■ 秩父三十四ヶ所観音霊場 ■ |
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…19番札所、龍石寺に向かう |
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3日目の巡礼方向は、1日目の巡礼方向と同じだが、国道140号線の北側から始まる。 19番札所龍石寺に向かう為、道の駅前の国道を長瀞方向に走る。 国道沿いから市街地に入り、今日も天気は快晴だが気温は1度で空気が冷たい。 ゆっくり走っても目から涙が流れよく見えない。 タオルで拭いながらの走行になる。 |
| | …19番札所龍石寺の入口案内発見 |
平坦な市街地を走って、スタートは秩父の冬の痛さを感じながらの走行だが、自転車巡礼にも慣れて順調なスタートです。
19番札所龍石寺の案内板を見つけて路地に入る。
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龍石寺が見えてきた |
四国遍路でも第14番札所の常楽寺はここと同じか、それ以上の岩盤上に建立されていて、天然記念物のアララギの大木が印象に残っている。 それに比べると周囲が拓けた龍石寺です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第19番札所 飛渕山 龍石寺■ 宗 派: 曹洞宗 本 尊: 千手観世音菩薩 開 基: 創 建: 真 言: おん ばざら たらま きりく そわか 御詠歌: あめつちを 動かすほどの 龍石寺 詣る人には 利生あるべし |
参道に入ると六地蔵尊が迎えてくれる。 そして本堂の手前に境内、唯一の大木のそばに、身代わり延命地蔵像が目についた。 右手奥に納経所があり、自転車を転がして手前のベンチに寄せ荷物を降ろした。 真っ青な空に開放的な空間で、唯一境内中央に宝形屋根で流れ向拝が付いた佇まいの本堂がある。 |
入口門は無く開放的 | 右奥が納経所 | 左手に本堂 |
下から見上げる形になるから堂々とした本堂です。 本尊は千手観世音菩薩で、45pの寄木造りの坐像です。 室町時代の作と伝わるが、縁起によると、弘法大師の作とも伝わる。 厄除け観音像として知られ、女性の19、33歳の厄除けにご利益があるという。 1月18日は縁日で賑わう。 |
本堂 |
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| 身代わり地蔵尊 |
三途婆堂 | |
途中で赤の小型車が境内の駐車場に入ってきた。 30代の男女が本堂でお詣りして、納経所でご朱印を貰っている。 5分程度で出発していった。 後を追う様に納経所でご朱印を戴き、荷物をまとめて出発する。 古巡礼路の案内があるから標識に沿って走ってみた。 |
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路地端の自然石に文字が書かれている。
日差しを頼りに良く見ると、第20番札所は逆方向だった。
これも江戸古巡礼路の印だ!
案内を見つけると一安心する 遊歩道橋 |
元のT字路 秩父橋横の遊歩道橋 荒川に架かる秩父橋 |
秩父の景色を見ながら、荒川を渡る遊歩道橋上から川沿いが美しいので撮影。 古い橋梁が残っている。 |
美しい川岸 巡礼路は隣の橋梁下をくぐるが、階段が川に向かって下りる形だった。 これも巡礼の修行と思って、自転車を担いで下りて行く。 川沿いの景観を撮影しながら橋梁下を通過し、今度は登りの階段だ! そして向う岸に渡り愕然とする。 |
古巡礼路は秩父橋の下をくぐる | | |
担いで一気に上って立ち止まると江戸古巡礼路は、この先地滑りのため全面通行止めの看板だった。 あちゃー! そして振り向くと道路の向う側は先程いた場所でした。 見ず知らずの巡礼路を通るにはこんなこともある。 四国遍路でも同様な事があった。 結局、一般道路を大きく迂回して、20番札所岩之上堂に向かうことになった。 さらに迂回路は登りの急坂で修行してます。 |
秩父橋 初めから道路を横断すればよかった |
古巡礼路は地滑りのため全面通行止め 急坂を登り20番岩之上堂の案内を発見 |
急坂を上りきりやっと平坦路を走れる。
呼吸を整えながら走って20番札所岩之上堂の案内板を見つけた。
そして門前に到着して再び吃驚!
