■ 保津峡の川下り、亀岡から嵐山へ ■

宮津の旅館を早朝の7時半に出発。 旅の二日目は宮津から京都縦貫道を利用して亀岡市に向かった。 丹後由良の旅館汐汲苑から由良地域を走り、舞鶴大江ICから縦貫道に入る。 往路は深夜走行だったが、今日も快晴で旅は順調に推移しそうです。

小一時間で亀山ICをでて一般道を走行してナビが導いてくれた処は、トロッコ亀岡駅前の駐車場です。


駐車料金500円を支払い、その係員に今夜は亀岡湯の花温泉に宿泊するから、保津川の川下りとトロッコ列車の観光の仕方を聞いた。 それによると、ここを拠点に午前中は保津峡川下り、嵐山では適当な時間を散策し、帰りにトロッコ列車を利用すると良いと、丁寧に教えてくれた。

嵐山での滞留時間を考慮して、帰路のトロッコ列車の予約をトロッコ亀岡駅で買う事をしつこく言われた。 そこで係員と妻が談笑してる時を見計らい駅舎まで向かい、切符の乗車券を購入! 戻ると、まだ係員と会話してる。 この後のことを聞くと、目の前にバスが来るからバス出口の所に座り、川下りの発着場に着いたら、旦那だけすぐ下りて乗船手続きをしなさいという。 切符を買うだけでは無い様だ!

トロッコ亀岡駅前

今晩お世話になる湯の花温泉の看板
トロッコ亀岡駅前の駐車場

トロッコ亀岡駅出入口

係員によると、もう少ししたらバスや一般の観光の車で混雑するという。 朝から直射日光が強く、夏の京都を感じる。 日陰で冷たいドリンクを3本買って係員にも…、そして暫く談笑する。 どうやら湯の花温泉の宿も良い所だという。 …バスが到着して係員がバスの運転手に話して発着場で一番に下りれる座席を指摘された。 こんどは4人で談笑が始まる。 …やがてバスの冷房が効いて車内に入れた。 係員が忙しくなった。

トロッコ列車に乗車してきた観光客が駅からバスになだれ込んできた。 一刻を争うような光景で係員が話していたことを理解した。 満員のバスは亀岡市内を走りJR亀岡駅の近くの陸橋を渡ると、保津川の発着場が見えてきた。 発着場で降りてエレベータを使わず階段を駆け上り、乗船手続きをして切符売り場に並ぶ。 そのころ妻が到着して2便の舟に乗る事になる。 どうやら5〜6隻が次々に出発する。 小舟は満席でゆっくりと離岸。

亀岡乗船場から下り方向の景観

綺麗な橋脚
乗船してから後方を確認(左岸が乗船場)

亀岡市の長閑な景観

保津峡は京都府亀岡市から京都市右京区の嵐山の渡月橋に至る渓谷で、嵐山から下流は桂川の名称になる。 京都の保津峡谷、川下りや嵯峨野トロッコ列車で知られる人気の景勝地です。 丹波高地に発した保津川(桂川)は亀岡盆地から京都盆地に至る約11qを愛宕山南麓の狭隘な山間部を蛇行して流れている。 この山間部の峡谷が保津峡です。

船頭さんは3名で、最先頭に5〜6mほどの竿を持った人が、先端と客席の間に座って櫓を漕ぐ人と、後部に舵を切る人と役割が分担してる。 川幅の広い保津川を舟はゆっくりと水面を滑るように進む。 この間に、リーダーと思われる年配の櫓を漕ぐ人が保津峡川下りについて全体の説明を…。 櫓を数度漕ぐ度に額の汗を拭う。 客席は日除けのテントが張られ涼しい風を受けている。 まさに天国と地獄の様だ! 船頭さんは皆さん真っ黒に日焼けしてる。

前方に二人の船頭さん

長閑な舟下り
後方に舵取りの船頭さん

推進力は船頭さんの力で…

操船は先頭と後部の船頭さん、進む力は先頭と櫓を漕ぐ船頭さんです。 一番大変なのは櫓を漕ぐ船頭さんの様だ! 舟の客席部の両側に塩ビの黒いパイプが半円のループをつくって取り付けてある。 多分、観光客がこのループの円から外側にはみ出さないようにしてるようだ。 やがて両岸の景観が谷に挟まれるように迫ってくる。 川幅も所々、波が立ってきた。

