■ 秩父三十四ヶ所観音霊場 ■
秩父周辺は両側を山々に挟まれ、その間を国道140号線が埼玉から山梨に伸びている。 秩父三十四ヶ所観音霊場は市街地から山々に点在する霊場です。
山と谷の間を縫う様に江戸巡礼古道があり、ひび割れた舗装路と砂利道に苦労した。 しかし秩父の山村の風景も楽しめる現代人にとっては癒し効果のある巡礼路です。

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■ 2月 5日 第10番札所 大慈寺 〜 第14番札所 今宮坊 (天候 曇)

早寝したから夜中の23時過ぎに目を覚ましてトイレへ…。 深夜の駐車場は車両の出入が多く、朝方まで何度もトイレを往復。 6時に起床し、7時を過ぎに巡礼の準備完了。

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…8時10分 道の駅ちちぶを出発
今日は日曜日だから道の駅の出張店舗も準備が忙しい! ブラブラしてたら、テントを組立てていたお店の人が今日も自転車で行くのかい?と聞いてきた。 前日の朝も見かけたといわれた。 週末の土、日で巡礼してると話し、道路情報を教えてもらい事故の無い様、注意しなさいと云われた。

道の駅を7時50分に出発。
最初の札所は10番札所大慈寺です。

国道140号から左折して国道299号へ
この先、左手に第10番札所大慈寺…

大慈寺は、道の駅の後の山の反対側にあり、途中11番札所前を通り、山の斜面に沿って、約1.5qの走りで大慈寺に到着。

10番札所大慈寺は、山の斜面にあり、急な石段を登ると仁王門がある。 仁王門の横に自転車を置いて撮影後、担いで石段を上がり納経所横に置いた。

仁王門の先に本堂があり、正面から全景映像が撮れず、やや斜めから撮影。 こじんまりとした山里の雰囲気があり、風格も遠い時代を経てきた感じがする。

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■第10番札所 萬松山 大慈寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おん あろりきや そわか
     御詠歌: ひたすらに 頼みをかけよ 大慈寺
          六つのちまたの 苦にかわるべし
 8時33分 左の延命地蔵に迎えられ…

仁王門
朝日を浴びた風格ある仁王門

本堂

本堂の向拝が大きく、ここで読経を開始。 早朝で、誰もいないから心が集中できる。 観音経は、般若心経より長いが、間違えずにできると嬉しい。 本尊は恵心僧都の作といわれる聖観世音菩薩で、内陣の中央に安置され、そのほかにも子供を抱いた子育て観音、地蔵菩薩、十一面観音が安置されている。 賽銭箱の横に、赤っぽいピカピカしたお賓頭盧様が座っている。

本堂

納経所
手水舎

珍しい植え方の冬の花

納経所の横に、縦型の袋があり、そこから3ヶ所から、冬の時期のパンジー、ビオラ等が縦長に植樹してある。
珍しい植木鉢?と思って撮影したが、袋の中が気になり調べたら、腐葉土が縦長の袋にギッシリ詰めてある。 ここに水を補給して、各段の花が綺麗に咲き、私の家でも出来そうと映像として残した。

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次の第11番札所常楽寺は、道の駅ちちぶから10番札所大慈寺に向かっている時、第11番札所前を通過したから、自転車走行は約1q戻る形で楽でした。

腐葉土が縦長に詰めてあった

国道299号線に出ると11番札所常楽寺がある。 国道入口前に墓地があり脇道を登って行く。 秩父の市街地を一望できる一角にあるお寺です。

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■第11番札所 南石山 常楽寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 十一面観世音菩薩
     開 基: 門海上人
     創 建: 
     真 言: おん まか きゃろにきゃ そわか
     御詠歌: つみとがも 消えよ祈る 坂ごおり 朝日はさで
          夕日かがく
 9時10分 国道沿いにある墓地の脇道を… 細長い境内

明治以前は観音堂、仁王門、庫裡など、堂々としたお寺だったが、1878年(明治11年)の秩父大火で全て類焼した。 その後、再建されて現在の観音堂と庫裡がある。 観音堂は三間四面で向拝付方形建築で、本尊は十一面観世音菩薩が祀られ、そのほかに普賢菩薩が祀られていた。
常楽寺は、元は天台宗だったので、元三大師も祀ってあり、毎年1月3日に縁日も開かれる。

本堂 本堂と奥に庫裡

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納経所でご朱印を戴き、テント内で小休憩してから出発。 常楽寺から12番札所野坂寺に向かうが、距離は約1.5q程で、国道299号線と西武線を横切り市街地内を走ります。

国道を横切って巡礼路を走るが舗装に亀裂やひび割れがあり、タイヤが時々引っかかりパンクに注意を要した。
ロードバイクのタイヤは700-23Cで結構細いタイヤだから傷みやすい。 帰宅したらタイヤ交換しようと思った。

