■ 福山城の本丸を散策 ■

福山城の展望室からは市内四方が見渡せるが二の丸、三の丸、内堀などは規模、形状は全く変貌し、 美術館、歴史博物館、駅前マンション、JR福山駅などの工事で本来の遺構を破壊した可能性も指摘されている。
唯一、本丸の正門の筋鉄御門は国重文です。(左の映像)
最上階外縁にでて四方は天候も良く遠方が見渡せますが、一部逆光で映りは良くない。


ホーリーザイオンズパークセント・ヴァレンタインは大聖堂の結婚式場です。ヨーロッパ調の美しい建物が目を引いた。 こうして周囲は多くの現代建物が建てられ歴史感は無いが立派な文化都市景観です。

南側…JR福山駅

新幹線の下にJR福塩線の車両が…

美術館
南西方向…JRが市内を…

ホーリーザイオンズパークセント・Valentine

本丸の正門の筋鉄御門(国重文)

城址が博物館の名称を持ち、この一帯が公園という感じ。 高校生の朝のランニングの練習や親子連れの散歩など公園内は早朝から多くの人々で賑わっていた。 この時間帯の福山城博物館内は人出は少なくポッポッという感じで、しかも朝方の9時の時間帯に訪れる人はどう見ても観光客に見えない。

山陽本線の特急

広島方面の景観

北西方向の景観
移動され復元した本丸の礎石

北方向の景観

福寿会館…後程この庭園にいく

天守展望台の周りはこんな感じで雰囲気は十分です。 天守の四方を回って一番の美しさを見せてくれたのは、この大銀杏の紅葉です。 …とにかく色彩の鮮やかさは素晴しく一番の時期に来て納得した。 本丸の本来の出入口はここではなく付櫓と繋がっており、更に本丸を囲むように伏見櫓、 正門の筋鉄御門と周囲を多門櫓で繋がって、当時の城郭は非常に大型の複合天守だった。 天守石垣も美しい景観です。



錦秋の鮮やかさを見せる大銀杏





1階出入口に本丸の模型がある




館内から出ると風も無く寒さも感じない最高の天気で気持ちがいい! これから本丸内を散策、石垣は修復され、昔を思い起こせる景観に仕上がっていた。 鐘櫓は1979年に修理、復興され、どこまでが本来の構造か正確にわからなくなっている。 築城当初から城主の居館があり、本丸御殿は公的な表向と私的な奥向から構成され、御湯殿とも繋がり、 黄金水は唯一現存する井戸で、屋根が付けられ蓋がされていた。





鐘櫓

本丸御殿表向跡
黄金水…唯一現存する井戸





伏見櫓(国重文)

伏見櫓は秀吉の伏見城からの移築とする説明たが、豊臣時代の伏見城は関ヶ原の戦いの前哨戦で 大部分が焼失しているはずで、徳川時代に再建された伏見櫓の可能性が高いと思った。 本丸御殿表向礎石は本丸南側に御殿の礎石が部分的に残されていた。 芝生と石畳で整備されているが整備状況は悪く礎石の並びを体系的に把握するのは難しいです。

筋鉄御門は本丸の正門に位置する櫓門で、筋鉄の名の通り、1階の扉や門柱に筋状の鉄板が打ち付けてある。 2階の門櫓には白漆喰総塗籠の柱に長押形が施され隣接する伏見櫓とよく合う。 御湯殿は大正時代から呼ばれていたが、江戸時代には本丸内の別の場所にあり、 現在の建物は再建して呼称を御湯殿とした為、勘違いしやすい。

筋鉄御門(国重文) 筋鉄御門

御湯殿
筋鉄御門

御湯殿


歴史観より象徴的な意味と市民の憩いの場の福山城です。 本丸広場の公園は広く、様々な角度から天守を撮影し楽しんだ! 月見櫓は戦災で焼失後再建され、江戸時代の古い写真とは形や造りが異なっています。 鏡櫓は本丸の東側にあり御殿の倉庫だったが月見櫓と同様だという。



本丸中央の石庭

月見櫓


月見櫓

鏡櫓

本丸内の史跡巡りも終わり、本丸の大手門から一度二の丸、三の丸と外側の見学に行く。 と云っても外側はJR福山駅が迫り目の前を新幹線や在来線がある。 城郭の見れる範囲を散歩した。 本丸以外は一度、民間所有地になり民家が立ち並んだが、国の史跡に指定されると買収されていった。

大手筋の筋鉄御門を出て二の丸から三の丸へ下る石段を降りて行くとJR福山駅の構内と道路に出た。 この石碑からJR構内のエリアが大手筋の鉄御門があったところです。

石碑の処から二の丸を見上げた景観は城郭の石垣が綺麗に復元されて、またお城を取り囲む白亜の城壁が美しく、 駅からも素晴らしい景観を見ることが出来る。 石碑から上にあがり二の丸の散策を。 二の丸のこのあたりは帯曲輪のように狭いが北側は広く江戸時代には幕府預かりの米蔵があり、長州藩が困窮した時に拠出したとも云われる。 この付近が福山城の一番の見所で、筋鉄御門、伏見櫓とも唯一の国重要文化財です。 残念ながら両方共中には入れないが、景観は最高!

石碑






石碑の処から上の二の丸を見上げた

石垣とJR福山駅

下方から見上げた筋鉄御門



大手筋…筋鉄御門(右)と伏見櫓(左)

大手筋の坂上御番所跡から見上げる伏見櫓

歴史を感じさせてくれる伏見櫓は天守の代わりをしてもおかしくないような立派な建築美です。 大手筋から二の丸の散策を再開。 ここから東方向へ行くが幅は狭くなった。

二の丸を少し先の左側の本丸石垣上に奇妙な建築物が目についた。 建物は清水寺のように石垣から建物を突出させた懸造の展望室と湯殿(蒸風呂)で再建は模擬的なものです。






懸造の展望室と湯殿(蒸風呂)

更に進むと城壁から樹木が突き出て珍しい景観です。 石垣隅には本丸の月見櫓が重厚の構えを見せてくれる。

坂上御番所跡から伏見櫓を撮影



更に東側の城壁を回ると東坂口御門があるが、現在は支柱だけの簡素なものです。 東坂口御門跡の前を二の丸の帯曲輪に沿って天守の北側方向へ移動した。 この辺りから本丸天守下の二の丸は広くなり、戦後、一時期は鳥の檻があったが、取り壊して水野勝成像を建立した。
天守礎石…空襲で焼失した天守に用いられていた礎石で二の丸北側に復元。

東側の東坂口御門跡

月見櫓、鏡櫓と続く多門櫓

東坂口御門跡の三の丸方向の景観

水野勝成像前から見た天守


…1978年に建立された水野勝成像

市民のジョギング路

天守と再建された天守礎石(下)

天守北面の下段は比較的広い敷地があり城米蔵と云われ幕府から預かった兵糧米(城詰米)を収める蔵が建ち並んでいたが、 現在はテニスコートや福寿会館などの文化ゾーンです。

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