川の通路に向けて竿で微調整する

通過した橋脚方向を撮影
急に流れが速くなる

先便の舟の動きの後を追随

今までのんびりとデジカメを構えていたが舟が揺れるようになると、手持ち撮影も落下に注意しなければならない。 最初の橋をくぐる時は舟の通り道だけ流れが急になり、最初の歓声が沸き上がった。 続いて船頭さんが、岸辺にラフティングの子供達の様子を話してくれた。 ラフティングといえば四国の吉野川でその様子を撮影した記憶がある。 急流をチームを組んで乗り切るスポーツだ! リーダーが子供達にレクチャーしている様子だった。 保津川も結構盛んと話してくれる。 子供達から挨拶の手を振られ、船頭さんが私達も返すように要請があった。

川幅は広いが通過する所は先舟に追随

子供達のラフティングの様子

竿は力強くゆっくりと…

川幅は広いが船の通り道は岩場があるから場所によっては狭く流れが急になる所がある。 連続で急流が続くと右に左に川に突き出た岩に竿の先端を突き付けて舟の方向を変えていく。 先頭の竿を持った船頭さんの竿さばきがかっこよく歓声が上がる! 舷側の外側にデジカメを出して方向を定めて連続撮影が続いた。



船頭さんの腕の見せ所


川下りのお気に入りを欲しいから身を乗り出して撮影してたら、後方から、この先、岩に近くなるから手を出さないように注意を受ける。 あちゃー! 今までと違って岩場が舷側すれすれで通過することが多くなった。 おまけに急流と方向転換で舟が大きく揺れることがたびたびある。 そこで舟の方向が変わった時に、後方を見たら後ろに続いてくる川舟が見えるようになる。 自分が舟に乗船してるから撮影できないと思っていたが、これはどこかでチャンスがあるかもしれない!

後方の景色が見える時があった

竿を岩に当て…


…力強く推進させる

岩場が多い所は川幅が狭くなり急流が続く。 岩に竿の先端を突いて方向を変えるが、どうやら竿の突く場所がだいたい決まっているようです。 船頭の説明で、竿を突き付けるから岩の突く場所が凹んでいることが説明された。 凹みに竿が入ると、その技能に観光客の歓声があがる。 今日の保津川は晴れが続いたから全体的には岩場が多い、峡谷の崖の部分に白いラインが記され、水深の記録が残してあると説明がある。

手を出さないよう注意される

烏帽子岩


追突しそう!

峡谷には巨石と巨石に富んだ急流と静かな瀞が続いている。 その中には名前が付けられているものが多い。 大高瀬、二股の瀬、殿の漁場、女渕、烏帽子岩、鎧岩、かえる岩、書物岩、ライオン岩など多くの見所の岩が続いている。 急流の岩場に長い年月をかけて浸食された奇岩が生まれた。 船頭さんがこの先、いろいろな奇岩を説明したが幾つかは私の座席からは反対側で撮影できなかった。

直線路の急流を通過

不動明王像


注意しないと船底を擦る?

狭隘の川の流れは急流になり先頭の船頭さんの竿の使いが左右激しくなります。 竿の手さばきがかっこよく観光客の歓声の中、舟はうまい具合に走っていく。 保津川の舟運は歴史を遡ると安土桃山時代から続くという。 江戸初期の京都の豪商が丹波から京への物流に保津川の舟運を使う事を考えた。 それまで急流と巨岩の続く保津川では木材の筏流しがおこなわれ、 丹波からの産物は人馬頼りだったという。

直線路の急流を通過



…JRの橋梁

急流を過ぎて静かな瀞に来ると、船頭さんが竿を水中に深く差した。 5〜6mはある竿のほとんどが水中に没した。 瀞の場所は結構深い事を観光客に教えてくれる。 その仕草が、自分が水中に落っこちるような感じで竿を水中に差していく。 その度に観光客が叫び声をあげた。 その映像も身を乗り出して撮影する。 急流では後の船頭さんから頻繁に注意されたが…。

まだまだ続く急流路

…5〜6mの竿を川底について深さを見せる
振り返ってみたら保津峡の景観

…3便が近づいてきた

またまた急流に差し掛かった。  たまには撮影角度を変えて正面から撮影してみた。 船頭さんの手捌きの見所を…。 私達が通過した後方から次の舟も続いてくる。 後方の撮影も狭い場所から撮影するが、結構イメージ通り撮影できた。 保津峡を調べると1606年に京都の豪商が徳川幕府から河川改修工事の許可と通行料徴収の権利を得て河川工事に着手した。 巨岩を曳き、水中の岩を砕き、浅瀬と通過部分を工事した。 以降、保津川の舟運は丹波と京を結ぶ動脈として発展したという。

船頭さんの腕の見せ所

後方の3便も続いてくる


このあたりから川は大きな蛇行する所が多くなった。 舟の向きが大きく変化する時が撮影のチャンスです。 やがて正面にJRの橋梁が見えてくる。 デジカメを構えてると、丁度列車が通過した。 さらに舟の向きも変わり後方が視認でき、前方の視界もひらける時がある。 舟が前後して見え隠れする景観が多くなりそう。