納経所
狭い路地の入口に巡礼路の案内標識

さらに狭い路地に…
細い路地を…

それでも優しい案内が…

それでも、昔ながらの江戸巡礼路を楽しんで走行。 路地は狭いが、案内標識が人々の優しい気配りを感じ取れる。 西武線に沿って暫く走ると、ガード下を通過して野坂寺の立派な塀が見えて、塀に沿って走ると門前に到着。

おっ!どっちだ? この先左折して西武線をくぐる

12番札所、野坂寺の正面参道は桜並木道になっている。 その右側には小公園があり、この時間、お年寄りがゲートボールをしている。 静かな住宅街に元気な声が聞こえる。

立派な塀に沿って進むと… 門前に小公園

正面の仁王門は、黒塗りで厳正な雰囲気だ! 1906年(明治39年)に火災で、寺は全焼したが、仁王門だけが免れた。 入母屋二重楼門の八脚門で、左右に火頭窓がある。 禅寺に相応しい風格を感じた。

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■第12番札所 仏道山 野坂寺■
     宗 派: 臨済宗南禅寺派
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 1974年(昭和49年)再建
     真 言: おん あろりきや そわか
     御詠歌: 老いの身に 苦しきものは 野坂寺 今思い知れ
          後の世の道
 9時45分 風格ある野坂寺 仁王門

仁王門入口の中央に「あずかり観音」があり、右には牛に乗った「十牛観音」が、左に「山ノ神」を中心に、三体の仏像が迎えてくれる。 それぞれが苦しみを、怒りを、痛みを、そして煩わしい悩みを、観音様にあずけて、安らぎの心にもどりましょう。

入口の中央に「あずかり観音」

右に牛に乗った「十牛観音」
入口の中央反対側にも「あずかり観音」

左に「山ノ神」を中心に三体の仏像

仁王門をくぐると、左右にシートを被せた瓶がたくさん並んでいる。 境内を清掃していた人に聞くと、中に蓮が保存してあるという。 秩父の冬の厳しい寒さから、蓮を守るための知恵だと聞いて大いに満足した。 右手に手水舎があり、梅の木が五分咲きの状態だ。 正面を進むと本堂が見えてくる。

蓮を保存した瓶

本堂は一段高い境内にあり、その両側に六体の童顔のお地蔵さんが迎えてくれる。 それぞれに文字が彫られている。 空、かん(環境依存文字)、友の三体。反対側に動、優、願の三体が祀られてる。
童顔のお地蔵さんの表情が、それぞれ違い、動きのあるお地蔵さんです。

手水舎

童顔のお地蔵さん
正面に本堂

本堂は1974年(昭和49年)に再建された。 内陣には、優しい顔立ちの聖観世音菩薩立像が祀られている。 その境内は広く、季節ごとに植樹された花々が咲きそう。 今は梅が五分咲というところか…。

本堂で読経をする準備をしてると、喪服の人々が庫裡の方に集まり境内が慌ただしくなる。 それでもロウソクを灯し、お線香を焼香する。 読経は声を落として始めた。

本堂 庫裡、納経所

納経所で納経印を戴き、庫裡からすぐ出る。 静かになった境内には、いろいろなお堂があり、撮影しながらアチコチ見学して回る。
仁王門の左奥に、十三尊仏堂がある。 虚空蔵菩薩、丑寅歳、不動明王、酉歳、文殊菩薩、卯歳、大日如来、未申歳、普賢菩薩、辰巳歳、 千手観音菩薩、子歳、阿弥陀如来、戌亥歳が祀ってあり、供養に訪れる人も多い。 また、十二支の守り本尊として深く信仰されている。

十三尊仏堂

弁財天


本堂の右手に堂宇があり、子授け観音と呑龍上人が祀られ、子供を授かったら、子授け観音にお礼を、呑龍上人に無事成長を願うという。 稲荷大明神は寺院の保護、そして家内安全、豊作にご利益がある。 たくさんの個性豊かな仏像がある 人それぞれの苦しみを叶ってくれそう。

仁王門と手水舎

おそうじ小僧さん

稲荷大明神
子授け観音と呑龍上人が祀られている

梅も開花が始まる

本堂を右横から撮影

…13番札所慈眼寺に向かう。 約1.5qの距離で、秩父鉄道の御花畑駅に向かう。
東京近郊で、季節によって丘陵が一面の花畑で絨毯のように咲き乱れる羊山公園が近くにあり、寄ってみたいが、今回は観音霊場巡りに集中したい。
市街地を右左折して西武線高架をくぐり御花畑駅横の踏切を渡る。 丁度、遮断機が下りて電車の通過待ち。 ここを渡って進むと、交差点角に慈眼寺の寺域が見えてくる。

