■ 秩父三十四ヶ所観音霊場 ■
秩父周辺は両側を山々に挟まれ、その間を国道140号線が埼玉から山梨に伸びている。 秩父三十四ヶ所観音霊場は市街地から山々に点在する霊場です。
山と谷の間を縫う様に江戸巡礼古道があり、ひび割れた舗装路と砂利道に苦労した。 しかし秩父の山村の風景も楽しめる現代人にとっては癒し効果のある巡礼路です。

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■ 2月 5日 第15番札所 少林寺 〜 第18番札所 神門寺 (天候 曇)

今宮坊から15番札所少林寺も、1q程の距離で街中を走ります。 住宅街から今宮神社前を通り、秩父の旧市街地を思わせる道路に出た。 秩父駅に向かう方向で、本町交差点で右折する。 交差点角に秩父ふるさと館があるから判りやすい。

突当りが今宮神社 秩父ふるさと館

秩父ふるさと館前の交差点を右折して、すぐ秩父神社の車両通用口の門が見えた。 目印の秩父神社も判りやすい。 正面の大鳥居からの映像も確保して先に進む。 交差点角に、まちなか観光案内所があり、ここで喫煙して小休憩。

秩父神社の車両通用口

秩父駅前商店街
秩父神社正面大鳥居

まちなか観光案内所

地図を確認して、秩父鉄道の線路を渡ると15番札所少林寺の案内板がある。 ここから向かうと少林寺の駐車場に到着。 通りかかった人に表門を聞くと線路沿いに向かう様だ。

少林寺の駐車場は右折する 少林寺表門はこちらから向かう

納経所の右手に、白塗り土蔵造りの本堂がある。 ここも秩父大火の際焼失した。 再建時に内部は、火災予防の見地から、木造の外壁をすべて白色の漆喰塗りで仕上げ、秩父札所の中で、唯一の土蔵造りになっている。 少林寺は、明治の神仏分離令で一時廃寺になったが、札所15番が無くなることを憂えた街の人々が、柳島にあった少林禅寺を、現在地に移し継承したという。

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■第15番札所 母巣山 少林寺■
     宗 派: 臨済宗建長寺派
     本 尊: 十一面観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おんまか きゃろにか そわか
     御詠歌: みどり子の 母その森の 蔵福寺
          ちちもろともに ちかひもらすな

線路端の路は未舗装で砂利道でやむなく自転車を引っ張って歩いた。 表門前は踏切があり撮影。 表門は工事中の様でシートがかかっていた。 自転車を担いで横の石段から境内に入り、納経所前に自転車と荷物を置く。

少林寺表門前は踏切

11時46分 表門脇から石段を上がる
表門は工事中

少林寺駐車場入口

この後、駐車場に行って、こちらから再撮影して境内に向かった。 庫裡、納経所を撮影して本堂に向かう。 表門の工事業者が境内で作業している。 撮影に人が映らないように気を使う。

駐車場から境内に… 駐車場から左に…

庫裡
さらに進むと境内

納経所


本堂

工事の騒音に惑わされないように、一心に、開経偈、般若心経、観音経を読経。
集中心を高めることも大切と思う。

本堂 子育ての地蔵堂

子育ての地蔵堂には、子供の成長を願う巡礼者が多いという。 隣の半僧坊大権現には、鎌倉建長寺の半僧坊の分霊が祀られている。

秩父三十四観音霊場の巡礼で、納経帳に書き入れるのを神妙に見てきたが、 四国自転車遍路の時の納経帳と同様に、各札所とも筆の運びや文字体が非常に美しいと思っている。 各札所で筆体が異なるが美しさは特徴があり、筆入れの時に楽しみの一つです。

半僧坊大権現

丁度、12時を過ぎたが今日も空腹感が無い。 昨日から一日巡礼して気が付いたことは、一日が非常に長く感じた。 しかし長い一日の割りには非常に充実感がある。 どうしてだろう? 元々、夢中になると時間の経過を忘れる傾向がある自分がいるが、何かやり遂げているような充実感だ!

