎると思う。 天気予報では今日は晴れだったが…。

■天橋立の眺望…
眺望の良さで顕著なのは斜め一文字と飛龍観が有名です。 成相寺展望台や笠松公園からの眺望は「飛龍観斜め一文字」の眺望と云われる。 名前の通り斜め一文字に見える景観からこの名前が付いた。


宮津湾の眺望


成相寺展望台碑石

天橋立「飛龍観斜め一文字」の眺望


巡礼堂(観音堂)

展望台から成相寺の入口に戻り、ここから参拝に向かう。 駐車場から境内に向かうと成相寺の中腹の様だ。 最初に向かうは巡礼堂(観音堂)です。 堂内に西国三十三所の霊場の各御本尊が安置してあり、 巡礼堂(観音堂)に参拝すれば西国三十三所巡礼と同様の巧徳、御利益があると云われる。 巡礼堂(観音堂)の前に一願一言地蔵がある。 唯一願いを一言でお願いすれば、どんなことでも叶えてくれるという。 参拝してから上方に本堂が見える。 撮影したが全体像が撮れないので石段を登り斜め方向から撮影する。


620年前の一願一言地蔵


十王堂…孔雀明王、閻魔大王、賓頭盧尊者

巡礼堂前から見上げる


本堂

本堂の境内には多くの堂や観音像があり撮影を重ねていく。 十王堂は孔雀明王、閻魔大王、賓頭盧尊者が安置されている。 熊野権現社は1676年に建立され、成相寺に現存する最古の建築物です。 石柱の中にもう一つの石の輪があり、これを回すとお経をあげたことになる珍しいものを見つけた。 撮影が終了してから本堂内に入る。 堂内の奥に入り、中央の厨子内に本尊の聖観世音菩薩前で座禅を組み、般若心経を唱える。 これで気持ちがすっきりする。 今回の旅が成功裏に終了するように祈願した。

■成相寺…
成相寺は山号を成相山、西国三十三所第28番札所。 本尊は聖観世音菩薩で真言宗単立です。 704年真応上人の開基で、2007年、高野山真言宗から独立し単立寺院となった。 天橋立を一望する成相山(570m)の山腹にあるが、創建時はさらに上方に位置して修験道のお寺だった。 現在地に移ったのは1400年(応永7年)の山崩れ以降です。 雪舟の「天橋立図」(京都国立博物館蔵)には山号が世野山成相寺と書かれた寺がある。

■鉄湯船…
国重文で1290年の鎌倉時代に鋳造された工芸品です。 成相寺の湯船として使われていた。 直接はいるのでなく湯釜に沸かした湯を入れ、かかり湯をするために用いられた。 後に、薬湯を沸かして怪我や病気の人を治療したとも伝わる。



鉄湯船
熊野権現社

車で参拝したから仁王門をくぐることは無かった。 笠松公園からバスで参道を上がると仁王門に辿り着く。 案内によると仁王門は入母屋造単層の八脚門です。 本堂は1774年(安永3年)の再建で、本堂には中央に本尊の聖観世音菩薩、左側に地蔵菩薩坐像、右側に千手観音立像が安置されている。 仁王門の先に五重塔があるが1998年(平成10年)に鎌倉時代の建築様式を再現して建立された。

■撞かずの鐘…
恐ろしいお話をしましょう! 1609年(慶長14年)新しい梵鐘を鋳造する為、近隣に浄財を求めた。 寄進を求めた時、裕福そうな女が、子供は沢山おるが、お寺へ寄付するお金は無い。と厳しい目で断った。 やがて鋳造の日、大勢の見物客の中に例の女も乳呑み児を抱いて見物していた。 そして銅湯のるつぼの中に誤って乳呑み児を落としてしまった。 このような悲劇で出来上がった鐘は美しい音色を山々に響かせたが、母親を呼ぶ声の鳴き声に似て、 人々はあまりの哀れさに子供の成仏を願って、一切この鐘を撞くことをやめ、撞かずの鐘となったという。





撞かずの鐘

駐車場に戻った時、はじめはお父さんだけで行って、と話していたが、やはり一緒に行けばよかったという。 あとの祭り!でした。 お寺は真言宗だったよ、とはなして終了! 駐車場から湾内道路に戻り、次の目的地はJR天橋立駅に向かいます。 天候は雲間が取れてきて海側は青空が広がり、どんどん天候が良くなってくる。 10時近くに駅舎駐車場に到着する。 駐車場は30分以内の利用制限がある。 駅舎内の観光案内所に入ってパンフレットを貰い、夕方までの猶予で観光ルートの説明を受ける。

