■ 日本ロマンチック街道で沼田の吹割の滝を楽しむ ■
夕方17時を過ぎて日光歌ヶ浜の駐車場を出発。 明日の予定は早朝から吹割の滝を撮影して帰路することにした。 昔、吹割の滝を観光した時に撮影した映像はWEBには残っているが、元データはパソコンの破損で無い。 失われた映像を求めて再訪問する。 中禅寺湖畔から戦場ヶ原、湯元を通過して金精峠に向かう。 この時期、国道120号線の金精峠は新緑が映えて非常に美しい景観を見せてくれる。 ほどなく吹割の滝前に到着した。


昔来た時の町並みが大きく変化している。 国道120号線と片品川の間にあった大型の駐車場は無くなり面影も無かった。 その代わり国道120号線の反対側に大型の観光施設が出来ている。 現在19時前でどこの駐車場で車中泊するか迷う。 ドライブインは沢山あるが物産館の駐車場に決めた。(赤色の丸印) 理由は公衆トイレが近いから。 車中泊の場所を決めてから国道を沼田方面に1q程走るとコンビニがあり、ここで食物とビールを買い駐車場に戻った。 すでに夕闇が迫り駐車場奥に止めてTVを見ながら夕食タイム。 デジカメのバッテリーも充電。

吹割の滝は群馬県沼田市利根町にあり、奇岩が1500mにおよぶ片品渓谷にある。 その中で一番規模の大きい滝を吹割の滝と呼ばれている。 高さ7m、幅30mの川床を割くように流れ、水量が多い時期は水飛沫が吹き上がる様子からナイアガラの様な滝です。 900万年前に火山の噴火で大規模火砕流が冷固した溶結凝灰岩が片品川の流れによって浸食されて現在の吹割の滝になった。


吹割渓谷の遊歩道を反時計回りに…

願い事の叶う滝の虹の説明

伽羅苑という大型駐車場は無料ですがトイレが遠かった。(黄色の丸印) 付近には多くのドライブインがあるが飲食やお土産を買わなければ有料という。 伽羅苑の建物内部から地下道を利用して吹割の滝へ直接行くことができる。
朝方5時前に起床してトイレに行ったら電気が点燈してないから真っ暗だった。 空気がヒンヤリして気持ちの良い朝です。 ハイキングの準備をしてカメラの装備を点検、いざ出発。 吹割の滝入口に向かう為国道沿いに歩いて行く。

■願い事の叶う滝の虹
その昔、左甚五郎が将軍の命で日光の造営に参画すべき長野県から沼田を経由し追見宿に泊まり 宿の主人から吹割の滝に現れる虹の霊力の伝説を聞いて、 翌日主人の案内で滝に行き虹に向かって、 これから望む人生最大の仕事が無事果たせるよう祈願した。 それにより無事仕事を納め、帰路に吹割の滝を訪れて自作の如意輪観音菩薩像を寄進している。 …案内板より

最初に片品渓谷に沿って周囲を一回りする。 赤丸は駐車場所、黄色丸は伽羅苑で、ここから片品渓谷に下りて行く。 片品渓谷を反時計回りにハイキングして最後に吹割の滝に向かう。

浮島橋

渓谷に向かって下りて行くと伽羅苑からくるトンネルと合流。 さらに下りて行くと遊歩道が左右に別れる。 右折して渓谷を少し上ると片品川に架かる橋に到着。 ここからの景観は上流も下流も渓谷の美しさを堪能できる。 撮影しようとしたら後ろから若者が来て追い越していった。 見えなくなるまで待機して撮影再開。 片品川の真ん中に浮島がある。

浮島橋
浮島橋は鉄橋だが結構揺れた

浮島橋の上流の景観


ここに架かる橋は浮島橋という。 鉄橋だが吊り橋だから結構揺れる。 シャッター速度が1/4だから少しの揺れにも慎重に!