情緒ある古民家が… この先、右方向の狭い道へ…

16番札所西光寺に向かいます。 再び、踏切を渡り秩父公園方向に走ります。 秩父市街の中心から住宅街に向かいます。 道幅が狭くなり紆余曲折している民家を通過し、16番札所西光寺の案内を見つけた。 道路面に、ここを曲がれの標識があり感謝の気持ちが湧いてくる。 街道に美しい古民家を発見! 秩父にも情緒ある古民家が残っていることが嬉しい。 歴史を感じる秩父の市街地を走ります。

道路面に、ここを曲がれの標識

…何故だろう。巡礼していて東西南北が判らなくなり、右か左か、戻るか進むか、大いに迷ってしまう事がある。 スマホ等を使えば電子機器が案内してくれるが、これでは大昔の巡礼にはならない。 札所から札所への移動の間に、自分探しを考える時間が…。 電子機器で移動して納経しても、私の巡礼にはならない。 自分の心の迷いがあると、初心に帰ることの大事さを気づかされる。

西光寺への巡礼路はここから…

16番札所西光寺の案内を見つけて、墓地内の路地を進むと山門が見えてくる。 境内のアチコチに「南無大師遍照金剛」の旗の幟があった。 何故か懐かしい気持ちがこみあげてきた。 山門をくぐり境内に入ると左手にベンチがあり、ここに自転車と荷物を置いて巡礼開始!

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■第16番札所 無量山 西光寺■
     宗 派: 真言宗豊山派
     本 尊: 千手観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おん ばざら たらま そわか
     御詠歌: 西光寺 誓いを人に 尋ぬれば ついの住家は
          西とこそ聞け
巡礼路は墓地方向から入る

山門をくぐると左手に手水舎がある。
その手水舎と観音像が橋で繋がり、趣向を凝らした景観です。

山門


観音像

大きな酒樽に、茅葺き屋根の珍しい堂宇がある。 酒樽ような堂宇で新しい発見だった。 酒樽大黒天が安置され、数十年に渡り飲める酒が入ると伝わる。 その隣に、秩父夜祭に使われた山車の車輪が置いてある。 真冬の祭りで、曳かれた山車の古い車輪が置いてある。 これも面白い発見だった。

酒樽の茅葺き屋根の珍しい堂宇

本堂正面
秩父夜祭に使われた山車の車輪

四国遍路の回廊堂の中庭に二つの堂宇がある。 ひとつは四国八十八ヶ所に所縁のある金刀比羅宮、そして納札堂です。 秩父札所唯一に残っている納札堂です。 その柱には、無数の釘跡が残っていた。
遍路や巡礼で「打つ」と云う事は、巡礼で木札(納札)を堂宇に釘で打ち付けた事です。 現在の札所巡りで「打つ」と云う事は、ここに由来している。

納札堂 金毘羅大権現

西光寺には四国八十八ヶ所霊場の回廊が本堂の右横に入口がある。 入口前には「御影石足形」、「御砂場」がある。 仏足跡と八十八寺の御砂が敷き詰めてあり四国霊場を遍路した功徳があるという。

南無大師遍照金剛 四国八十八ヶ所霊場入口

本堂横からコの字型した回廊堂の中には、八十八寺の本尊の木像が並んでいる。 薄暗い回廊を1番から88番まで見てきました。 懐かしい本尊や苦労したお寺の名前を見て、その映像が浮かんできた。 ここで一番時間を費やした巡礼です。 禅宗の多い秩父札所では珍しい真言宗寺院でした。

四国八十八ヶ所霊場入口前にある佛足跡 四国八十八ヶ所霊場出口

納経所で書き入れをして貰っている時に、お話をしても、そっけない返事しか返ってこなかった。
由緒ある寺院も、これから先、人柄で引き継がれていく。
自分の修行が足りないと考えることにした。(これは個人的な感想です!)

納経所そばの蝋梅が満開だった!

17番札所定林寺へは、市街地を長瀞方向に移動します。 約1.5q程の移動にあるが、時刻は12時50分です。 まだまだいけそう! そんな感じで昼食抜きで巡礼します。 旧秩父街道と思われる道を走るが、途中で通りすぎた事に気付いた。 通りすがりの人に聞いたら、あまり詳しくは無いようだった。 もう一人に尋ねると、行き過ぎたと教えてくれた。 戻る方向に走ると、案内板が大きく表示されている。 この様な事には、慣れてきた自分がいる。(修行と思う!)