住宅街を走り…

西武線高架下を通過

踏切で電車通過待ち
…商店街に出た

秩父鉄道の踏切が

直進して右手に慈眼寺

10時半に慈眼寺前に到着した。 13番札所慈眼寺の入口は薬医門と呼ばれる切妻造りの黒門が迎えてくれる。 武家屋敷のような景観です。 自転車を引いて薬医門をくぐると、左手に鐘楼、右手に経堂と薬師堂が並んでいる。 その奥は駐車場で、幼稚園を経営してるようで、園バスが2台並んでいた。

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■第13番札所 旗下山 慈眼寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 1901年(明治34年)再建
     真 言: おん あろりきや そわか
     御詠歌: 御手にもつ 蓮のははき 残りなく 浮世の塵を
          はけの下寺
 10時半 外観は鐘楼が見えお寺に見えるが…

左手に鐘楼
薬医門は武家屋敷のよう…

一切経蔵は石造りで大火にも焼け残った

経堂には一切経輪蔵がある。 中心に輪蔵形式の経庫があり、心柱の上に六角燈籠型の経蔵が回転できるようにしてある。 正面に釈迦像を安置してある。 薬医門の右手に、福寿稲荷大明神がある。 寺の鎮守をする役目をしている。 参拝者も、福寿をもたらすと祈願する人が多いそうです。 神仏分離で多くの遺産を失ったが現代では違和感なく日本人の心に浸透している。

福寿稲荷大明神 手水舎

正面に観音堂があり向拝の装飾が素晴らしい! 1878年(明治11年)の秩父大火で焼失した本堂は、壮大な堂宇だったようです。 1901年(明治34年)に再建されたのが現在の堂宇です。 三間四面の、大きくはないが華麗な装飾が特徴だ。

中央に観音堂

本尊は行基作と伝わる聖観世音菩薩で、脇仏は阿弥陀三尊が祀られている。 秩父大火の影響で火かぶりをしている。 薬師堂に薬師瑠璃光如来が安置され、眼の神様として絵馬が奉納されていた。 私も緑内障の治療中で、納経所で目の薬の漢方薬を購入した。

観音堂

観音堂の向拝の装飾

観音堂前に梅が開花
観音堂の向拝の装飾

納経所

もうすぐ春だ

14番札所今宮坊まで約600mで街中をゆっくり走る。 住宅街の一角にある公園のようなお寺です。 大通りから路地伝いに走り、すぐ到着。 自転車を境内のベンチに置いて、荷物も一緒にまとめておく。 境内が公園のような感じで、近所の人か?幼児と母親がベンチで日向ぼっこしている。 長閑な市街地にある札所です。

住宅街をゆっくりと…

狭い路地を…


今宮坊に到着

14番札所今宮坊は、かつて近くの今宮神社と、同じ場所にあった。 修験道の聖護院の直末寺で、長岳山正覚院金剛寺と呼ばれていた。 明治の神仏分離で、現在の今宮坊となった。 本堂は屋根に宝珠をのせた観音堂で、間口三間の方形造り、1709年(宝永6年)に再建された建物です。 飾り付けの無い端正な建物で、本尊は木彫りの聖観世音菩薩坐像です。

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■第14番札所 長岳山 今宮坊■
     宗 派: 臨済宗南禅寺派
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 1709年(宝永6年)再建
     真 言: おん あろりきや そわか
     御詠歌: 昔より 立つとも知らぬ 今宮に 参る心は
          浄土なるらん
 11時 5分 道路から本堂を撮影

手水舎
本堂

輪廻塔

本堂前に輪廻塔があり、丸い石にお経が刻まれている。 説明板によると「この塔の車石を廻すと地獄道や餓鬼道にさまよっている亡者が極楽に生まれ変わり、現世を安楽に暮らせるといわれている。 ぜひお回しください」と記されている。
境内にお地蔵さまが祀られている。 子供の成長、無病息災のご利益があると云われている。

お地蔵さま

観音堂
本堂

観音堂

本堂で開経偈、般若心経を読経し、観音堂で観音経を読経した。 幼児が、読経してるおじさんのそばに近寄ってきた。 何してるのだろう? という感じで見つめられた。 母親が幼児を呼んでいる。 ニコッと笑顔を見せてバイバイする。


納経所

納経所では自転車の巡礼者と知り、どの様な形で巡礼してるのか聞かれた。 道の駅に車を置いて、そこを拠点に1番から札所を巡礼してることを伝えた。


聖徳太子像と樹齢500年の大樹

四国自転車遍路、日本100観音霊場などの事が話題になり、会話が横道にもずれたりして、大いに盛り上がった。 休憩と云うより、会話を楽しんだ。 現在11時を過ぎ後半に続く。

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