順路に沿って進む。 浮島橋を渡る時、下流域には千畳敷、夫婦岩が眺望できる。 片品川の浮島には浮島観音堂があり橋の長さは120mぐらい。 こちらは浮島橋途中からのショット、吹割の滝の方角になる。 目前に「千畳敷」と「夫婦岩」が見える。滝の音が聞こえ、癒しの空間が広がる感じ。

上流側は変化を楽しめる

渡った後、浮島橋を振り返った映像
下流側に千畳敷、夫婦岩が眺望

浮島の遊歩道を…

■千畳敷…
片品川の千畳敷は畳千畳分と云われるくらい広く滑らかな川床でした。 川幅が100mぐらいあり新緑が映えるが秋には紅葉が素晴らしいだろう! 川床が良く見え清流感バッチリ!結構浅い印象がした。

浮島に渡り浮島観音堂に向かう。 4、10月には春、秋祭りがおこなわれ、願い事が叶うよう護摩焚きがおこなわれる。 早朝6時頃では扉も閉まりあたりは静寂な雰囲気。 観音堂の先に遊歩道が続いているので向かうとほどなく行き止まり。 観音堂に戻り浮島から対岸に渡河する。 この橋が吹割橋で約140mの橋長がある。

浮島観音堂

…行き止まり!
観音堂の先に進むと…

再び元の場所に戻る

吹割橋からの眺望も絶景で渓谷美を堪能できる。 この時間帯は観光客が少なく、地元の人々の散歩コースのようで撮影は大いにはかどった。 上流側の景観は浮島橋より渓流感がアップする。 持参した三脚をフル活用しシャッター速度を1/4〜1/20で同じ景色を1枚ずつ撮影。 橋を渡ると右手に広場とトイレが併設されてる。

吹割橋

吹割橋上流
吹割橋上流

吹割橋下流
吹割橋から下流方向の撮影。 こちらも癒される景観で、何度来ても飽きない! 自然の素晴らしさをあらためて実感した。 吹割を流れる片品川の浸食から取り残された浮島と橋上から見下ろす千畳敷の眺めは最高!
吹割橋下流



吹割橋を渡り右手に広場とトイレ
広場から片品渓谷の遊歩道が始まる。 一人の若者以外誰にも出会っていない。 昨日、今日と天候が良く撮影日和だ! 遊歩道に差し込む朝日と新緑が眼に優しく誰もいないが元気が出る。
広場



片品渓谷遊歩道入口



句碑
片品渓谷遊歩道は登りあり下りあり、狭くなったり広くなったり、途中には句碑があり、昔ながらのハイキング道です。 昔から地元の人々に使われていた道を観光にも利用できるよう改修したよう。
片品渓谷遊歩道








片品渓谷の案内図に吹割の滝を上方から展望できる場所が三つある。 しかし新緑が芽吹いたこの時期は一つだけ展望所から姿を見せてくれた。 その映像は部分的ながら渓谷美の姿が観れた。 幅広い千畳敷から水量が集中した急流の一部が上方から観れた。 更に先に進むと、標高1000mの天狗山への登山案内図があり、その分岐点に到着。







直進は天狗山への登山


展望台からの吹割の滝

片品渓谷はここから下の階段を下りて行く。 「熊に注意!」の看板が…、早朝の時間帯は熊もネグラから出てくる時間帯だ! はじめは注意したが眺望の良さにうっかり忘れる。 こういう時が一番危ない! 頭の片隅に注意喚起してるのと、そうでないとでは断然違う! 遊歩道の先に梵鐘の形をした鐘とハンマーが用意され、すぐハンマーで鐘を打つ! 鋭い音色が渓谷に木霊した!

