■ 盛夏の西沢渓谷ハイキング ■
西沢渓谷には春に2度、秋に1度来ている。 季節感も十分に堪能している。 今日で4度目の訪問になる。 西沢渓谷ハイキングの所要時間は5時間半。 最奥で40分の休憩を入れても6時間あれば十分に一回りできそう。 今日は渓谷美と多くの滝の撮影に絞り、白糸の様な流れのある映像を確保に絞ることにした。

早朝の4時過ぎから身体を動かしているから、70歳前の体力がどのくらい続くか挑戦する。


出発前に甲武信ヶ岳登山のメインルート、西沢山荘前の徳ちゃん新道を確認した。 次回挑戦する時の資料です。 それにしても懐かしい、というかお恥ずかしいところでもある。

滝上から滑落事故を起こして滝壺へ沈み、もがいたが浮き上がれず、水中でリュックを外して一旦潜った。 余力あるうちに潜り、上からの水圧を逃れ滝壺の端に移動して、かろうじて浮き上がったら水流に流され次の下の滝に落ち込んだ。 岩壁にぶつからず運よく渓谷端の石にしがみつき難を逃れた。 それからは寒さで凍え、低体温症になり、山開きした当日の山岳隊員に救助され、担架で救急車に運ばれた場所だ。

緩やかな下り坂

徳ちゃん新道入口
ヌク沢に架かる橋

西沢山荘前から西沢渓谷が始まる。 一度死んだ男が再度、西沢渓谷に来た…。 暫く歩いて東沢に架かる二俣吊り橋を撮影。 この橋は結構揺れが多い。 吊り橋中央で上流、下流の景観を撮影するが、人の流れが途絶えて揺れが収まるのを待った。 その間に撮影の構図も決めておく。

西沢渓谷入口

二俣吊り橋


二俣吊り橋の下流の景観

二俣吊り橋を過ぎるとハイキング道は狭く厳しくなる。 今回で4度目のハイキングだが特に力を入れてるのは水の流れです。 渓流の流れ、滝の落ちる白糸のような流れの映像を手に入れる。 今までの訪問では水の流れの表現が十分でなかった。 今回は手動で繊細な白糸のような流れを表現したく撮影していきます。 二俣吊り橋の上流は東沢渓谷の渓流で西沢渓谷の反対の尾根にある。 渓谷を登って行くと対岸に大久保の滝が樹林の間から姿を見せる。 水量はそれほどではないが高さのある滝です。

二俣吊り橋の上流の景観(東沢渓谷)


大久保の滝

大久保の滝の先には三重の滝があるが、その前に深い渓谷の水の流れがある。 上から見ると切り立つ岩壁に深い水深の窪みを水流が轟音を立てて流れている。 落ちたらひとたまりもないだろう。
岩壁の狭い渓谷道を登る途中に三重の滝へ向かう観望台がある。 擦れ違いできないからお互い声を掛けながら譲り合いで観望台に向かう。 早速、場所を変え構図を変化させながら撮影する。 シャッター速度は1/6位が丁度良いかも。

さらに上流を目指す

三重の滝


深い淵の急流

三重の滝

渓谷道の本路に戻り再び登るが岩壁の渓谷道はさらに急な登りが続く。 途中、階段の所があるのは大いに助かる。 と思ったら、今度は鎖場の急登になった。 こういう変化が、また楽しい! 深い岩壁の流れの場では対岸の壁面に人面模様の岩壁が現れる。 人面洞と案内表示があるが、岩壁の紋様は薄暗いから良く見えない。 その先には竜神の滝が見れる。

撮影後さらに岩壁に沿って5分ほど進むと貞泉の滝の観望台に到着する。 この観望台は岩壁の高い位置にあるから滝全体を上方から俯瞰できる。 この貞泉の滝こそ、8年前、春の山開きの時に来て滝の上流の岩部から滑落事故した所だ! 何度来ても、その時の情景が目に浮かび、足元がハイキング路からはみ出ないように慎重になる。 滑落事故はハイキング路から外れて渓流渕に寄り過ぎたのが原因。



竜神の滝


カエル岩


貞泉の滝

貞泉の滝を20分ほど進むと岩壁はさらに急登になり、一旦下りる形になる。 そこに方丈橋があり、結構古い橋で人数制限がある。 橋の手前で一休みする。 脹脛や足首の筋肉が硬くなり痛みを感じるようになった。 家族連れや大学のサークルが団体で通過して方丈橋付近は賑やかになった。

20分ぐらい休んだだろうか、ハイキング道も静かになり、デジカメ持って橋の先に進んだ。 その橋の右方向に西沢渓谷最大の魅力の七ツ釜五段の滝の五段目が見える。 その流れは水流も多く豪快な落差の姿を垣間見せてくれた。 何枚か撮影して、元に戻って再出発する。     七ツ釜五段の滝の五段目 ⇒


方丈橋を渡るとすぐつづら折りの急登になる。 いままで休憩したのが幸いして一気に登り、岩壁に沿って鉄橋まで到着。 この鉄橋の場所が七ツ釜五段の滝のほとんどが見渡せる好位置になる。 一段目の滝は見えないが滝全体が俯瞰できる位置にある。 先行した人々が鉄橋に一列になって撮影していた。 この鉄橋も人々が歩くと大きく揺れるから人のいなくなるまで手前で小休憩。 そして撮影したのが以下の映像です。