大賑わいの天橋立駅舎

モノレールとリフト乗り場
天橋立ビューランド入口

リフト乗り場

最初に向かうは、文殊山の天橋立ビューランドで大人から子供まで楽しめる施設だ。 展望台の股のぞき台もここにある。 駐車場は利便性、敷地の具合で一日500円から1000円まであり、多くが700円の場所が多い。 私達は駅舎の裏手、文殊山に近い駐車場に入った。 一日500円で空車があり良い場所に止めた。 ここから歩いて2分の所に天橋立ビューランドに登るリフトとモノレールがある。 入園料を支払い、私達はモノレールは待ち時間が長く、乗車時間が長いためリフトで上がることにした。



リフトのお客は疎ら!
…2連結のモノレールと擦れ違う

最初の飛龍観の眺望

リフトで上にあがる途中でモノレールと擦れ違った。 恐ろしくゆっくりした速度で走っている。 また車両の形もユニークな車体で子供が喜びそうです。 天橋立の眺望は成相寺展望台でも説明したが、各所からの眺めに名称がついている。 ビューランドに到着し、早速、股のぞき台に向かうが、観光客はまだ少ない。 最初に「股のぞき台」で5枚ほど記念撮影してから飛龍観の眺望を撮影。

笠松公園…飛龍観斜め一文字
天橋立ビューランド…飛龍観(龍が天に登る姿に見える)
西側の大内峠公園…一字観(横一文字に見える)
東側からの眺望…雪舟観(雪舟筆、天橋立図が描かれたことに由来する)

…20分ごとに運行

観覧車
日本三文殊、天橋山智恩寺

水のダストとサイクルカー

数人が寄って来たので、股のぞき台を次の人に譲り、フェンス沿いに横移動。 ここにはかわらけ投げの場所があり、フェンス越しの丘陵越えに知恵の輪が設置されている。 TV番組で芸能人が放送される場所でもある。 かわらけの自販機の様な箱から3枚のかわらけを購入し、知恵の輪に向かって投げ、厄除け、願掛けをする。 家族連れが談笑しながらかわらけを手に取ってお喋りしていた。 その微笑ましい光景を後ろから撮影させてもらう。 この付近からも天橋立や宮津湾の景観が十分眺望できます。

 かわらけ投げ

宮津湾






ビューランドは文殊山の奥に広がっている。 展望台や子供向けの遊園地もある。 天橋立を眺めながら食事ができるレストランや観覧車のアトラクションがある。 夏の花が咲いた花壇の間を奥に向かって、何処か休憩スポットが無いか散策する。 メリーゴーランドや幼児向けの乗物まであるので少なからず驚きました。 一番奥にアーチェリーコーナーがある所が室内の休憩所だった。 室内の冷房を浴びてベンチで休憩、生き返ったようだ! 妻も気温が上昇して大分疲れたようです。 15分ほど室内で撮影した映像を確認して外に出た。 京都の夏は暑い! 関東は集中豪雨らしい。










園内のアチコチに暑さ対策のため霧状のスプリンクラーが設置されフル稼働していた。 歩いているだけでさわやかな霧が顔に当り涼しいが、眼鏡は曇るが暫くすると乾いて支障はない。 さらに進むと園内をループする機関車が走ってきた。 子供達のはしゃぐ声が園内に木霊する。 時間は10時40分、観光客はまだ少ない。 でも天橋立駅舎は大混雑だったことを思い出した。 展望台か天橋立の散策か二分したようだ!






花壇と反対側にはスロープの展望廊下に向かう。 この廊下の床は板で、子供達が走ると全体が大きく揺れる。 走らないよう注意書きがあったが子供はお構いなし! また親も見て見ぬふり。 親自身が親から躾を受けてないから子供も成長したら自分の子を躾できないだろう! そんな事を考えながらスロープを移動しながら絶景の眺望を撮影していく。

 天橋立の汽水域

西側の大内峠方向



西側の大内峠方向

展望塔

スロープ上から眼下にお洒落なJR天橋立駅舎が良く見える。 園内を見渡すとここが一番高い所です。 自転車の様なサイクルカートもペダルを踏みながら親子で楽しんでいる。 いい風景だなぁ〜と思う。 妻にサイクルカートに乗ってみるか聞いたらお腹が空いた! そうだ!今日は宿の夕食が早いから、昼食も早めにとることにした。 展望レストランに入るとメニューが少ない。 もっと豪華な昼食を…。と云う事で下に降りて昼食することになった。 最後に展望スロープと同じ高さ位の展望塔に上がった。 屋根があり日陰で風通しが良いから天然のクーラーで身体が休まった。













最後はサイクルカートと一緒に撮影

11時に駐車場に戻り、一休憩してから踏切を渡り日本三文殊、天橋山智恩寺前のお土産店街に向かい和風レストランで海鮮定食を注文。 これが日本海の幸に恵まれ絶品! 妻がいつものようにビールも注文しようか? えっ!?今日は車に乗車してる時間が少ないから、週末の外食の気分だったようだ! 旅館に到着するまで、まだ運転するから酒はダメ! あっ!そうか!妻も思わず苦笑した。 北海道の海の幸も良かったが若狭湾の海の幸も気に入った昼食でした。

inserted by FC2 system