熊除けの鐘とハンマー

遊歩道はどんどん下り坂


遊歩道はつづら折りに下り階段が続く。 そして目の先に社が見えてきた。 そして朱色の鳥居と社が確認できて国道前に出てきたことが判った。 ここで片品渓谷の遊歩道が終了。 遊歩道は老若男女、皆さんがのんびり散策できる所です。



十二様


国道120号線に…


吹割大橋上から吹割渓谷を撮影

遊歩道からメインテーマ、吹割の滝の撮影に向かう。 吹割大橋上から滝への入口に向かい、つづら折りの階段を下りて行く。 そして最初に渓谷の流れの場にきた。 渓流に沿って遊歩道があるが柵が無いから一歩誤れば激流に飲み込まれる。 眼前に鱒飛の滝が見えてきた。 高さ8m、幅が6mしかないから激流の滝だ! これだと遡上してきた鱒が泳ぎ超えることは出来そうもない。 その為名称が鱒止の滝と呼ばれている。

つづら折りに階段を下りて行く。

鱒飛の滝


鱒飛の滝の上方も素晴らしい景観

渓谷沿いに遊歩道が整備されている。 水量が多いから水難も多発しそう! 常時水量が多いから、水の浸食によって年間数センチの勢いで上流に向かって瀑布が後退しいる。 将来的にはそれぞれの瀑布は上流に移動し景観も変化していくだろう。 鱒飛の滝の上流の景観も、こんな感じで撮影できた。






渓流の流れの映像を少しづつ移動しながら映像を確保。 遊歩道の先に足を進めると対岸の岩壁に大きな変化が現れる。 岩壁のひとつに般若の形をした岩壁が見えた。 見る角度によるが、近づくにしたがって般若の形が浮き彫りになってくる。 この岩壁を見て、大昔の片品渓谷は激流の流れがもっと上方にあったのではないかと思った。

鱒飛の滝に激流が吸い込まれる




岩の遊歩道を曲がると…
般若岩壁と渓流の流れ …眼前に吹割の滝が広がる

般若の岩壁前を通り過ぎると、いよいよメインの吹割の滝が姿を現す。 岩壁に沿って遊歩道が大きく曲がり目の前に片品川の幅広い流れが見えてくる。 遠方の日陰に水煙が巻き上がる様子が良く見える。 陽光が高ければ虹が見えるだろう。 左甚五郎の見た映像は水煙に照らされた陽光の現象だ!

吹割の滝の左手に大きな窪みが見える。 これは「おうけつ」と呼ばれ川底の石が水の力で回転しながら硬い岩を掘り下げてできた穴ぼこをいう。 今回の映像では幅広い流れの左端に大きなおうけつを見ることができた。 この様なおうけつは何万年もの時を経て作られたもので渓流の造形美と言っても良いでしょう。



滝の左端にある「おうけつ」


とにかく水飛沫が前方から降ってくる。 撮影してすぐ気が付き、一度レンズを拭いてからキャップを被せた。 この後からは、撮影の度に撮影モードを設定して、シャッターを押す瞬間にキャップを外して瞬時に撮影。 近くに女の子が小さい三脚を持って撮影に来た。 女の子は私がいた場所に移動して撮影を始めた。










濡れた岩壁で滑らないようにシューズにスパイクの付いたバンドを留めて撮影してたが、女の子は普通のシューズだった。 私が足元を見せながら滑らないように注意しなさいと話す。 私は上方から撮影しようと岩壁に登り撮影再開。 女の子も用心しながら撮影していた。 誰もいなかった場所にこの時間になって次々と観光客や近隣の人が来る時間帯になった。 犬の散歩で来た近くの人が体操しながら遊歩道を歩いてくる。

上流に向かいながら構図の変化を楽しむ

浮島と両側に架かる橋


夫婦岩


吹割の滝の上流、浮島の間は広い河川敷が観られる。 広い川床は川の浸食が進み川床の勾配が緩やかになった所です。 そのかわり渓谷の横を削る力が強く働いたという。 その川床を二枚撮影して合成した。

撮影が終わった場所で丁度、渓谷を一回りした。 下流の遊歩道にはようやく多くの観光客が見れる。 現在8時ごろで吹割の滝もこれから盛況になるだろう。

9時過ぎに吹割の滝を出発。 昨日から歩き続けて脹脛が心地よい痛みがある。 国道120号線を下り沼田ICに到着。 後は関越道で自宅に向かって走行。 10、11時の時間帯は高速道もガラガラで定速走行で燃費もぐんぐん伸びていく。 自宅に戻った時の燃費は10.9q/Lで安い旅紀行ができた。

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