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脇道をまっすぐ進んで… |
20番札所岩之上堂は、当地の内田家で、代々管理しているという。 内田家の先祖が自らの資金と、広く関東域から勧募をして、現在の岩之上堂を守ってきた。 内田家は僧侶ではなく、代々この岩之上堂を管理してきたと云う。 私の自転車は、階段の途中にある内田家の墓地の前に置かせてもらった。 有難い事です。 階段を自転車担いで下りる途中で、その内田家の管理人に会った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第20番札所 法王山 岩之上堂■ 宗 派: 臨済宗南禅寺派 本 尊: 聖観世音菩薩 開 基: 創 建: 真 言: おん あろりきゃ そわか 御詠歌: 苔むして しきてもとまれ 岩の上 玉のうてなも 朽ちはつる身を |
岩之上堂の入口 | 自転車を担いでいたら人が下りてきた |
岩之上堂は秩父札所の中で最古の建物で、その観音堂は江戸初期の造営です。 元禄年間に内部の修復、宝永年間に彫刻などの装飾部の修復をしている。 江戸古巡礼では、荒川を渡し船で渡河し、荒川の河岸の断崖から石段を登ったという。 |
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本堂 |
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古巡礼路の道しるべ | 広い県道に出た処で21番観音寺を発見 |
道路に面した観音寺は囲いも無くオープンな感じです。 出入口以外は、低い樹木で塀代わりになっている。 境内には、真言曼荼羅供養塔や弁財天石塔、芭蕉の句碑、宝篋印塔などがある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第21番札所 要光山 観音寺■ 宗 派: 真言宗豊山派 本 尊: 聖観世音菩薩 開 基: 創 建: 真 言: おん あろりきゃ そわか 御詠歌: 梓弓 いる矢の堂に 詣で来て 願ひし法に あたる嬉しさ |
開放感のある観音寺 | 納経所 |
観音寺にある説明板によると、この堂は通称、矢の堂と称し、本尊は聖観世音で他にも幾体かの仏像がある。 大正12年、小学校の火災によって類焼し現在の堂宇が造られた。 焼失前は三間四面の堂宇であり盛時が偲ばれている。 |
手水舎 | 観音堂 |
昔、この地は八幡宮の社地で、神託により観世音の霊場だったという。 邪神悪魔を除き、仏地にせんと八幡大菩薩の放った神矢がここに落ち、悪魔退散したるため、名付けて矢の堂をなす、という縁起がある。 火除けの観音様と慕われ観音寺は、火難に対して霊験があると云われてる。 |
…観音堂 |
観音堂に掛かる絵馬 |
納経所でご朱印を戴いて話してる時、表にある自転車と私の服装に気が付いて自転車巡礼と気が付いた。
お婆ちゃん、歳の割りにはスタスタとサンダル履いて私の自転車まできた。
四国自転車遍路の話をしたら、さらに饒舌になり大いに話が盛り上がった。
お婆ちゃんが片手で自転車を持ってその軽さに大分驚いていた。
こういう庶民的なお寺は近隣の人々からも愛されるお寺に違いない。
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八幡宮 | 六地蔵 |
再び長尾根みちを走ります。 次は22番札所童子堂で距離は約1.5qです。 場所は長尾根みちを進んで左手にある。 案内板に注意しながら側道をのんびりと走り、長尾根みちの景色を楽しみます。 高台から秩父一の武甲山が良く見える。 雪を被った武甲山は、秩父巡礼で方角の確認に大いに役に立った。 |
| | 秩父象徴の武甲山 |
やがて入口の案内を見つけ小道に入ると、一直線で下りて上がる道だった。 勢いをつけて走りたい所だが、舗装は古いのでスローペースで走る。 小道も突き当たり行き止まりの処が童子堂だった。 |
| | 長尾根みちから脇道に… |
童子堂も、近隣は畑地に囲まれた農家が点在してる場所にあり、秩父の素朴な風土と自然を肌で感じることができる。 田舎道の表現がぴったりの場所に、珍しい茅葺きの仁王門がある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−■第22番札所 華台山 童子堂■ 宗 派: 真言宗豊山派 本 尊: 聖観世音菩薩 開 基: 創 建: 901〜922年(延喜年間) 真 言: おん あろりきゃ そわか 御詠歌: 極楽を ここに見つけて 童う堂 後の世までも たのもしきかな |
周囲が畑地に | 仁王門 |
この仁王門を見て、ここにお寺があると判る長閑な佇まいです。 左右の仁王像を見て口元に笑みがこぼれた。 巡礼という自分の表情が笑ってしまいそうな表情に変わった。 子供に所縁があるから仁王像まで、ひょうきんな表情をしている。 |
吽形像 参道を歩くと右手に本堂が見える |
阿形像 手水舎 |
童子堂の縁起では旧蒔田村、清水谷の山奥に建てられたが、昔、子供に天然痘が流行した時、 観音を祀って祈念し、谷間の清水を付けた処、病が治まったという。 901〜922年(延喜年間)に府坂の地に移され子供の病魔を救う観音として童子堂と呼ばれるようになった。 現在の童子堂は1702年(元禄15年)に府坂の地に再建され、1910年(明治43年)に現在地に移された。 |
本堂 |
童子堂は江戸時代の彫刻美の美しい華麗な建築で、三間四面の方形瓦葺きで周囲が高欄付きの縁がある。 正面の唐戸には風神、風雷、迦陵頻伽の浮彫の彫刻です。 |
身代わり地蔵尊は、戦時中金仏の御魂抜きをして供出されたという。 この地域からも多くの人々が出征したが、全員無事に復員したという。 戦後、この金仏が身代わりになったと語られ、新しい身代わり地蔵尊が祀られた。 その横に大きな石の塊があり、何だろうと思って覗き込んだら巨石群の塊の中に空間が造られ、その中には多くのお人形や石仏が置かれていた。 これも地域の信仰心の表れだと思った。 |
身代わり地蔵尊 | 巨石群の… |
横にはとげぬき地蔵尊が祀られていた。 心身のとげを抜いて病等のトラブルを抜いてくれるという地域信仰がある。 お線香のカスがあるから、地域の人々に信心されていることが判る。 |
…中の空間に人形や石仏が置かれている | とげぬき地蔵尊 |
境内の撮影が終わり納経所横のベンチに荷物を降ろした。
境内には数組の巡礼者が写真を撮ったり、祀られた像に祈念している。
人それぞれの願い事がある。
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弘法大師像 |
リュックや納経バックを下して肩が軽くなり背伸びをして軽い体操をした。
歳は取りたくないが、こればかりは皆平等だ!
健康年齢を少しでも長くしたいし子供達にも迷惑かけたくない。
そんな気持ちが境内を眺めた時に湧いてきた。 |
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