■ 華厳宗 総本山 東大寺 ■

東大寺は奈良市にある華厳宗大本山の仏教寺院。 「金光明四天王護国之寺」ともいい、奈良時代(8世紀)に聖武天皇が国力を尽くして建立した寺です。 奈良の大仏として知られる盧舎那仏を本尊とし、中世以降二度の兵火で多くの建物を焼失。
現存する大仏は、台座などの一部に当初の部分を残すのみで、現存する大仏殿は江戸時代、 18世紀初頭の再建で、創建当時の堂に比べ間口が2/3に縮小されている。


大仏さんの寺として古代から現代に至るまで広い信仰を集め、日本の文化に多大な影響を与えてきた寺院で、 聖武天皇が当時の日本の60余か国に建立させた国分寺の本山にあたる「総国分寺」と位置づけられた。
お昼過ぎに奈良公園に到着。 南大門(国宝)は中国、宋から伝来した建築様式で、貫と呼ばれ柱を貫通する水平材を多用して構造を堅固にした。 平安時代の962年(応和2年)に台風で倒壊後、鎌倉時代の1199年(正治元年)に復興された。 門内左右には金剛力士(仁王)像と石造獅子一対(国重文)が安置されている。

世界遺産東大寺の石碑

南大門
南大門へ

中門へ

中門(国重文)は金堂(大仏殿)を囲む入母屋造の楼門、廻廊で1716年(享保元年)頃の再建で、 中門の両脇から大仏殿を囲う様に回廊が伸びている。 中門から左右の回廊を撮影。 南大門から中門と回廊を見学し、金堂に入るまで随分時間を要した。 金堂参詣口で早速、警備員からカメラの三脚は使用禁止と言われた。



中門の右側の回廊

中門
中門(国重文)

中門の左側の回廊

金堂参詣口(左端部)

大仏の正式名称は盧舎那仏坐像、大仏殿の正式名称は東大寺金堂という。 金堂を左右、中央と3枚撮影。 中央から進むと金堂前に金銅八角燈籠(国宝)があり、金堂屋根の金箔が太陽に綺麗に輝き、内側から回廊が美しく見える。

金堂



回廊

手洗水
金堂前に金銅八角燈籠(国宝)





金堂のひさし部分

大仏は姿の上では釈迦如来など他の如来像と区別がつかないが、盧舎那仏という名の仏である。 盧舎那仏は、華厳経(西暦400年前後に中央アジアで成立し、中国経由で日本へもたらされた仏教経典)に説かれる仏で、 華厳経に言う「蓮華蔵世界」の教主です。 華厳経の思想はきわめて深遠かつ難解でだが、概括的に云えば、聖武天皇は日本の総国分寺である東大寺に廬舎那仏を安置することで、 日本の国土を華厳経の「蓮華蔵世界」のような理想的世界にしようという意図があった。    


東大寺盧舎那仏像は「奈良の大仏」として知られる仏像で、奈良市の東大寺金堂(大仏殿)の本尊である。
聖武天皇の発願で745年(天平17年)に制作が開始され、752年(天平勝宝4年)に開眼供養会が行われたが、 現存する像は中世、近世の補修がはなはだしく、当初の部分は台座、腹、指の一部など、ごく一部が残るにすぎない。 今は「銅造盧舎那仏坐像」の名で彫刻部門の国宝に指定。

これから大仏殿(東大寺金堂)に入りますが修学旅行の時はこんなにワクワクした気持ちは無かった。 初対面のような気持ちで慌てずじっくり鑑賞したい。




合掌

どの角度から見ても表情の優しさ…
表情の柔らかさに

宗派について…
奈良時代のいわゆる南都六宗(華厳宗、法相宗、律宗、三論宗、成実宗、倶舎宗)は「宗派」というよりは「学派」に近いものであった。 日本仏教で「宗派」という概念が確立したのは中世以後のことである。 大仏殿の高さは高さ48mで16階建てのビルに相当する。 屋根の瓦の枚数も、1枚の瓦が普通の家の瓦の4倍ぐらいあり、枚数にして約11万枚に及ぶそうです。 当時のスケールの大きさと技術の確かさが実感できる。

大佛蓮弁(原寸模型)


瓦の一部が保存
瓦の一部が保存


大仏の真横は…こんな感じ

大仏殿の後側は大変広く、天井も高さを実感。 大仏殿の後側には創建当時の伽藍の様子を1/50で縮小、復元。 持国天像頭部、増長天像頭部、大仏殿の柱(周囲3.65m)は元禄年間に再再建された柱が保存されていた。 東大寺大仏殿、鎌倉大仏殿の縮小模型も展示してある。

創建当時の伽藍復元模型

東大寺大仏殿の縮小模型

右が持国天像頭部、左が増長天像頭部
古文献を元に大正年間に製作

鎌倉再建大仏殿の縮小模型

大仏殿の柱(周囲3.65m)…元禄年間の物

如意輪観音像は1738年(元文3年)頃の完成、虚空蔵菩薩像は遅れて1752年(宝暦2年)の完成。 大仏の左右に脇侍として安置されている像は大仏(銅造)とは異なり木造です。


虚空蔵菩薩像


広目天像(金堂西北隅)

如意輪観音像


多聞天像(金堂東北隅)

右側からも大仏を拝見。 金銅八角燈籠(国宝)は大仏殿の正面に立つ燈籠で、たびたび修理されているが、基本的には奈良時代創建時のものです。 火袋には楽器を奏する菩薩の浮き彫りがある。賓頭盧尊者は釈迦に咎められたほどの神通力のある弟子です。



金銅八角燈籠(国宝)


賓頭盧尊者

東大寺境内は約12haに及ぶ広範囲の土地が「東大寺旧境内」として国の史跡に指定されている。 奈良公園の中には多くの寺社があり、これからお隣の二月堂、三月堂へ…

inserted by FC2 system