方丈橋の下流の景観

五段目は豪快だ!
七ツ釜五段の滝

…2、3、4段目の滝

滝の上展望台   木賊山

そして最後は滝の上展望台へ向かいます。 鉄橋から緩やかな登坂を行くと、1段目の小さな滝があり、この付近は岩場に腰を下ろして昼食してるグループもある。 20数人のカラフルなハイキング服が渓流の岩場に点在してる。 それをしり目に最後の木道階段がつづら折りに向かっている。 途中で休憩すると、動けなくなりそう! だから一気に登って行く。 滝の上展望台まであとわずかだ!

そして到着した場所は猫の額ほどのエリアだが、ベンチや四方形のベンチエリアがあり、若者から夫婦連れ、単独行の人々で賑わっている。 空いてるベンチに腰掛け、呼吸を整えるのに5分ほど大休憩する。 水分補給して落ち着いてから、持参した二つのお握りに海苔を巻いて食事開始。 家を出る時に自分で握った特製の大きなお握りだ!

滝の上展望台 滝の上展望台  鶏冠山

靴の修理に使った針金が一部切れて役に立たなくなっていた。 新しい針金で再度補修する。 ここ滝の上展望台は黒金山への登山入口です。 ベンチの奥に向かうと登山口案内があり、ここにはトイレもある。 その登山口前に移動すると、多くの愛煙家が思い思いに喫煙している。 私もその仲間に加わり楽しんだ。 新たに息を切らしてハイカーが到着。 席を譲るかたちで帰路のコースに入ります。

ここから帰路のコースの景観 緑多い樹林の隙間から…


木材運搬用トロッコ軌道跡

滝の上展望台にいたのは40分ぐらい。 ここから渓谷の反対側を周遊する形で駐車場まで戻る。 コースは緩やかな下りで、元々トロッコ軌道跡をハイキング道にしたかたちだ。 沢ぐるみ橋からトロッコ軌道跡を時々見かける。 何度も通ったハイキング道は紅葉か、新緑か、濃い緑の景観を見せてくれて、いつ来ても天候さえ良ければ良いとことだ。

帰路にある大展望台の景観 木賊山の奥に甲武信ヶ岳(赤矢印)

帰路の途中で展望台が2ヶ所ある。 最初の展望台は高所から石塔尾根、鶏冠山、十賊山、破風山、雁坂峠が展望できる場所がある。 広い見晴らしで滝の上展望台より絶景だ。 甲武信ヶ岳は十賊山の後方にあり十賊山より若干低い。その甲武信ヶ岳は赤↓で表示しました。

私が到着してすぐ若いカップルも到着した。 そこで単独行の男性、二人が再出発した。 空いたベンチに離れて座り、水分補給と喫煙をする。 紫煙が谷に向かって消えていく。
ほどなくカップルも再出発した。 幅広い景観を撮影しながら案内図の名称を確認しながら何枚か撮影。


大展望台で今日の予定を組みかえる。 甲武信ヶ岳登山は靴の破損で今回は断念した。 現在13時半を過ぎている。 このまま駐車場に戻っても結構時間的には余裕がある。 しかし体力的には午前4時過ぎから歩いてもうすぐ12時間を経過する。 そんな思いを思慮しながら再出発した。

暫く下ると廃線路上に木材を積載したトロッコが展示されていた。 昔は無かったが、多くの観光客に近世の事業の歴史を伝えようと地元の人々が設置したものか? 単独行の人がミニ三脚で記念撮影に苦心していた。 思わず、かっこ良く撮影しましょうと声掛けして数枚撮影。 滝の上展望台で出合って知っていたので声を掛けてしまった。 同世代の男性は喜んでいたが、あっけらかんとしてスタスタ下山していった。 その後、トロッコの撮影を完了して、私も後を追った。

8年前には無かった廃線路上に木材を積載したトロッコが展示

ネトリ大橋の景観 上流側


下流側

トロッコの展示場所から下山していく時、学生サークルたちが滝の上展望台に向かっていた。 逆方向の方が楽に行けるとバーベキューセットを運んでいる。 彼らなりの楽しみ方があるものだ! 最後に一回りする形でネトリ橋を渡り西沢渓谷を周遊した形になった。 トイレ休憩、喫煙、水分補給してたら若者が寄ってきた。 観光協会?と思ったら山梨県観光のアンケートだった。 大学生の若者とベンチに座りアンケート開始。 時間的には余裕があるから十分に若者のアンケートに付き合った。…終わりに山梨観光のボールペンの記念品を戴く。(ありがと!)

駐車場に戻ったのが16時を過ぎていた。 今日一日、12時間にわたって山歩きしてきた。 太もも、脹脛の筋肉痛があり足首がかったるい。 日帰り温泉でも近くにあれば行きたいが、今は道の駅みとみで大休憩! 物産店に寄ったが夕方だから商品は少なく、駆け込みのお客がレジに並んでいる。 レジは1台しか動いてなく店員も少なかった。

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