案内を探しながら…
街角にも親切な案内板

この付近で行き過ぎたと思った

路地先を左折すれば17番札所定林寺だったが油断して先を進んだ。 間違えて、定林寺を周回するような形で定林寺に到着。 廻りを窪地に囲まれた小さなお寺です。

戻って走ると看板を発見 路地に入って…

野趣深い感じの入口は小高い丘を上がるように石段を上がる。 山門が無いが、そのまま本堂(観音堂)と対面する形です。

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■第17番札所 実正山 定林寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 十一面観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おんまか きゃろにか そわか
     御詠歌: あらましを 思い定めし 林寺
          かねききあへづ ゆめぞさめける
観音堂入口

観音堂は回廊が取り巻き、正面から見える欄干の透かし彫りが美しい。 鐘楼の梵鐘(1758年に再鋳された)には、日本100観音の本尊が浮き彫りされている。 説明板には参拝の始めに撞くと「入りがね」と云いお金が入り、お寺を出る時に撞くと「出金」すると知る。

入口に弁財天と地蔵尊が祀られている

観音堂

観音堂回廊

観音堂の真後ろに…
鐘楼

観音堂回廊

回廊を回り込むと…

十一面観世音菩薩と繋がるお手綱がある

納経帳に書き入れしてるところを注視してると、最後に日付をゴム印でポンと押すか、筆で書き入れるかで、 そのページの出来栄えが大きく変化すると思った。

納経所で納経の印が終わると、自転車で巡礼してる私に次の札所への案内をしてくれた。 そのコースは最短距離だが、一旦下って急坂を登るようだ。 先程周回して周辺は知っていたが感謝の言葉を残して、次の18番札所神門寺に向かう。

コースは真逆で、距離はあるが高低の無いコースを走る。

納経所
旧市街通り 踏切を横断して

神門寺は秩父鉄道を横切り国道140号線まで走行。 旧市街地から国道の走る新市街まで、踏切を渡って縦断する形になる。 混雑なく国道140号線の聖地公園交差点で左折して、長瀞方向に少し進むと右手に神門寺駐車場がある。 駐車場の奥に神門寺入口があった。 昨日、通過したが、全く気が付かなかったのは自分の修行が足りないから。

国道140号にでる 暫く進み、右手に神門寺

18番札所神門寺は、14番の今宮坊に属する修験寺だった。 当時は大いに栄えたが寛政時代のころ、焼失したという。 現在の本堂(観音堂)は、天保時代に再建されたと伝わる。 方形銅葺きの三間の建築で、周囲に縁側があり、向拝も風格があり静かな佇まいに時代の歴史を感じさせてくれる。

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■第18番札所 白道山 神門寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おん あろりきゃ そわか
     御詠歌: ただたのめ 六則ともに 大悲をば
          神門にたちて たすけたまへる
なんでもない所に駐車場… …ここが18番札所神門寺の入口だ

境内は駐車場と同じくらいの広さで、お寺の規模としてはそれほど大きくない。 本尊は聖観世音菩薩像で約1mの高さがあり両手に蓮華を持つ室町時代の作です。 本堂右手に火災鎮護の不動尊の堂宇があり、質素ながら信仰する人々に支持されている様だ。

本堂(観音堂) 不動尊

本堂(観音堂)の裏手に17番定林寺と同じように回廊があり、裏に回ると本尊に繋がれた手綱があり、いつでも本尊と繋がることができる。 これを裏観音とも呼ばれる。

本堂の裏に回る… そこには大日如来を中心に仏像が…

休憩所の左側に十二支守り本尊の堂宇がある。 蓮華堂と書かれた扁額、そして堂内にはお釈迦様を中心に仏像が祀られ、十二支の守り本尊として信仰されている。

蓮華堂 寄贈された観音像と仏塔

丁度、14時で今日の秩父巡礼はここで終了する。 納経所でお寺の方にいろいろ聞かれた。 私が自転車巡礼してるのに興味を持っているようです。 ここでも四国自転車遍路の話が中心になり、いろいろ聞かれた。

休憩所 納経所

ここから道の駅ちちぶまで戻るが、早めの終了は毎週末に巡礼した後、帰宅する時間帯に渋滞に巻き込まれないようにするため。 秩父に来る時は高速道で事故渋滞してひどい目に合った。 帰りは早めに順調に帰りたい! これが明日の仕事の充実感に繋げるためにも、疲れは最小限にしたかった。 私の旅の基本は、「最終日は早く切り上げること」
15時前に道の駅ちちぶに戻り、自転車を収納、着替えを済ませて大休憩。
帰路は皆野寄居バイパス経由で関越道に入り混雑なく無事、自宅に到着。(感謝!)

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