■ 秩父三十四ヶ所観音霊場 ■
秩父周辺は両側を山々に挟まれ、その間を国道140号線が埼玉から山梨に伸びている。 秩父三十四ヶ所観音霊場は市街地から山々に点在する霊場です。
山と谷の間を縫う様に江戸巡礼古道があり、ひび割れた舗装路と砂利道に苦労した。 しかし秩父の山村の風景も楽しめる現代人にとっては癒し効果のある巡礼路です。

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■ 2月11日 第23番札所 音楽寺 〜 第25番札所 久昌寺 (天候 晴)

童子堂から長尾根道に戻って、再びのどかな秩父路のサイクリングになる。 …と思ったら長尾根道から23番札所への入口の交差点から音楽寺へは急坂になる。 この路は丘陵地帯の頂上部にある秩父ミューズパークへ続く道路で音楽寺はその途中にあった。

撮影しながら走行は不可能!一度止まったら自転車押しになる。 秩父霊場で最大の急勾配が待ち受けていた。 自分の筋力の可能性を極めようと最大限の筋力を使って急登を上がった。

まだまだ続く急勾配 途中、国道から右に入る

観音堂から秩父市街や武甲山をはじめとして秩父連山が一望できた。 寺名の音楽堂に興味を持って訪れたが、その由来は札所を開いた13人の聖者が、この山腹の松風の音を菩薩の音楽と聞いたそうです。 その為、音楽を志す人々も訪れるという。

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■第23番札所 松風山 音楽寺■
     宗 派: 臨済宗南禅寺派
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おん あろりきゃ そわか
     御詠歌: 音楽の 御声なりけり 小鹿坂の
          調べにかよう 峰の松風
庫裡までコンクリートを流しただけの通路 庫裡

境内は梅や桜の木もあり春は花見で賑わい、秋は紅葉も楽しめるそうです。 今日は庫裡の前に梅は開花してたので映像に残しておいた。もうすぐ春が近づいている。

…2月は梅の開花!

庫裡から観音堂に向かう途中、つづら折りの石段途中にお稲荷様が祀られている。 境内の中に一際鮮やかな稲荷大明神の旗が連なり、鳥居と合わせてすぐ目についた。 商売繁盛や一家繁栄の神様で、立ち止まりお祈りする。



稲荷大明神


稲荷大明神の横をさらに上がる

観音堂は庫裡から、さらに石段を登った高い位置にあり、その境内には観音堂と鐘楼があった。 観音堂は三間四面で、高欄付きの回廊の幅が広いので一回り大きく見えます。
観音堂のさらに奥に登ると十三石仏があると記されていたが、自転車での急登で脹脛がジンジンしていたのでやめた。 境内ベンチに、10代の女の子二人がスマホを覗いて話している。 私が来たら観音堂にお詣りして奥の十三石仏に向かった。 ハイキングしてるようだった。

観音堂

鐘楼の梵鐘は1768年(明治5年)に鋳造され、高さ1.2m、直径約70pあり、上部に108個の乳頭、下部に聖観音、不空羂索観音、十一面観音、如意輪観音、 千手観音、馬頭観音と、丁度、秩父三十四観音霊場の六観音が浮き彫りになっている。 梵鐘を打った鐘の音は、秩父市内まで響き渡るような音で心が洗われる。

音楽寺の梵鐘には、秩父の農民が困窮で武装ほう起した悲しい出来事があった。 1884年(明治17年)に困窮した農民が、武装蜂起し音楽寺に集結し、 梵鐘を連打して市内中心部に乱入した事件があり、昭和53年に「秩父困民党無名戦士の墓」が建てられた。

鐘楼

手水舎
天然記念物の御影松の横に天神様が…

六地蔵

音楽寺から24番札所法泉寺に向かうは、長尾根みちまで戻ります。 急登だった道路を下りて行くが途中で急坂の様子を撮影した。 上から見ると、こんなに登ってきたんだと実感する。


長尾根みちに戻り再び歩道をゆっくりと走る。 身体が温まっているから気持ちの良いサイクリングになる。 約3.5qの道のりは途中にカラオケ店と食堂があるだけだった。 前方に武甲山が見えて来たらその先右手に麺処のお店があった。 そこに法泉寺の入口があった。





