■ 熊野古道めぐり 中辺路大門坂を歩く ■

今回の旅の目的、熊野古道最後の訪問は中辺路の大門坂です。 旅の初日に道の駅なちの職員に教えて貰いました。 旅紀行の話をして、その趣旨を話したら是非にと勧められた経緯を思い出す。 訪問前に道の駅なすに行くと、今日、案内所はお休みでした。 案内所の職員に逢えずガッカリしたが、記憶に残る県道を大門坂へ向かった。


天候は晴れているが青空は望めない。初夏を思わせ、気温が高く蒸し暑い日です。駐車場は満杯だが運良く滑り込んだ。 妻には杖を用意、三脚抱えてカメラバックを首に吊るして出発した。 駐車場では熊野古道の語り部と云われる、その昔の時代の話を説明と案内をしてくれる地元の係員が待機。(語り部は有料)

大門坂への入口



鳥居と振ヶ瀬橋




大門坂入口の処で記念撮影しゆるやかな坂を歩き始めた。田舎の道を散策するような感じでスタート、 家族連れやグループの賑やかな声を聞いていると、私達もウキウキしてきた。 那智山周辺案内図の周りには多くの人だかりで、これから歩く古道や那智山までの時間配分を確認している。

足元が石畳に変わり、鳥居をくぐって振ヶ瀬橋を渡ると大門坂茶屋があり、ここでは平安衣装がレンタルできる。 その姿で那智大社周辺を参詣でき当時の感覚を楽しめる。



演出のある門前提灯


古道の両側に夫婦杉
振ヶ瀬橋

古道に平安衣装が情緒たっぷり…


茶屋を通り過ぎ石畳の杉並木道になり、最初に夫婦杉が迎えてくれる。 あたかも鳥居のように道の両側に生い茂り、夫婦杉の立看板があった。 ここで多くの人が記念撮影を、「すいませんシャッター押してくれませんか」と、後から来る人に頼むと、その人も、 その後から来る人に、同じ言葉をかけて、皆さんが協力して楽しい記念撮影会の雰囲気でした。 私達もその仲間に入り、大門坂をスタートした。





多富気王子跡
平安衣装姿の三人娘

記念撮影して、人通りが少なくなって、あらためて夫婦杉の撮影をしてる時に、平安衣装に着替えた三人娘達が 通り過ぎていきました。慣れない衣装と足袋で足元が覚束なく、更に通りかかる観光客が珍しい被写体を見つけ たと、前後左右から撮影しています。ちゃっかり記念撮影する人もいますが、当人たちはスター気分で、にこにこ 笑顔が印象に残りました。 苔むした石畳に鬱蒼とした樹齢何百年という樹林から木漏れ日が差し、一段、一段登る気分は最高です! 暫く 進むと熊野参詣道中辺路の最後の王子社、多富気王子跡(たふけおうじ)があります。

太い巨木は根の部分が表皮から枯れないように人工的に補修されていた。 反対側は竹林が伸びて陽光に照らされ、いい映像を撮れた。 この付近は苔むした古道も所々なくなり、鬱蒼とした石畳は少ない。

古木 竹林 振り返った映像
正面から撮る人が多い 扇子の形の案内

映像の構図を考えながら、妻と共に撮影を楽しみながら進むので、いつしか三人娘達の後姿を見ながら古道を歩くことになった。 大門坂古道は石段数267段、600mの道程で、往復するには時間的にも丁度良い距離。 途中で県道46号線と接する部分があり、ここにはタクシーが客待ちをしてた。 高齢の方は家族が見守りながら一緒に連れ添っていた。その様子が微笑ましく田舎の義母を思い出す。

遠近感が…


直立する樹木と古道で構図を考えると、どうしても縦の構図が多くなる。 そして水平線を何処に置くかで、上方、下方の構図の変化が楽しめ撮影枚数が多くなった。 石畳と樹林の競演です。古道の雰囲気を映像におさめるには、パンフレットにあった早朝の霧がかかった時間帯がベストではないかと思った。

十一文関跡 唐斗石

県道と古道が接する処から少し登ると、唐斗石という石柱がある。 これは祈り石と云われ、そばに十一文関跡がある。大昔はここで通行料を徴収したという。 その石跡が両側に残っていた。






三人娘達はマイペースでゆっくりと登っている。後ろからの姿は背景が変わると、いい雰囲気の映像です。






石段を登りきると開けた場所に出た。かつては仁王像がある大門があったそうで、それが大門坂と云われる所以です。 ここから那智大社への鳥居まで歩くことになるが、私達はここで暫く休憩した。
三人娘達がこの後、到着。妻が娘さんのカメラで記念撮影をお手伝い。 ベール越しに初めて見る彼女達の顔にはうっすらと汗が滲んでいた。 それでも妻や娘達の笑顔が印象的だったので、ここで初めて撮影!爽やかな笑顔です。 帰宅してからテレビで映像を鑑賞すると旅の楽しさが倍増する。

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