■ 安芸の小京都、竹原の重要伝統的建造物の散策 ■

再び古い町並みに戻り散策を続ける。 手焼きせんべいの暖簾も風になびいて風流に感じた。
頼惟清旧宅(らいこれすが)… この旧宅は日本外史の著者として知られる頼山陽の祖父、頼惟清が紺屋を営んでいた家で安永4年(1775年)頃の建築です。 入母屋塗込造、本瓦葺の母屋と単層屋根、切妻造本瓦葺の離れ座敷からなり、庭の詩碑は山陽の詩がある。


大戸から入ると間口一間半の大きな土間が紺屋であったことを物語り、右側の八畳は、紺屋の店舗であったと思われる。 家財道具がないから生活感が無い、室内は綺麗に清掃保存されている。 裏庭に出ると結構広い敷地が奥にあり、 屋根瓦と木枠の間には当時のままの状態が再現され保存にも留意している。

手焼きせんべい店

頼惟清旧宅(らいこれすが)の案内板

紺屋の店舗



ここは「いっぷく亭」といい街並み散策の人や地元の人の社交場(休憩処)です。 古い土蔵を改装した竹工房の横は修景広場になり寛ぐ事が出きる。

竹原の竹細工「まちなみ竹工房」では地域の方が寄り集まって作業されているので実演をいつでも見れる。 勿論、お気に入りの物があればその場で買うことも出来るし、いろいろな模様の作品は見るだけでも楽しい! 修景広場で一休み!喫煙する場所があって助かった。 修景広場をぐる〜っと回り街中に戻る。

反対側に頼惟清旧宅

屋内

内側の庭

山陽の詩碑




6月のこの時期は梅雨の真っ最中です。 曇りがちで蒸し暑く、散策を始めて体感温度が上昇。それでも身近にある竹原の一部を知る事が出来て楽しい。

いっぷく亭





立派な板垣の塀






各家屋は様々な意匠を組み合わせた格子が特徴で、一階に材木を組み合わせた出格子や平格子、 高さを抑えた二階には漆喰を施した塗り込め格子が用いられる。 大規模な邸宅は多棟連結型の例が多く、一方で戸建ての町屋や長屋の連なる横町も存在する。

歴史民俗資料館は昭和5年(1930年)の建物です。古い日本家屋の街並みの中に疑似洋風の建築が非常に目立った。 資料館にある古い街並みの模型は黒い部分が重要伝統的建造物群です。






街並みの中心部は電柱が無く古い街並みを体感できる。 この家で勝手口で所用をしている方に聞いたら、実際に住んでいる住民は多種多様に気苦労が多いんだよ!と聞かされました。

吉井邸の母屋は竹原で最古の元禄3年(1690年)の建築で、酒造業と製塩業を営んだ豪商の家で屋号を米屋と云い古くから町年寄りを勤めた家柄です。
お好み焼き喫茶「ほり川」、約220年前に建てられた醤油蔵を改装し営業しています。





竹原で最古の吉井邸

お好み焼き喫茶「ほり川」




竹原で最古の吉井邸の母屋

松阪邸(竹原市指定重要文化財)江戸末期(1820年頃)の建築で、明治12年(1879年)に全面改築した建物です。 塗込めの窓額付き菱格子の出窓などが特徴的です。
また独特の多棟連結形町屋の竹鶴酒造「小笹屋」も情緒タップリ!



竹鶴酒造「小笹屋」

家の庭にある寛ぎ処のよう



おもてなし


竹鶴酒造「小笹屋」



自販機も街並みの景観…

格子に飾られている花

それほど広い地域ではないから散策をしていると同じ処に戻ったりします。案内地図を事前に用意しておけばと後悔。 竹鶴酒造は「小笹屋」として古くから酒造を営んできた商家。しかも「日本のウイスキーの父」と言われた、 ニッカウヰスキーの創始者竹鶴政孝氏の生家です。





竹鶴酒造「小笹屋」




初代郵便局跡(書状集箱)明治4年(1871年)郵便事業創業当時の郵便ポストを復元、設置したものです。
春風館頼家住宅は安政2年(1855年)築。頼山陽の叔父、頼春風(1753〜1825年)の家です。 しかし頼春風の死後に家は焼失し、翌年に現在の建物が建てられた。 復古館頼家住宅は安政6年(1859年)の建築。 頼春風の孫の三郎が分家独立して構えた屋敷で春風館西に隣接、酒造業や製塩業を営み商家としての建築となっている。 春風館頼家住宅と復古館頼家住宅は国重要文化財です。



春風館頼家住宅と復古館頼家住宅は…

春風館頼家住宅(手前)と復古館頼家住宅(奥)



初代郵便局跡

…国重要文化財

復古館頼家住宅

車の駐車した家まで戻ってきました。撮影も順調に進みましたがすべてを撮影したわけではありません。 それほど広いエリアを想定したわけではなく、撮影機材だけを持っての散策でした。 小銭も、タオルも持たず撮影を始めてしまい。途中で、この蒸し暑さに身体が悲鳴をあげてしまった。

車を地元の方の好意で止めさせていただいたので、駐車も無料とわけにはいかず、感謝のメモと500円をポストに入れて出発。 またいつか逢う事もあるでしょう。


日本各地に古い街並みがあり、旅する人には嬉しい限りです。 その時代の景観を今の時代にも残してゆこうと云う、その地の人々の努力に感謝です。
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