もうすぐ法泉寺

「あちゃー!」思わず声に出してしまった。 法泉寺の入口は長〜い石段が上に続いていた。 廻りを見渡すと麺処のお店があり誰もいなかった。

…思案して一大決心!
自転車を担いで登るしかないと自分に言い聞かせた。 この自転車、購入して半年後に2個のワイヤーキーが切られ盗難にあった。 保険に加入していたが、同じ仕様の自転車を購入した経緯がある。 この愛車これから死ぬまで私の宝だ! と云う訳で、リュックに納経バックを入れて胸と腹部のフックを掛けた。 ヘルメットはリュックにくくり頭にタオルを巻いた。 「さぁ!、行くぞう!」

法泉寺の創建は不詳だが縁起では修験僧の泰澄大師(立山、白山を中心に修行)で御詠歌にある「雪の白山」はそれによるといわれる。

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■第24番札所 光智山 法泉寺■
     宗 派: 曹洞宗
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 泰澄大師
     創 建: 
     真 言: おん あろりきゃ そわか
     御詠歌: 天照らす 神の母祖の 色かへて
          なおもふりぬる 雪の白山

一段、一段石段を踏みしめて登って行く。 最初、数えながら上がって行くが途中で数えるのをやめた。 何故なら石段が不揃いで、さらに奥行が無い。 シューズが石段上に全部乗せられない。 当然身体がふらついてきた。 休み休み石段を登るが、途中で誰かが来ない事を祈った。 後で、納経所で聞いたら116段もあると知った。 結局、往復したが、すぐ動くことができずに大休憩が必要だった。

麺処が法泉寺入口 …116段の石段

石段を登りきって境内に入る。 観音堂はやや左側の正面にあった。 銅板葺きの観音堂の向拝が、山門のような形になっていて、江戸時代の建立と云われ、珍しい形の堂宇です。 向拝の先端、左右に袋のような形の物がぶら下がっていたが、中を見ると仁王像が納めてあった。 本尊は室町時代の作と云われ、約24pの宗朝風の美しい像です。

観音堂

観音堂の左奥に古い六地蔵がある。 六体の間に樹木があり一見して六地蔵には見えない。 その左手に平和観音像がある。 世界の平和から、家庭の平和まで穏やかな表情を見せて祀られていた。 普段、何事もない生活が有難さを感じる。

平和観音像と六地蔵

納経所

休憩処からの眺望

納経所でご朱印を戴き、境内の休憩処で休憩。 休憩処からの眺望は武甲山が至近距離で見ることができる。 数枚撮影して一服する時間が至福の時間だ!

この後、体力修行になります。 再び、リュックと約7sの自転車を担いで石段を下りて行く。 かかとを石段に下すと、つま先が飛び出している。 途中で休憩できないので一気に石段を下った。

手水舎は境内中央にある

休憩処は展望台も兼ねている

秩父の人々にとって象徴的な武甲山

門前で再び大休憩してから長尾根みちを再スタート。 約3q先の25番札所久昌寺を目指す。 今度はどんな霊場だろう! 暫く走るとT字路の交差点だ! 巴川交差点で右折してさらに上って行く。 やがて信号機から下りになり少しホッとする。

長尾根みち

…T字路の巴川交差点の左は荒川が流れる

荒川に架かる巴川橋

ここを右折して山側に向かう


公民館前の交差点を通過してその先に弁天茶屋がある。 ここが目印で右に入る路地があり、その先左手に仁王門が見えてきた。


小公園のような場所の中央に茅葺の仁王門です。 両側に仁王像が安置されている。 小道に挟まれた仁王門と、その先にある観音堂が道路で分断されている。 仁王門を撮影して観音堂に向かうが!途中から道路が氷結していた。 ここまでは予想していなかった。

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■第25番札所 岩谷山 久昌寺■
     宗 派: 臨済宗南禅寺派
     本 尊: 聖観世音菩薩
     開 基: 
     創 建: 
     真 言: おん あろりきゃ そわか
     御詠歌: 水上は いづくなるらん 岩谷堂
          朝日もくなく 夕日かがやく
仁王門 観音堂付近は氷結

氷結の窪みに沿って自転車を転がしていく。 そろ〜り、そろ〜りと進んで観音堂前に佇む。 佇んで、リュックを下そうとしたら滑って転んだ。 それも自転車を抱えて自分が下になった。いててて!

