■ 奥入瀬渓流散策 ■
奥入瀬渓流は全長14qの道路に沿って大小様々な滝や渓流の見所を楽しめ、十和田湖とともに景勝地になっている。 渓流に沿って遊歩道が整備され、太古からの自然の造形美を間近で観ることができる。 十和田湖から唯一流れ出る河川で湖の水量調節のため水門が子ノ口に設置されている。
JRバス観光案内所から10時半発のバスに乗車した。 案内所にはレンタサイクルもあるが、撮影の度に自転車の駐輪に苦労しそうでバスを利用した。


14qの渓流沿いにバス停があり、途中下車も途中乗車も可能で便利な手段です。 子ノ口から道路は観光道路化して駐禁の看板もお構いなしで側道に車両が連なる。 案内所で教えてもらったバス停は不動岩か馬門岩のバス停で、私は馬門岩バス停で下車。 ここから子ノ口まで8qの散策になる。

バス内から渓流沿いに走る景観

馬門岩バス停で下車


準備完了してさぁ!出発

バス停ではすぐ近くに渓流が見える。 早速、三脚やデジカメの準備をしてカメラは2台起動した。 現在11時で、これから上流に沿って遊歩道を歩いて行く。 渓流の景観は下りより上りの方が良い確率が高い。 馬門岩近辺の渓流の撮影に没頭するが、気が付いて1台ずつ、それぞれ撮影モードの設定変更をする。






馬門岩からすぐ馬門岩橋を渡る。 この先、暫く進むと阿修羅の流れがある。 この場所も撮影ポイント、 ただ観光客が集まる所は一般的だから別の視点でも撮影個所を探す。
馬門岩橋

馬門岩橋上から下流を撮影

上流の景観

天候が変わってお昼近くから日差しが照るようになる。 樹林の隙間から差し込む光が大きなアクセントにもなり絶好の撮影日和です。 天気予報が大きく外れたことは感謝しなければならない。 数珠繋ぎほどではないが観光客の列が続く。 一番苦労したのは停車したバスからあの国の団体客が下車した時です。 そんな時は慌てず他の撮影ポイントを探す。 そしてあっという間にバスに乗り込み次の場所に向かった。






観光客が少なくなった処で撮影を始める。 阿修羅の流れはワンポイントでなくある区間の流域を指す。 だから撮影場所は幾つもある。 少しずつ上流に移動しながら上流側、下流側の景観を観る。 場所を決めたら三脚の設置だ。 これが意外と手間を取る。 そして構図を決めて撮影。






奥入瀬渓流の写真でよく見かけるのが阿修羅の流れ。 雑誌やポスターでよく目にする場所に到着。 鬱蒼と茂る樹林の間を激しく流れる景観は四季を通じて素晴らしいだろう。 紅葉時の景観は激しい流れを優しく包むように樹林が覆っている。 キャンパスで絵を描く人も見かけた。






十和田湖から流れ出る奥入瀬川。 奥入瀬渓流は樹林の間を岩上に成長した植物、自然の倒木と様々の所を滝や清流を成しながら焼山まで続いている。 特別名勝、天然記念物として国の指定を受け保護されている。 遊歩道は一部道路に出る個所もあるが歩きやすい路です。 ただ天気の都合でぬかるんでいる所もあるからシューズが泥に埋まる時もある。






一旦道路に出たが端を歩く。 バスや観光車両が通行するから事故に注意。 そして阿修羅の流れから平成の流れと素晴らしい景観が続く。 特にシャッター速度を変えると川面の変化が面白く、雲海のように変化する。 撮影の醍醐味はシャッター優先、絞り優先で撮影を続けていく。





今日の天気は優しい陽が降り注ぐ時、急に日差しが無くなりどんよりとした色彩になり景観の変化が激しい。 川面に近い位置にいると自然と一体になった感覚になる。目線より低い位置の方が景観が良い時がある。 手前の枝が入るかそうでないかで奥行感が違ってくる。 飛び金の流れも上手く撮影でき、その先、裸渡り橋のそばに千筋の滝が見えてきた。 露出した巨大な岩壁から細い筋状の滝です。 水量が四季によって変化するが今回は細く薄い絹のカーテンのような滝に見えた。








千筋の滝

自然の力で長い年月を経て形成された渓流。 時として、ゴミの様に集まった倒木片や枝片、落ち葉なども美しく見える時がある。 陽が陰り明暗が無くなった。 滝のそばで深呼吸したら自然と一体感が味わえる。 川面の流れを凝視してると、時と共に流れが変化してるのが判る。 自分が流れの微妙な変化を造りだしてるように感じた。






千筋の滝の次は雲井の滝。 といっても映像が小さいから判り難いが大きなTV画面に映した時はガッポーズをした。 滝の流れと、その後の流れも非常に良かった。 鬱蒼とした奥まった場所にあり明暗差が激しいから自信が無かったが断崖から落下する高さは20mあり、水量も豊富で見応えがあった。 早速資料を見ると、雲井の滝は水量が豊富な事で岩が浸食され少しずつ後退して、いつかは消える運命にある。 これも自然か…。

 雲井の滝へ




奥入瀬渓流はU字型の渓谷で底辺が比較的広い。 このため湿った土壌を好む植物が広く分布している。 子ノ口に水量調整の水門があり流れが安定し樹林の中に多くのシダ類が分布してるため足元にも植物が覆っている。


雲井の滝の次は渓流の反対側に白布の滝が見えてくる。 この滝も三つの大きな岩壁に分かれた高い位置から一気に流れ落ちる滝です。 この映像もお気に入りのひとつになり、撮影成果が自分ではよく撮ったと思っている。 落下する場所に落石や枝が積み重なっている。 これも自然の成す景観です。 人の手が加えられていない証拠で、しっかり見ればかえって味わいが出てくる自然の力です。

 白布の滝へ







この後は暫く平穏の流れの景観が続いた。 しかしこの平穏な流れを撮影モードを変えると平面的な川面が面白い流れに変化した。 新しい撮影モードを知って得した気分。 でも陽光は無く明暗がはっきりしなくなり鮮明さが失われた。






右足の脹脛に痛みを感じる。 中腰の体勢が長く続いたかな? それとも水分補給してないから? 我慢して歩くうちに右脹脛が痙攣したように強い痛みも感じる。 2時間近く歩いて休憩も取っていなかった。 そういえば朝から動きっぱなしで休憩無しの旅でした。 我慢しながら暫く進むとベンチがありここで休憩した。


ベンチにお爺ちゃんが一人休憩している。 相席で反対側に座り荷物を降ろしてテーブルに背をあずける。 心地よい痛みが身体全体を包む。 水分補給と飴玉で渓流の流れを見ながら大休憩! 年とったことを実感。 あと何年、このような旅が続けられるか…。

ふと気が付くと、タバコの臭いがする。 あれ!ここは国立公園内で禁煙のはずだが。 相席のお爺ちゃん!喫煙してた。 そのうち家族連れが到着してベンチに腰掛ける。 会話はあの国の言葉だった。 苦笑してベンチ前で屈伸を繰り返し散策の開始。
渓流散策の後半に続く…。

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