…JRの橋梁を列車が通過

…3便の映像が絵になる

同じ所に竿を打つから竿の跡が、○の処

澱の場所ではオールと竿を使って船頭さんの力自慢の見せどころです。 日焼けした上半身の筋肉が美しい。 竿の長さをいっぱい使って川底に竿を刺し舟を進める。 ラフティングの子供達が歓声をあげれば、観光客も大きく手を振っている。 嵐山、嵯峨野に近いから明治28年から観光客を対象とした遊覧船や舟下りができるようになり、 今ではラフティングも盛んになっている。

二の腕の筋力が逞しい!

ここにも竿の跡が…
屏風岩

現在は川下りは有名になり、乗船場はJR嵯峨野線、亀岡駅横に併設された。 阪急電鉄が経営にあたったこともあるが、数年で撤退し、今は保津川遊船企業組合が経営してます。 保津川下りは川の水量にもよるが約16qの距離を1時間半〜2時間で通行する。 峡谷の景観は四季を通じて見所が満載で特に紅葉の時期は大忙しだそうです。

手を出さないように…岩壁すれすれを通過

京都府立保津峡自然公園の峡谷が…


書物岩…本が積み重ねてあるようだ!

峡谷の右側を走ると思っていたトロッコ列車は一度渡河するようです。 船頭さんの解説を聞いていたらタイミングよくトロッコ列車と遭遇した。 単線で本数が少ないから諦めていたが、チャンスとばかりにシャッターをきる。 歓声が峡谷に木霊するようだ! 先頭と私達の舟が丁度良かった。 ただ十数枚撮影した半分は船頭さんや前に着席してるお客の頭が映ってしまった。 トリミングが必要になった。

下りのトロッコ列車は客車が先頭です

後を見たら結構、いい感じの映像が…
やがて機関車が通過する

再び前を見て列車を撮影

トロッコ列車の陸橋を通過すると川は大きく蛇行する。 橋梁と峡谷、舟を撮影してたら、次第に、後に続く舟が大分近くなった。 良い構図を狙って撮ったので一番のお気に入りになった。 短時間で下の映像を撮影したが連続して見所の撮影ができ満足する。

保津川下りは景観も楽しめるが、一番は船頭さんのパフォーマンスです。 1時間以上乗船してるから、船頭さんも大分工夫して勉強してるようです。 身振り手振りに加えて話の仕方がとても上手です。 柔らかい物腰で、船頭さんによっては派手なパフォーマンスがあります。 急流の処では安心感を…。 澱の処では面白おかしく話をしてくれる。 TVの番組の芸人より面白い!

トロッコ列車通過後の橋梁を撮影

ライオン岩

暫くたって3便の舟が!

シラサギ

後方の景観

川下りも最終コーナーに来たようで、先頭の舟にもう一艘の舟が横付けしてた。 最初は何をしてるか判らなかったが、私達の舟にも舟が横付けしてきた。 面白い趣向の舟の売店でした。 冷たい飲み物から鉄板焼き、お茶菓子まで売っています。 鉄板上にはイカの姿焼きです。 注文が入ると手際よく切り取って小皿に入れ手渡しする。 ただ値段が市価より割高だから妻と相談して一品だけ買った。

日本鹿も発見…

冷やしキュウリ1本、250円
団子300円、おでん500円、焼きイカ400円

後に続く舟に向かう

売店の舟が離れ、瀞の静かな流れをゆっくりと進む。 前方に川下りの舟じゃない舟が数艘、歩くような速さで周遊している。 説明では嵐山乗船場からの遊覧船でした。 一人船頭さんが竿でゆっくりと操船している。 …と、思ったら私達の舟近くに50pほどの川下りの舟が通り過ぎた。 良く見ると、川下りの舟の模型です。 岸辺を見ると、お爺ちゃんが面白そうに操作している。 みんなで大笑いした。

売店舟はUターンして次の舟に…

嵐山乗船場からの遊覧船
嵐山乗船場からの遊覧船

川下りの舟の模型
岸辺の散策道が広くなり嵐山に到着したようです。 乗船場近くなると食事処の建物が見えてきた。 あっという間の船旅が終わります。 時間を見ると12時45分で昼食の時間に丁度良かった。
 嵐山到着!



嵐山乗船場で下船した
中年の船頭さんは渋く、若いお兄さんはかっこよい! 皆さんユーモアたっぷりのお喋り上手、約1時間半の川下りを最高に、そして楽しい時間を過ごすことができました。
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