観音堂入口

観音堂に上がると境内は氷結した雪面だった。 自転車を境内隅に横にして置く。 最初に撮影しながら見学して読経に入る。 香炉が無いのでお線香は灯さない。 観音堂は三間四面で宝形屋根流れ向拝の建物です。 扉が閉まっているから内部は拝観できなかったが本尊は聖観世音菩薩です。

    観音堂




観音堂を横道から出ると背後に土手があり上がって行く。 氷雪した道は背後の土手に続いて上りきった所で再び転びそうになった。 土手上にあがって初めて池があることに気が付いた。


この池は弁天池と呼ばれている。 土手が直線状だから人工土手と判った。 土手上の小道が久昌寺に続いていた。 土手上で振り返って雪に覆われた観音堂を撮影した。 境内に入ると弁天池そばに弁天堂がある。 昔は弁天池にあったという。



土手上から観音堂を振り返る
久昌寺の本堂はこの先

そのまま境内に入った

久昌寺は御手判寺とも呼ばれてる。 性空上人をはじめ13人の聖者が秩父札所を巡礼した時、閻魔大王から贈られた御手判石をここに残したといわれている。 この御手判石の墨刷りは納経所で頂戴する事ができ、あの世へ無事にいける通行手形と云われている。

弁財天は白龍王弁財天と呼ばれ弁才、知恵、延命、幸福をつかさどるといい私も拝んだ。 やや斜面の境内には本堂と納経所が並び境内は庭園のような感じで美しいお寺でした。

本堂 白龍王弁財天

15時近くなり身体の節々が痛い。 転んだことと自転車を担いだことで筋肉痛になっている。 こういう時は温泉に入れば癒されるだろうと思った。 でも今回は日帰り温泉、宿泊はしない、道の駅に戻ることにした。


ここから道の駅ちちぶまで6q強の距離がある。 久昌寺の正面から道路に出たら氷雪道路は僅かだった。 長尾根みちにでて、ここから国道140号線に向かう。 途中で武甲山が正面に見えた。 武甲山が背後に来れば道の駅だ。 140号線に向かう途中で見慣れた風景を発見。 初秋に秩父ハイキングで2日目に浦山ダムに行ったが、その浦山ダムの雄姿がこの道から良く見えた。 その映像がこれです。

浦山ダム 下って最後は登りの道路

国道140号線に出てから、ひたすら道の駅まで走り続ける。 国道は乗用車からトラックまで交通量が多くなってきた。 やむなく歩道を走り凸凹歩道に苦労した。 市内中心部に入るまで歩道幅が狭く走るのに苦労する。 道の駅到着は15時半だった。

国道140号線 道の駅ちちぶ

まだ明るいうちに到着したが、夕方以降に走るのは事故の心配をしたからで、一服して今日の巡礼終了とした。 バスタオルを敷き自転車をひっくり返して両輪を外す。 トランクに自転車を収納してユニフォームも着替えを持ってトイレで着替えた。 身体が緊張感からほぐされた感じだ。

ショッピングモール

道の駅の夜景…
車両を車中泊しやすい所へ移動して、夕食の買い出し。 陽が山に隠れると、一気に夕闇が迫ってくる。
18時を過ぎたら、ネオンが眩しい街並みに変わった。 隣がショッピングセンターだから車の出入が激しく、秩父の夕方の忙しさが集中してるようだ。

食品館で缶ビール6缶、焼き鳥、マグロの刺身、チラシご飯を買い入れ車内でテレビを見ながら車内晩酌開始! 今日は身体の節々が痛むが体調は良いようだ! ビール4缶飲んで、つまみが無くなり再度買い出しに向かい、 缶ビール1缶、漬物、イカ刺し、焼き肉、2Lのポカリスエット(明日の水分補給用)を購入して車に戻る。

夜景はデジカメの感度を6400にセットしたら、1/60のシャッターで撮影できた。 食事中は、車とトイレを往復しながら、テレビを見たり、明日の予定を考える。 明日も頑張るぞぅ!そしてぐっすり睡眠できた。 \(*^o^*)/

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